M-1王者の令和ロマンが“三度目の正直”で『ABCお笑いグランプリ』優勝! 「伝説の漫才師になりたい」

芸歴10年以内の若手芸人たちが競い合う『第45回ABCお笑いグランプリ』は、2年連続準優勝だった令和ロマン(高比良くるま、松井ケムリ)が優勝に輝くという劇的な展開で幕を閉じました。昨年のM-1王者である2人が「出るかどうか迷った」という今回の大会。7月7日(日)に開かれた決勝で、2人は今年から渡されることになった優勝ベルトと賞金100万円のパネルを受け取り、満面の笑みを見せました。

出典: FANY マガジン
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プレッシャーは「正直ありました」

「ホッとしました。もうABCに出ずに済む。全スタッフ、全芸人、ホッとしたと思います」

優勝決定後の会見でこう語ったくるまは、プレッシャーについて「正直ありました」と素直に明かしました。

令和ロマンはNSC(吉本総合芸能学院)東京23期生で2018年結成。芸歴6年目の昨年、M-1王者となった一方、ABCお笑いグランプリではファイナルステージでダブルヒガシと同点、ファーストステージの点数が高いほうが優勝というルールに涙をのみました。

悲願の優勝となった今回の大会について、くるまは「M-1は初出場で後輩。下剋上のときは無鉄砲にいけるけれど、ABCは10年以下の大会で7年目というと上のほう。そういう戦いはやったことなかった」と難しかった心境を語りました。

今年で45回目という歴史あるお笑いコンテスト『ABCお笑いグランプリ』は、漫才、コント、ピン芸など、なんでもありのお笑いの異種格闘技。昨年はダブルヒガシ、一昨年はカベポスターと、人気と実力を兼ね備えた若手芸人たちが栄冠を手にしています。

今年のエントリーは568組。そのなかから激戦を勝ち抜いた12組がA、B、Cの3つのブロックに分かれてネタを披露し、さらに各ブロックの勝者3組がファイナルステージで優勝を争います。審査員は、リンゴ(ハイヒール)、兵動大樹(矢野・兵動)、陣内智則、岩崎う大(かもめんたる)、山内健司(かまいたち)、ユースケ(ダイアン)、立川志らく。MCは山里亮太(南海キャンディーズ)、本田望結が務めました。

「これでやっと成仏できます」

まずはファーストステージから。Aブロックは、ぐろう、天才ビアニスト、ダウ90000、金魚番長という顔ぶれで、審査の結果、ネタを見た陣内が「最高のコント」と評した、3年連続3回目の決勝進出だったダウ90000がファイナルステージに進出しました。

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Bブロックにはエバース、やました、フランスピアノ、青色1号が登場し、ファイナルに進んだのは、ラストイヤーの青色一号。兵動は「ラストイヤーの積み重ねがここで一発ドンと出た、圧巻でした」と絶賛しました。

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Cブロックは令和ロマン、かが屋、フースーヤ、ぎょねこの4組。審査前に山内が「難しい……」とこぼした激戦の結果は、2年連続準優勝の令和ロマン。審査員7人のうち5人が「1位」をつけました。山内は「M-1チャンピオンだからじゃなく、単純にネタがおもしろくて1位だった。すごかった」と、そのレベルの高さに脱帽していました。

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ファイナルステージは、令和ロマン、青色1号、ダウ90000の順でネタを披露。それぞれが持ち味を生かしたネタを披露したなか、優勝したのは700点満点で659点を獲得した令和ロマン!

優勝の瞬間、ケムリは笑顔でガッツポーズし、くるまは何度もジャンプするとガッツポーズを連発。「ありがとうございます!」「イエーッ! よっしゃー!」と喜びを爆発させました。

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優勝のコメントを求められたケムリは「これでやっと成仏できます」、くるまも「本当に(大会に)出るの、どうなんだろうと思ってたんですけど、優勝したらめちゃくちゃうれしいです!」と素直な気持ちを明かします。

しかし、そのあと「(今年の)M-1グランプリでお会いしましょう!」と笑顔を見せると、ほかの芸人たちからブーイングと笑いが起こりました。

「出られる大会がある限り出たい」

放送後の優勝会見で、M-1優勝後の賞レース参加について、くるまは「M-1はもう出るって決めてましたが、ABCは出られるなって気がついたときに、どうしようって1回考えました」と明かしながら、「準優勝、準優勝で終わるのも……と思ったし、コント・ピンと戦えるのはABCしかない。戦いたいな、という気持ちになった」と振り返りました。

ケムリも「いっぱいトロフィーがほしいからABCも出たいな、と」とうなずきますが、ヒール的な役割にもなっていることについては、「芸歴6年目でM-1チャンピオン、どう考えても悪者」とくるま。そして、「これでオレらを倒すスーパー主人公が出てきても面白いと思ったんですが、今回は(悪者が勝利という)“バッドエンド”になってしまって……」と笑わせました。

今回の1本目のネタは、審査員の志らくが「去年のM-1(決勝)のネタよりおもしろい。映画になる」と大絶賛。この評価について、くるまは「見る目があるな、と」とひとボケしたあと、こう語りました。

「去年のよりっていうのはうれしかったですね。M-1では準々決勝、準決勝でやっていたものの、決勝では披露できなかったネタでした。どこかでやりたいと思っていたんで、そこがABCに出るいちばんの理由でもあったんです」

さらに今後の目標について、くるまはこう意気込みます。

「寄席も楽しいけど、今日、来るときにめっちゃテンションが上がりました。ラグビー部だったので、そういうスポーツのノリでどうしても戦いたい。戦わないとつまんなくなっちゃうのが怖いけれど、出られる大会がある限りは出たい」

これにケムリも「僕も卓球部なのでおんなじです」とうなずくと、くるまから「卓球部に闘争本能はねぇだろ!」とツッコミが。改めてケムリは「NGK(なんばグランド花月)のトリとかを目指して、伝説の漫才師になりたい」と力を込めました。

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