“仏教マニア”笑い飯・哲夫が「出家」しないワケ
高野山大学イベントで明かした意外な理由

仏教関連の著作を出版し、大学でも仏教講座を開くなど、お笑い界屈指の“仏教マニア”として知られる笑い飯・哲夫。6月15日(火)に開かれた、高野山大学(和歌山県高野町)の新学科設置を記念したオンラインイベントに登場し、大学理事長・学長で宗教界の重鎮でもある添田隆昭氏らと仏教や教育について対談しました。入学を熱心に勧める添田学長らに、哲夫もまんざらでもない様子で……。

出典: FANY マガジン
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密教・仏教の精神に基づいた教育や研究を行う高野山大学は、今年4月に大阪府河内長野市に文学部教育学科を開設。今回のイベントはそれを記念したもので、「われわれは何のために学ぶのか」をテーマに高野山キャンパスから生配信されました。

「仏教マニア」を隠していた過去

「高野山に上ると空気が違う。崇高な場所でお話させていただけるのは、本当に贅沢」

日本仏教の聖地、高野山に建つ高野山大学から配信されたイベントで、哲夫は舞台上に掲げられた弘法大師・空海の姿を見ながら、しみじみとこう語ります。

仏教との出合いは、子どものころに聞いたお経をかっこいいと思ったこと。その後、お経の意味を知って、その魅力に気づいたことで「マニアになっていった」といいます。

出典: FANY マガジン
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「芸人になった当初は、そのことを隠していた」という哲夫は、番組の楽屋チェック企画で隠していた般若心経を見つけられてしまいます。それがきっかけで出版話につながるなど、次第に仏教通であることが知れ渡っていったそうで、「仏教マニアを隠すのをやめたことで、こんなにありがたいお仕事をいただけるようになった」と笑顔を見せました。

「お寺で聞いた話をパクッてよそで話す」

イベント当日は、ちょうど高野山真言宗の開祖である弘法大師の誕生日。登壇した添田学長と副学長の岡本正志氏は、弘法大師が現在の香川県善通寺市で生まれたことや、生誕を祝う行事として毎年、高野山で『青葉まつり』が開かれていることなどを説明します。

そのうえで、「高野山大学は日本人のメンタリティを学ぶ場所で、ここで学ぶことは日本文化を学ぶことです」と語る添田学長に、哲夫は「こんなにきれいな空気のなかで勉強させてもらえると、勉強に対する意欲も充実しそう」とうなずいていました。

出典: FANY マガジン
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さらに、弘法大師の若き日や曼荼羅、金剛界、胎蔵界についてなど、添田学長から仏教に関する“深い話”が語られると、哲夫は「お寺に行くと、こういう話がたくさん聞ける」とありがたがりながら、「それをパクって、あたかも自分が知っていたかのように、よそで話す」とネタバラシをして笑わせます。

体験型カリキュラムで学ぶ新設学科

新設された教育学科は、「日本初の画期的な教員養成課程」を謳い、一般的な教育学科にはない農業や林業などを必修科目として学ぶ特別なカリキュラムが特色です。岡本副学長が「新しいカリキュラムを作った」と力を込めるその内容は、農作業や馬の世話、地域おこしなどを体験学習するというもの。哲夫は「いいですよね」と興味深そうに聞き入っていました。

出典: FANY マガジン
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現在、受験生に向けたオープンキャンパスを実施している最中で、添田学長は「来年の4月には、哲夫さんは高野山大学に入学してる!」と“予言”。「ぜひ学ばせてもらいたいと思った。授業を受けさせてもらって成長できたら」とまんざらでもない様子の哲夫に、岡本副学長も「来てもらえたら学生も成長できる。真面目にラブコールを送らせてもらいます!」と続けました。

鉄道マニアで言うところの…

イベント終了後、「崇高な場所で先生方といっしょにステージにいさせてもらえたのが光栄」と感激した様子の哲夫に、添田学長がこう語ります。

「日本人は気づかないうちに大きく密教に影響されています。ここは、そのメンタリティとは何なのかということを勉強する場所でもあると知ってもらえたらうれしいです。そういう意味では、哲夫さんからいろんな質問も頂戴したので、その一端はお答えできたんじゃないでしょうか」

出典: FANY マガジン
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おもむろに浮上した入学話については、「もし体験入学できたら、ぜひ一緒に学ばせていただきたい」と哲夫。「生徒さんと話ができるなら、(日常会話にある仏教の)語源系クイズとかやれたら楽しくなるかも」とさっそくアイデアを語る一方で、「学生さんに僕の本を買わせます」としっかり“悪だくみ”もしていました。

新著については、「(予定がないから)ヒマがないくらい執筆したい」とぼやきながら、「自分で勝手に『奥の細道』みたいな、小説風の物語の合間に俳句を入れるという、めっちゃかっこつけてるのを書いてます」とのこと。

出典: FANY マガジン
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一方、報道陣からは哲夫に「出家する考えは?」との質問も。

「(僕は)鉄道マニアでいうところの“運転手の真後ろから見てるだけの人”なので。教えていただいたお話を僕なりの解釈でパクって、みなさんに伝えてドヤ顔してるだけの性分です」

こう丁重に否定した哲夫は、「まだ遊びたいし、お酒も飲みたい(から出家はしない)」と付け加えて笑いを起こしました。

この日のイベント『~われわれは何のために学ぶのか~笑い飯 哲夫と語る』の視聴はこちらから。

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