結成10年で「グランドバトル」を制した黄昏の森…“マンゲキのボディガード”と“節約魔の界王神”が覚醒した先輩のアドバイスとは

大阪・よしもと漫才劇場(マンゲキ)で2カ月に1回、芸歴6年以上の所属芸人総出演で開催されている「グランドバトル」。「1位を取るのはどの賞レース優勝よりも難しい」といわれるガチンコバトルですが、結成10年目にしてこのバトルを制し、念願のマンゲキメンバー入りを果たしたのが、唯一無二のヘアスタイルが特徴のコンビ、黄昏の森(森川海豊、森島)です。そこで、いまだ興奮冷めやらぬ2人を直撃! グランドバトルの感想や、それぞれが個人的に自慢したいことなど貴重な話を聞いてきました。

出典: FANY マガジン
森川海豊(左)と森島(右) 出典: FANY マガジン

「ずっと準備をしていたので…」

——ついに劇場入りを果たしましたが、いまの心境は?

森川 最高の気分です!

森島 僕も最高の気分でした! 結成10年目の節目で劇場入りを果たせたのは、やはり感慨深いです。後輩からも「よかったです」とか、「一生ついて行きます」ってLINEがきたり……。

森川 僕には、NSC38期のホテルの森本(哲央)や、スキンケア大学の吉野(大)から、劇場入りできたことに「泣きました」ってLINEもらいました。

森島 そういう、まわりからの声が本当に嬉しかったですね。

——「グランドバトル」本番はいかがでしたか?

森島 よしもと漫才劇場って、キャパ300人くらいじゃないですか。ふだん、そういう場所でネタをやらせてもらうのって、先輩のイベントに呼んでいただけたときや、「M-1グランプリ」の予選くらいしかなかったんです。しかも以前、予選に出たときには、登場して1発目でちょっとウケたものの、あとは「カゼ引くんちゃうかな」って思ったくらい寒い空気で、しかも無音状態……。苦い思い出しかなかったので、反省点も踏まえて、この舞台で自分たちのネタをしっかり出し切ろうと挑みました。

出典: FANY マガジン
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森川 僕は緊張しなかったんですよ、わりとリラックスしてできたというか。ずっとグランドバトルに出る準備をしていたので。

森島 準備してたか?

森川 環境づくり。

森島 どういうことやねん!? どんな環境づくりやねん!

森川 めっちゃ長いこと時間をかけた環境づくり。

——つまりどういうことですか?

森川 後輩と仲良くするという……。

一同 (笑)

森島 時間かけすぎや!

森川 けど、“翔”(現在は芸歴8年目以下のマンゲキメンバー)の子たちは後輩が多いんですけど、そういう子らって、わりと早くに劇場入りを果たすので、仲良くしておこうと。基本、僕ら2人そろって先輩・同期・後輩からのイジられ役なんで、劇場のメンバーになっても、すぐにイジってもらえるように温めてもらおうという感じすかね(笑)。

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——今回、「グランドバトル」に挑むに当たって、ネタに対して意識したことはありますか?

森川 一応、ネタは僕が考えてるんですけど、ここ1〜2年は新ネタをどんどんつくっていくよりも、ありネタの強いモノをさらにブラッシュアップする作業ばっかりしていて、今回もそんな強いネタをぶつけました。

森島 去年の年末ぐらいに、ふっと以前、先輩のZUMAのひかるさんからアドバイスをいただいたことを思い出したんですね。「お前らはネタをやってるとき、お互い真ん中についたてを立てて単語を投げ合ってるだけにしか見えないから、キャッチボールせなあかん」って。確かに考えてみると、そんな感じはしてたんですね、壁投げのような……。だから相方にも相談してブラッシュアップして、今年1月の「UP TO YOU!」(オーディションライブ)でやってみたら、かつてない手応えを感じたんです。「あれ、これでちょっとひとつ突き抜けたかも」って。

森川 そのアドバイスがZUMAのひかるさんかぁ(笑)。

森島 酒で酔うてるときに言われたから、もう本人は忘れてると思うけどな(笑)。

森川 明確によくなったとか、ウケの量が増えたかはわからないんですけど。確かにお互いのやりとりがよくなった感覚はありました。

森島 10年目にそういうことに気づけたのは、よかったと思いますね。

出典: FANY マガジン
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矢田亜希子にほめられた「つかみ」

——昨秋には麒麟・川島明さんがMCを務めている「ラヴィット!」(TBS系)での「つかみ1グランプリ」でも爪痕を残しましたね。

森島 僕らにとっては縁も何もない番組でしたから、出られてよかったですね。

森川 正直、「M-1グランプリ」しかないという考えで、ネタさえ強ければいいと思ってたんですけど、そんな気持ちに疲れてきたというか……。それで「キング・オブ・コント」の準々決勝に行けて、なんか漫才ばっかりもしんどいな、いろんなことを考えなあかんなと思っていたときに「つかみ-1グランプリ」のオーディションの話を聞いたんです。ちょうど髪の毛を伸ばしていたころだったんで、それをつかみで生かそうと、いろいろなパターンの動画を撮って送ったら、出場することができました。結果、優勝はできなかったですけど、唯一、つかみを(審査員の)矢田亜希子さんに認められました(笑)

——森川さんもですが、森島さんのヘアスタイルも独特ですよね。

森川 僕は、自分の打ち出し方をどうするか考えていたときに、髪の毛を伸ばそうと。で、前髪は自分でパツンと切ってこの状態ですね。

森島 僕はむかしから短い髪型だったんですけど、ある日、ちょっと刈り上げてみたんです。それを見た先輩に「よりヘンさが増したな。なんかドラゴンボールの界王神みたいやな」って言われて、“あぁ界王神てキャラ、ありかもな”って思ったんですよ。それからですね、理髪店に行ったときは、ドラゴンボールの界王神にしてくださいって画像を見せてやってもらってます。

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“節約”で26キロを走って帰省

——おふたりのパーソナルな部分を聞きたいのですが、それぞれ自慢できることなどありますか?

