“おいでやすODA”が誕生!? 国際協力を楽しく学ぶ『グローバルフェスタ』今年も開催

国際協力イベント『グローバルフェスタ JAPAN 2023』が9月30日(土)と10月1日(日)の2日間、東京・丸の内の東京国際フォーラムで開催されました。国際協力や社会貢献活動、SDGsなどに取り組む官民さまざまな団体が集まる国内最大級の国際協力イベントです。32回目となる今回は「世界をつくる国際協力。仲間は多い方がいい!」をテーマに、クイズやディスカッションで大いに学びました。

出典: FANY マガジン
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「溶けたのどあめを捨てずにかじった」のもSDGs!? 

初日のオープニングセレモニーには、おいでやすこが(おいでやす小田、こがけん)、タレントのすみれが登壇しました。

まず、穂坂泰外務大臣政務官が「今回のフェスタが国際協力への関心を深め、仲間を作る機会となればうれしい」とあいさつしたあと、おいでやすこがSDGsにちなんだ漫才を披露。こがけんの歌ネタあり、小田の叫びツッコミあり、と2人の武器を最大限に生かしながらも、SDGsやODA(政府開発援助)が学べるネタで、会場を笑いに包みました。

SDGsに関するトークでは、こがけんが食べられるぶんだけ料理を作ること、すみれが「プラスチックフリー」を実践していることを明かす一方で、「夏にのどあめをカバンに入れてたら溶けて固まりになったけど、捨てずにかじった」と小田。モノを捨てられない性格をネタに本まで出した小田らしいエピソードを披露しました。

出典: FANY マガジン
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その後は3人で「国際協力クイズ」に挑戦し、すみれが全問正解。最下位だった小田は「やめろ! 恥ずかしい!」と暴れ、こがけんから「今度から小田さんをODA(オーディーエー)さんと呼ぶ」とツッコまれていました。

注目の中小企業がプレゼン

続いてのステージは「町工場芸人・モンスターエンジン西森が聞く『中小企業の海外展開とODA』」です。

MCは高専・工学部出身のBSよしもとアナウンサー・佐竹美希。モデレーターを務めたのは、実家が町工場で「モノづくり東大阪応援大使」に就任したばかりのモンスターエンジン・西森洋一。おなじみの「中小企業―!」という挨拶で登場しました。

中小企業による途上国での開発問題への取り組みと、ビジネス展開に関する知見を共有し、ODAへの参加を後押しすることがステージの狙いです。

出典: FANY マガジン
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まず、外務省国際協力局の日下部英紀審議官が「ODAを通して途上国の成長市場の活力を取り込むことは、日本経済にとって重要」と訴えます。

そして参加各社が海外での取り組みをプレゼンテーション。西森が笑いを交えて内容をかみ砕きつつ、質問していきます。

再生可能エネルギー関連事業に取り組む「アドバンテック」(愛媛県西条市)は、石本祐子・取締役サステナブル事業部長がプレゼンします。省エネ・再エネパッケージ調査事業を地元・西条市で推進し、インドでも展開する同社。設備投資だけではなく再生可能エネルギーの利用も、事業の目標だそうです。

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「逆境をどう乗り越えたか」という西森の質問には、「実はまだ」との返答が。現地は電線などのインフラが未整備のため、安全性に問題があるとのことで、石本さんは「日本の技術を導入し、安全性や効率性を高めながら進める必要がある」と説明しました。

「実家工場の親父をインドに送り込む」!?

「京都科学」(京都市)は、髙山俊之社長がプレゼンします。同社は、人形型の医学・看護教育用シミュレータなどを開発・製造しています。同社の技術をエクアドルの中央大学に導入し、現地の学生の医学・看護教育の実習に役立てているそうです。会場に用意されたサンプルを確かめた佐竹アナは、「人に近いリアルな感触」と驚いていました。

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「トッププランニングJAPAN」(東京都中央区)は、村山哲生・代表取締役によるプレゼンです。カシューナッツの名産地・カンボジアで、カシューナッツの加工事業とバリューチェーン構築などを手掛けていて、「燃料や工業製品にも転用できる」と紹介しました。

今後の海外展開を問われると、村山さんは「工場の大規模化を図り、アメリカや中国などへ輸出を考えている。日本でも(商品などを)推進していけたら」と意気込みを語りました。

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各社のプレゼンを受けて、日本商工会議所の西谷和雄・国際部長は「各社とも自社の強みを生かし、現地のニーズに高いアンテナを張っていた」と称賛します。一方で、海外展開を目指すものの経営資源が不足している中小企業に対して、登壇した3社が活用したJICAの中小企業・SDGsビジネス支援事業を推奨。「日本政府の支援事業という位置づけ。ぜひ積極的に活用してほしい」と訴えました。

クイズ大会や質疑応答などもあり、この日1日でODAについてしっかり学んだ西森が、最後に「実家の工場は職人の親父が1人でやってます。インドあたりに単独で送り込みましょうか」とひとボケして会場を笑わせました。

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食のクイズで陣内「遠い異国の話じゃない」

2日目のメインステージでは、「若者たちと語ろう、ODA!~社会課題解決に向けた若者の挑戦~」というテーマで、森三中の村上知子が海外で活動する社会起業家らとディスカッションを行いました。

村上は、社会起業家たちの活動報告や意見を聞き、「ボランティアではなくビジネスにすることで、継続して海外支援できることがわかった」と感心した様子。ディスカッションに参加した外務省国際協力局の北村俊博審議官の「ODAは日本の国益にも繋がっている」という意見にも、大きくうなずいていました。

出典: FANY マガジン
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クイズ「世界の食料問題に挑む!」のコーナーでは、MCを陣内智則が務め、回答者はニッチェ、CRAZY COCO、QuizKnock(鶴崎修功、こうちゃん)。食をテーマに国際協力の重要性を学びます。

クイズでは、飢餓状態の人が世界中で8億人もいることや、ラオスではたんぱく源としてコオロギが食べられていることなど、参加者たちがクイズを解きながら学んでいきます。

陣内はクイズを通じて問題の深刻さを痛感したらしく、コーナーの最後にこう語りました。

「1時間前までは世界の食糧問題がわかっていませんでしたが、皆さんと勉強して、異国でも遠い話ではないとわかった。できることをやっていきたい」

出典: FANY マガジン
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こうして2日間の「グローバルフェスタJAPAN2023」も終了。家族連れや若者など、例年以上に多くの人でにぎわい、芸人たちも国際協力活動の意義を深く理解するイベントとなりました。

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