NSC(吉本総合芸能学院)大阪校で、参加者たちが実際に漫才をつくる体験型ワークショップ「CANVASお笑いオープンスクール」が開かれ、ゲストにytv漫才新人賞決定戦の今年の覇者・隣人(中村遊直、橋本市民球場)と、人気漫才作家の藤田曜氏らが登場しました。豪華講師陣の熱血指導に、イベントは大盛り上がり。完成度の高い漫才が次々と生まれ、新たな才能たちにエールを送りました。
漫才づくりは「経験がいちばん大事」
7月25日(日)に開かれたオープンスクールのMCは、2018年結成のコンビ・タチマチ(安達周平、胡内佑介)。まずはNSCの概要説明で、お笑い芸人をはじめ作家などエンターテイメントにかかわる人材を育てる養成所であること、ダウンタウン、ナインティナイン、和牛、かまいたちなど数多くの人気芸人を輩出してきたことなどが紹介されます。
オープンスクールのメインイベントは、参加者たちが漫才づくりに挑戦する漫才講座「NSCワークショップ」。藤田氏を講師に、ネタ作りから始めて最後に1分ほどの漫才を披露してもらいます。
ワークショップ前編は、ネタ作りのやり方から。「経験がいちばん大事」と言う藤田氏は、「紙の上で漫才を作るのと、実際にやるのとでは違います。舞台に立ってしゃべる、お客さんを笑わせるのには実践しかなく、それが簡単にできる方法を教えます」と導き、ネタ作りの具体的な方法がレクチャーされます。漫才の基本構造を知ることで、「自分にもネタが書けるかもしれない」と“未知の扉”が開くような講義でした。
さらに、‟お笑い脳”にするためのダジャレにも挑戦。参加者は「スイカ」「アイス」「学ラン」などのキーワードを即興でダジャレ化していきます。ダジャレを応用して漫才のようなボケとツッコミの掛け合いも。
タチマチが漫才のお手本披露!
ワークショップ後編は、実践編です。あらすじが書かれたプリントに、ボケとツッコミを穴埋めしていくことで漫才が完成するという仕組みで、用意された2本の漫才テーマのうちからひとつを選びます。まずはタチマチがお手本としてネタを作り、1分ほどの漫才を披露しました。
続いて参加者たちが挑戦。参加者同士で即席コンビを結成して、ネタ作りをしていきます。安達も参加者のひとりとコンビを組んでワークショップに参加。胡内は、参加者に声をかけて相談に乗るなどしながら場を和ませていました。
こうして40分間のネタ作りと練習を終え、いよいよ発表タイムに! 審査員として登場した隣人・中村は「真面目に見ますよ!」と気合が入った様子です。発表を前に、隣人の2人から「相方のほうだけを見ずに、ちょっと前を見るとこなれた感が出る」「堂々と見せることが大事」などとアドバイスがありました。
6組の即席コンビが漫才を披露すると、隣人の2人は「ボケの子がめちゃくちゃうまかった」「声がいちばん出ていた。ボケ方もうまかった。ツッコミの子もしっかり論点をついていて上手だった」など参加者のポテンシャルの高さに感心しきり。
最後に「タチマチ賞」と「隣人賞」が選出され、「しゃべりもマイクの使い方もしっかりしていた」(胡内)、「ほんまにおもろかった! おもろいことを言う人の音程とスピードだった」(安達)、「ボケのクリーンヒットの数がいちばん多かった。声のトーンもよかった。ツッコミも上手だった!」(橋本)などと、新たな才能たちに目を見張っていました。
「大阪にいるならNSC大阪一強!」
オープンスクール終了後、隣人の2人に直撃しました。
――イベントを振り返って感想は?
中村 見る立場じゃないと思っていた人間なので、こういう仕事が入ってきてうれしかったですけど、ちょっと緊張もしましたね(笑)。賞レースの審査員ってこんな感じなんかなって思いました。
橋本 僕らがNSCに入ろうと思ったときより、いまはYouTubeとかでお笑いをたくさん見られるようになっているので、そもそも技術があるなと実感しました。僕らのときより、ぜんぜんうまい。基礎値が高い人たちばかりでした。
――今回、教える立場で参加して学んだことはありますか?
橋本 ここをこういう感じで言うのはいいなとか、言うタイミングとか、ぼけ方とか、言い方とか、細かいことになりますけど、僕らは動きメインでやってますけど、動き方も参考になりました。一方で、声が小さい人もいたので、伝えることがいちばん大事やと思うので、そこですね。声量。結局、声量がいちばん大事。何を言っているのかちゃんとわからんと、笑えるものも笑えないですよね。
中村 目がキョロキョロしちゃうとかもありましたが、そのへんは慣れなので、いずれうまくはなると思います。
――改めてNSCの魅力は?
橋本 毎年、必ず『M-1グランプリ』は盛り上がるし、そこで「漫才師かっこいいな」って毎年、みんな思っていると思うので、大阪にいるならやっぱりNSC大阪が一強やと思います(笑)。切磋琢磨することが大事で、NSCにはたくさんの人のなかで戦う機会があるので、そういう意識が芽生えるところもいいなと思います。在学中に多くのイベントに出られて、場数が踏めるメリットもあります。
中村 同期ができるのもいいですね。同期のエンペラー(安井祐弥、にしやま)はライバルですけど、ふつうに仲がいいので(笑)。
――自身も『キングオブコント』と『M-1グランプリ』の決勝を目標に、ネタに磨きをかけている真っ最中ですね。
橋本 コントメインで活動してきて『キングオブコント』はずっと追い続けていた夢なので、そこも追いつつ、『M-1』では変わった漫才をして番狂わせをしたいです。
中村 強豪コンビと決勝でどつき合いたい(笑)。負けたらちゃんと“視聴者”に変わるので、楽しみです!
よしもとアカデミーでは、「NSC」に加えて、2021年4月に新たに開校した「よしもとクリエイティブアカデミー」「よしもとパフォーミングアカデミー」「よしもとデジタルエンタテインメントアカデミー」の学院説明会を随時開催中です。
また、お笑い・クリエイティブ・パフォーミング・デジタルエンタテインメントの4ジャンルを学びながら高等学校卒業資格を取得できる「吉本興業高等学院」も同時に開校し、学院説明会を随時開催しています。
2022年度募集要項
NSC(吉本総合芸能学院)・よしもとクリエイティブアカデミー・よしもとパフォーミングアカデミー・よしもとデジタルエンタテインメントアカデミー
入学資格:18歳以上、高等学校卒業(見込)以上
※中学卒業(見込)以上18歳未満の人は吉本興業高等学院の入学となります。
※未成年で出願される人は、親権者・身元保証人の承諾が必要となります。
願書受付期間:2022年3月末まで随時受付中
吉本興業高等学院
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