森島 僕は走ることが好きで、いまも週に30キロは走ってます。以前、フルマラソンに出たときは3時間45分で完走しました。あと、山を走るトレイルランもやってます。
以前、初めて吉野山で行われた大会に出たときのことですが、50人くらいのガチ勢の出場者がいたんです。そのなかで自分は、アマゾンで買った1500円の安いスニーカーを履いて初挑戦しました。それにもかかわらず3位に入って、「何やあいつ」って、まわりをざわつかせてました。
とにかく走ることが好きなんです。ある年の母の日には、大阪の自宅から実家のある奈良の磯城郡まで、走って帰ったことをプレゼントにしようと思って、実行したこともあります。26キロくらいですかね。残念なことに母親からは「何してんの! この恥さらしが! 誰かに見られてないやろな!」って怒られましたけど(笑)。

森川 カッコよく言うてますけど、要はおカネないので、節約のために走って帰ってるんです。

森島 言うな!

森川 めっちゃ節約するんですよ。家では電気を基本使わないもんな。冷房も暖房も冷蔵庫も電気も使わない。電気代いくらやったっけ?

森島 340円。基本料金よりも下です。

森川 携帯の充電も家ではせず、基本、外でしてるもんな。喫茶店とかで打ち合わせするときは、必ずコンセントのある隅のほうの席でするんです。だから、僕がスマホを使おうとしても電波悪くて使えない(笑)。食事もな、かなり節約してるよな。

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出典: FANY マガジン

森島 基本、服は先輩からいただいてたりしています。一度、ツートライブのたかのりさんからスーツをもらったんですけど、スタイルがいいので僕には着ることができなかった。でもせっかくやから着たいと思って、ダイエットに成功した後輩のムームー大陸の渡辺(直樹)くんにアドバイスをもらったら「運動と鯖缶です」と。
それで、運動と鯖缶とバナナとサラダチキンで、夜は糖質をとらないという生活を続けていたら、14キロもやせて、無事にスーツを着ることができました。いまも基本、その生活を続けています。
さっき話したように、電気を使わないので、暑かったり寒かったりするときは家の近所のスーパーのフードコートに避難してるんですけど、そこでおばちゃんと知り合って、仲よくなっていろんなこと話してたら、会うたびに鯖缶や食べ物をくれるようになって助かってます。

森川 いろんなスーパーで、惣菜コーナーの半額ステッカーが貼られる時間を調べてリスト化してるしな(笑)。

森島 そういうことも含めて、生活のなかにマラソン、週に何度かの水泳、そして節約が組み込まれているので、わりと忙しいです(笑)。

最初の案は絶望的にダサかった!

——森川さんの自慢できることは?

森川 小学校のときに少林寺拳法をやっていて、一応、黒帯を持っていることと、高校のときに入っていたテコンドー部で「ワールド・テコンドー・クラシック」という大会に出場して、最重量級で3位になったことですね。いまではもう、体が大きなりすぎて無理ですけど(笑)。とはいえ、漫才劇場であれば、ボディガードとして人を守ることはできます! 強い力は、人を守るためにあるので。

森島 漫才劇場で誰を守るねん!

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——ぜひ、その実力をいかしてほしいですが(笑)。あと、何度も聞かれているかもしれませんが、コンビ名の由来は? ゲームからですか?

森川 それはよく言われます。確かにエゴサするとゲームのタイトルが出てくるんですが、まったくの偶然です。相方が、どちらも(名字に)「森」が入ってるんで「森」を入れたいと。もしあかんかったら「リバーアイランド」はどうやって。

森島 森の下に川と島がついてるんで。中学で英語習いたてのときに、僕のことフォレストアイランドとかいうてたし。

森川 それは絶望的にダサいんで、それだけは回避したくて。それで「なんとかの森」って思いついて、その“なんとか”をいろいろ考えていたんです。「音のない森」とか、「花のない森」とか。そしたら、たまたま僕が着ていたTシャツが黄色で、そこから“黄昏”って言葉が浮かんだので言うてみたら「それいいやん!」となりました。

森島 でもね、これは偶然やなく必然やなって思ったんです。以前、スーパーに勤めてたときにアメリカに研修に行って、おみやげにキーホールダーを買ったんです。それが“Twilight”、“黄昏”って書かれてたんですよ。だから導かれたんだと思っています……。

森川 ダサいでしょ(笑)。しかも、出囃子は何がいいか相談したら「ウルトラソウル」と……。

森島 ええやんけ! 僕、ずっと水泳をやってたんですけど、「世界水泳」のときに使われてたんで。

森川 ねっ(笑)。

森島 ねってなんやねん!

森川 と言うことで、今回、劇場メンバーになったことをきっかけに、まず出囃子を変えたいと思います!

取材・文:仲谷暢之(アラスカ社)

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