『関西演劇祭2020』実行委員長に羽野晶紀が就任! 「この役目は引き受けないと…と思った」

演劇を通して関西の街を元気にしようと昨年始まった『関西演劇祭』が、今年も11月に開催されます。10月11日(日)には、大阪市中央区のCOOL JAPAN PARK OSAKA WWホールで会見が開かれ、実行委員長に女優の羽野晶紀が就任することが発表されました。

この日は、羽野のほか、フェスティバルディレクターを務めるお笑い芸人の板尾創路や、審査員を務める映画監督の行定勲氏、劇作家・演出家の西田シャトナー氏らも登壇し、演劇祭の見どころなどを語りました。

出典: FANY マガジン

開催は大英断

「今年は、一時は開催が危ぶまれましたが、皆さまのお気持ちでなんとか2年目を開催することができてホッとしました。ぜひ成功させたいと思っています」

まずは板尾がこう挨拶すると、西田氏も「素直に今年も開催されることが嬉しい」と喜びを言葉にします。

「ずっと心が折れずに未来を見続けている主催者、劇団員たちが集い、そして観客の皆さまとともに未来を一緒に見ることができる場になるだろうと思います」

さらに、行定監督は「このコロナ禍において開催は大英断だった」としたうえで、こう語りました。

「いま、みんなが立ち止まらざるを得ない時に、文化に触れる機会を作っていただけたことは、自分のこれからの人生に照らし合わせてもすごく意義のあることです」

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画期的な「ティーチイン」

『関西演劇祭』は、「関西の街を演劇を通してもっと元気に! 関西から出てくる演劇の才能を日本全国に発信!」をテーマに昨年9月に初めて開催されました。2年目となる今回は、“変わらない試み”と“新たな試み”があります。

まず、変わらない試みは、昨年の演劇祭で導入されて好評だった「ティーチイン」。上演後に劇団員、観客、審査員が意見交換する仕組みで、関西演劇祭ならではの先進的な取り組みだと言えます。こうした取り組みについて、板尾が改めてこう説明します。

「演者とお客さんが意見を交換し合うことは新しい試み。『これはどういう意味があるんですか』とか、『なんでそっち向いてはったんですか』とか、なんでも聞けることはなかなかないと思います。また、1回の公演で2劇団の演目が上演されることも意外となかった見せ方なので、ぜひ体感していただきたい。この面白さは観に来ないとわからないと思います」

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一方、新たな試みとしては、今年の『関西演劇祭』には東京の劇団が参加します。行定監督は、「関西の演劇のイメージは“濃い”。それに対してほかのエリアから、どう挑んでくるか。そこでまた新しい化学変化が起こることが楽しみです」と期待感を述べました。

「劇場は、私の原点」

今回、実行委員長に就任した羽野は、京都出身で根っからの演劇人でもあります。

「劇場は、私の原点。関西で一生懸命がんばっている演劇人を対象とした演劇祭の実行委員長という役目は引き受けないといけないな、と思いました。頼りない私ですが、なんとか頑張ってやりたい」

こう決意表明を述べながら、やはり気になるのはティーチインのこと。

「劇場ってお客さんに夢を与える場所でもあるので、舞台が終わって種明かししちゃっていいんですか?という気持ちもあるのですが、去年もとってもよかったということで、実際に私も参加したいです」

出典: FANY マガジン

実際、この会見の前に、昨年の演劇祭を盛り上げた劇団コケコッコーの新作舞台『あっかんべー』を観劇したとのことで、さっそくティーチインのイメージが沸いたようです。

「観ていて、どんなふうに稽古したのかなとか、どこにいちばん稽古時間をかけたのかなとか、聞きたいことがいろいろありました。私がお客さんだったら『関西演劇祭』のティーチインでもそういうことを聞いてみたい」

受賞が飛躍のきっかけに

この日の会見には、昨年の演劇祭の受賞組も駆けつけました。吉本芸人のみで構成される『劇団コケコッコー』を率いるお笑いコンビ・令和喜多みな実の野村尚平、『オパンポン創造社』の野村有志、『幻灯劇場』の藤井颯太郎の3人です。

出典: FANY マガジン

最優秀脚本賞、最優秀演出賞などを受賞した劇団コケコッコーの野村尚平は、昨年の演劇祭で大きな手ごたえをつかんだ様子。

「劇団旗揚げ以前から脚本を書いていることも知っている、ずっと応援し続けてくださっている人たちにひとつの形として結実したことを喜んでもらえましたし、吉本の中でもちょっとずつ脚本や演出をしていることを認識していただいた機会になりました」

オパンポン創造社の野村有志は、「(昨年の演劇祭で)脚本、演出賞をいただいたことで、ドラマの脚本を担当したり、出演させていただいた」と語り、このイベントが飛躍のきっかけとなったと笑顔を見せます。そして、「今後、回を重ねていくごとに、この賞を権威あるものにしていただくと僕が助かります」と茶目っ気たっぷりに話しました。

また、京都から最年少の劇団として参加した幻灯劇場の藤井は、「京都と大阪は演劇の客層が分かれていると感じるので、『関西演劇祭』というお祭りが今後、お客さんや作り手たちの交流する場になっていったらいいなと思いました」と展望を語りました。

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まだ走り始めたばかりの演劇祭ですが、そこには演劇人たちの大きな期待がかかっています。コロナ禍という不確定要素の多い時期の開催に、板尾は最後にこう呼びかけました。

「『関西演劇祭2020』は配信もされるので、どうしても来られない方は配信で視聴してもらえたら。こういう状況なので劇場も万全の体制でお待ちしています。新鮮な劇団のお芝居がたくさんありますし、観劇というより参加するという気持ちで来ていただけたら、すごく楽しめます」

出典: FANY マガジン

開催概要

関西演劇祭2020~お前ら、芝居たろか!~

出典: FANY マガジン

日程:11月21日(土)~28日(土)
※審査発表は11月29日(日)
場所:COOLJAPAN PARK OSAKA TTホール(大阪市中央区大阪城3-6)
参加劇団:Artist Unit イカスケ/安住の地/キミノアオハル/くによし組/劇団アンサングヒーロー/劇団 右脳爆発/劇団The Timeless Letter×ラビット番長/劇団乱れ桜/ばぶれるりぐる/May
フェスティバルディレクター:板尾創路
スペシャルサポーター:西田シャトナー、行定勲ほか

<チケット>
一般:前売3,000円 当日3,500円
学生割引:前売2,000円 当日2,500円

※オンライン配信については、詳細が決まり次第、関西演劇祭の公式サイトで発表

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