吉本発「少女歌劇団ミモザーヌ」が初舞台! 基礎から鍛えられた「歌」「踊り」「アクロバット」を披露

マルチクリエイターの広井王子氏が総合演出を務める吉本興業の「少女歌劇団プロジェクト」から生まれたグループ「少女歌劇団ミモザーヌ」が、11月15日(日)に大阪・なんばのYES THEATERでお披露目ショーを開催しました。プロジェクトの発表から2年。厳しいレッスンを積み上げてきた少女たちが、世界に向けた生配信で、初舞台に臨みました。

出典: FANY マガジン
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「少女歌劇団ミモザーヌ」は11歳から20歳の少女たちで結成。第1期メンバーは応募総数736人の中から14人の少女たちが選出され、その後、9人の第2期メンバーが加わり、現在は23名で活動しています。メンバーは20歳を迎えると退団という年齢制限も設けられています。

この日は、2期生の研究生1人を除く22人のメンバーによる初舞台となりました。

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新鮮なアクロバティックなパフォーマンス

お披露目ショーは会場から生配信され、オンラインで日本全国はもとより全世界に向けて発信。まずはジャズの名曲『Welcome! Sing Sing Sing』から始まり、続いてオリジナル曲4曲を披露しました。

ストリートファッション風の衣装とアクロバティックなパフォーマンスが目新しい『扉の向こうへ』、楽曲に「和」のテイストを盛り込んだ疾走感と焦燥感が交錯する『愛の速度』。そして、世界各国の「ありがとう」を歌詞に取り入れた祝祭感あふれるゴスペル調の『ありがとうございます』と、グループのテーマ曲である『ミモザのように』を歌い上げます。

出典: FANY マガジン
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少女のような可憐さと大人っぽさを備えた歌声と、キラキラと輝く笑顔、そしてダンサブルでアクロバティックなパフォーマンスで魅了し、初舞台とは思えない堂々としたステージングを繰り広げました。

個性豊かなトークコーナー

きくたまことと、すずきみあいムェンドワの2人がMCを務めたトークコーナーでは、お披露目ショーまでの日々を振り返ります。

レッスンについていくのがやっとだったというみあいは、毎日の基礎練習が力になったと語り、「基礎は大事!」と大きな声で訴えます。

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また、2期生のともだりのあが「対面レッスンで1期生のみんなが昔から知っているみたいに仲良くしてくれて嬉しかった。いろんなレッスンが楽しくて、ミモザーヌに入れてよかったとしみじみ思いました」と感慨深い様子で語ると、「小学校6年生で”しみじみ‟なんて言葉を知っているのがすごい!」とまこと。

『扉の向こうへ』でバック宙やバック転の連続技を見せた2期生のみやはらにこは、茶目っ気たっぷりにこう話します。

「ずっとリモートレッスンで顔しか見えなかったので、対面レッスンで初めてみんなに会った時、みんな背が高くてびっくりしました!」

そして英語が得意というろれあは、画面の向こうの視聴者に向かって英語で挨拶しました。

出典: FANY マガジン
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グループ名の「ミモザーヌ」は花の「ミモザ」に由来しています。ミモザの花言葉は「友情」、「優雅」、そして「感謝」だと言われます。この小さな丸い花びらがたくさん集まって可憐に咲くミモザが、少女歌劇団の名にふさわしい花として選ばれました。この日、初公開された制服ビジュアルでも、ミモザの花をイメージした黄色がアクセントとして入っていました。

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1年半の体幹トレーニングと腹式歌唱

少女歌劇団の創設が発表されたのは2年前。昨年5月に1期生が決まり、メンバーたちはそこから約1年半の厳しいレッスンを積んできました。

「2年前の発表当時はコンセプトがぼんやりしていた」と語る総合演出の広井氏は、彼女たちとレッスンを重ねるなかで、「レビュー(ショー)とは」、「歌劇団とは」、「少女とは」という一つひとつの命題と向き合い続けたと言います。そして、「やっと整って、お披露目することができました」とホッとした表情を浮かべました。

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もともとのコンセプトは、広井氏のこんな思いからきています。

「オリンピックの卓球やフィギアスケートは子どものころから始めて、中学生で世界を目指しているのに、エンタメの世界ではできないのかと、つねづね考えていた」

そこで、体づくりから徹底するために体幹トレーニングとストレッチを組み合わせたレッスンを毎日、繰り返したといいます。広井氏は、メンバーたちの努力をこう語ります。

「最初のころは言われている意味がわからなくても、体ができてくると、言われたことがぜんぶできるようになるということを、彼女たちは自分たちで発見していった。僕たちが教えたことではありません。“笑顔”を作ることも、舞台が楽しくなければ笑顔にならないということを自分たちで発見して、舞台のなかに楽しさを作り、厳しいレッスンのなかに達成感を見出して、いまここに立っています」

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歌のレッスンでは、腹式歌唱を徹底的に指導。その成果は確実に表れています。「すごいエンジンを積んでいるのに、喉で歌って、ガラスの心臓だった彼女が、本当に変わった」と紹介されたみあいは、『アメイジング・グレイス』をアカペラで披露しました。

「実は僕自身が教えられてきた」

この1年半は、広井氏と一人ひとりのメンバーが向き合う期間でもありました。

1期生を全員集めた当初は何もできず、「本当に不安になって辞めようかと思った」という広井氏ですが、そんななかで「でたらめだけど、踊ると『こんなに楽しい!』というオーラを出していた」のが、1期生のいわなみゆうかでした。その姿に触発されて、メンバーたちそれぞれの個性を引っ張り出す作業をしようと、考え方を改めたといいます。

「僕は頭でっかちで、古い知識で作ろうとしていたら、彼女たちにはそんなものはぜんぜん通用しなかった。そういうことがわかって、彼女たちとコミュニケーションを取りながら作ることにしました」と話し、「実は僕自身が教えられてきました」と振り返ります。

出典: FANY マガジン
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笑顔で語る広井氏でしたが、思わず涙を浮かべる場面もありました。幼いころからアクロバットのレッスンを積み重ね、この日のお披露目ショーでも堂々としたパフォーマンスで惹きつけたにこが、初舞台を前に広井氏に渡した手紙のことに言及したときです。

「あんなにアクロバットができるのに、彼女は学校でいじめられていたそうです。手紙には“私に居場所を作ってくれてありがとうございました”と書いてありました。そういう子どもたちがほかにもいっぱいいます。僕も居場所を作れたらどんなに幸せか……」

出典: FANY マガジン
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こうした一歩一歩を積み上げて、みんなで作り上げるレビューは、いままで見たことのない“新感覚”なものになります。「アクロバットを取り入れることで、立体的なものができないだろうか、そこに歌や踊りが入った新しいレビューが令和の時代にできたらいいなと思いました」と構想を語る広井氏。すでに13曲のオリジナル曲ができあがり、準備は万端だと自信を覗かせていました。

出典: FANY マガジン
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「少女歌劇団ミモザーヌ」は、12月30日(水)に第1回公演『Begin~始まりの歌~』のオンライン配信が決定。公式サイトでは、11月15日(日)から2期生のプロフィールと『ミモザのように』のMV(ミュージックビデオ)が公開されています。

「少女歌劇団ミモザーヌ」公式サイトはこちらから。

『ミモザのように』のMVはこちらから。