2014年のキングオブコント・ファイナリストであり、現在、ピン芸人の「おしみんまる」が立ち上げた主催公演『おしみんまるの絶対ライブ』が、2月23日（金・祝）に東京・ヨシモト∞ドームで開催されました。今後も続けてやっていきたいと本人が意気込みをみせるこのライブ。初回となる今回は、ネルソンズ（和田まんじゅう、青山フォール勝ち、岸健之助）ら後輩たちをゲストにネタあり、トークありの怒涛の1時間でした！ その様子を芸人ライターとしても活動するバクコメ・半澤弘貴がお届けします。
ゲストはインテイク、江凸崎馬門、ネルソンズ
多くの観客が詰めかけた会場で、BGMがフェードアウトしてステージの照明が明るくなると、そこにはおしみんまるが1人立っていました。そして、コントが始まります。
不条理な世界に巻き込まれる男の話――5分ほどのコントで会場が笑いに包まれました。コントが終わると、まずはおしみんまるから来場者への感謝の言葉です。
「初の主催ライブでお客さんが集まるか不安でしたが、ゲストの皆さんのおかげもあって会場がいっぱいになり、本当にありがとうございます。今後、2回、3回とやっていきますので、どうかごひいきにお願いします」
ゲストは若手漫才師のインテイク（鈴木龍平、まえかず）、昨年4月にコンビ・ゆったり感を解散してピン芸人となった江凸崎馬門、そしてキングオブコント・ファイナリスト（2019、2022年）のネルソンズの3組です。おしみんまるの「では、ネタ４本続けてどうぞ」の凄まじい声量に、このライブへの意気込みが感じられました。
独特なテーマのしゃべくり漫才で会場を沸かすインテイク。リズムと体を使ったネタの江凸崎馬門。和田まんじゅうのキャラが光るネルソンズのコント。そして、予期しない展開に戸惑う男のコントのおしみんまる――立て続けにネタを披露したあとは、全員集合でトークとなりました。
ゲスト3組が選ばれた理由は…
トークコーナーでは、おしみんまるがゲストの選考理由を明かします。芸歴10年目以下の若手が出演する劇場、神保町よしもと漫才劇場から1組でインテイク。芸歴11年目以上の芸人が出演するヨシモト∞ホールから、まずは劇場のリーダーをということでネルソンズ、そして元気なやつが必要ということで江凸崎馬門を呼んだそうです。
コンビを解散したばかりの江凸崎馬門について、おしみんまる自身、2020年6月にお笑いコンビ・犬の心を解散した経験があるだけに、「いま大事な時期だから」といちばん始めにオファーをしたことも明かしました。愛のある先輩・おしみんまるの粋な計らいです。
今後もこのライブでは、同様のスタイルでゲスト3組に出演してもらうかたちで続けていきたいそうです。
おしみんまるに「御法度ですよ」とツッコミ
ライブ中盤では、後輩たちからおしみんまるへ愛のあるイジリが。
ネルソンズは、おしみんまるが、このライブにお客さんを呼びたいがために、ふだんの劇場出番のネタ中に“告知”をしていたことを指摘すると、「御法度ですよ」とツッコミ。さらに、おしみんまるが所属する∞ホールの楽屋で「芸歴27年」のオーラを出しすぎだと注意します。
また、おしみんまるがライブのMC中に後輩のトークを早めに切り上げたことによって、同じステージ上でそれを見ていた後輩芸人・ニッポンの社長とモメたことも暴露されました。
ネルソンズ・青山から、「こんな、おしみんまるさんはどう思う？」と聞かれたインテイク・鈴木は「鼻につくんですよね、おしみんまるさん」と言いたい放題。
もっとも、これはおしみんまるが後輩たちから愛されている証拠でもあります。あえて言わせるスキを与え、それを面白く返す先輩――それが、おしみんまるという芸人なのかもしれません。
終盤では、江凸崎馬門が考案した友だちになれるゲーム、その名も「E・Tゲーム」が行われてライブは終了。このゲームについては、ここではあえて触れないでおくことにしますが、おしみんまるからは「お前いくつなんだよ」とツッコミが入ったゲームでした。
次回の『おしみんまるの絶対ライブ』は、4月20日（土）にヨシモト∞ドームで開催されます。若手芸人とおしみんまるのネタあり、トークありのライブです。まだ見たことがない方は、ぜひ会場で見ていただきたいと思います。
最後に、いつの日かこのライブに現在、おしみんまるとモメているとウワサされるニッポンの社長がゲスト出演して、「E・Tゲーム」で仲直りをするのを願って――。
