池坊華道を学んでいる高校生が3人1組でチームを作り、作品制作とプレゼンテーションで日本一を競う日本最大の高校華道コンクール『Ikenobo 花の甲子園』。その決勝である全国大会が11月14日（日）、いけばな発祥の地・京都六角堂を望む池坊会館で開催されました。会場には、全国140チームの中から勝ち抜いた強豪９チームが集結。優勝の栄冠に輝いたのは、東海地区代表の岐阜県立岐阜商業高校でした！
今回は無観客・オンライン生配信
国内最古で最大規模の華道家元・池坊が開催する『Ikenobo 花の甲子園』は、2009年にスタートして今年で13回目となる、日本で唯一の高校生の華道大会です。司会進行を務めるのは、若い世代に華道の魅力を発信する華道男子グループ「IKENOBOYS（イケノボーイズ）」のメンバーであるお笑い芸人、齊官昌伍。そして大会アンバサダーのNMB48・梅山恋和がスペシャルゲストとして登場しました。
無観客・オンライン生配信となった今回の大会は、別室で藤崎マーケット（田崎佑一、トキ）が生配信の副音声を担当。高校生たちの熱戦を見守ります。
大きな拍手に迎えられた代表９チームの入場に続き、主催者代表として池坊華道会の池坊雅史事務総長が、出場する高校生と別室にいる藤崎マーケットに熱いエールを送りました。
「3時間、皆さんの心に残る素晴らしい思い出となりますように。そして、今回の大会は生配信されるということで、たくさんの人に見ていただけるかどうか、藤崎マーケットさんにかかっていると思います！」
指定花材14種が発表され、「フラワー！ ファイト！」という花の甲子園恒例の掛け声とともに、いけ込みスタートです！
個性爆発のプレゼンテーション！
いけ込みは30分。1人の持ち時間10分で、3人でリレーします。花を花器にいけることが許されるのは花バサミを持っている者のみ。後の2人はアシストに回ります。
各校が持ち込める自由花材は1種類で、あとは指定の花を使って作品をいけていきます。それなのに、まったく違った彩りと形に仕上がっていく素晴らしさ。茎を捻じり、独特の形を作っている高校も！
会場の熱気に、齊官が思わず「大人たちの視線のなかで作業するのは緊張するはず。本当は順位なんかつけたくないんやけどね……」とポツリと呟く場面も。
とても短く感じる30分――どのチームもギリギリまで花と向き合っていました。
続いて、完成した作品について、3分間のプレゼンテーションタイム。各チームとも、画像やイラスト、小道具などを用意して元気よく語ります。抜群のチームワークに梅山が思わず「勉強になります！」とうなる場面も。中・四国地区代表の安田女子高校（広島県）は歌と踊りを披露し、大きな拍手を受けていました。
優勝は高校1年生チーム
大会アンバサダーのミキによる「花の甲子園」特別映像の上映、藤崎マーケットのトークをはさんで審査が終わり、いよいよ表彰式へ。
第3位は東海地区代表・静岡県立田方農業高校、準優勝は関東地区代表・群馬県立桐生高校……そして優勝は、東海地区代表のもう1校、岐阜県立岐阜商業高校のチーム「花あゆ」！ 持ち込み花材のアレカヤシを手に見立て、「手をつなげて人の和が広がっていく」ことを表現した作品で栄光を掴み取りました。
次期家元の池坊専好氏は、「岐阜商業高校は、3人ともが1年生でありながら、作品の完成度も高く、線の美しさが際立ち、とても落ち着いて堂々と自分たちの思いを伝えようとしていて印象的でした」と優勝校を評価したうえで、すべての参加チームを称えました。
「みなさん、創意工夫を持って取り組んでいることが感じられました。花の甲子園で学んだことをこれからの生活に活かしていただければと思います。素晴らしい作品をありがとうございました」
藤崎マーケット「3連覇を狙ってほしい！ でも…」
コンクール終了後、「優勝できて、本当に嬉しいです！」と声を弾ませる岐阜商業高校の3人。司会を担当した齊官は「ずっと感動しっぱなし」と興奮気味に語り、「来年も司会をしたいです！」としっかりアピールしていました。
生配信を担当した藤崎マーケットも、3人の戦いぶりを絶賛します。
「こんなステキな戦いがあったのか、なぜ私たちはいままで見逃していたのか！ しかも今回、優勝されたこの3人は、唯一、全員が高校1年生というチームですよね。花器もいちばんユニークな形のものを使っていたし、勝負に出たんでしょうか？ 末恐ろしい1年生ですよ。感動しました！ これまで連覇はあったらしいんですが、3連覇はないから、それを目指して頑張ってほしいですね」
もっとも、気になることもあるらしく……。
「連覇を狙ってはほしいんですけど、3人のアンケートを見たら、好きな芸人がミキ、ジャルジャル、千鳥だったんで……。やっぱり、ちょっと優勝取り消しということで！」
「これからも花でたくさんの人を笑顔にしていきたい」と語った岐阜商業高校の3人。来年もまた、この場で熱い花の戦いが行われることに期待です。フラワー！ ファイト！
『Ikenobo 花の甲子園2021』全国大会代表9チーム
【北海道地区】海星学院高校（北海道・室蘭市）
【東北地区】秋田県立平成高校（秋田県）
【関東地区】群馬県立桐生高校（群馬県）
【北信越地区】文化学園長野高校（長野県）
【東海地区】岐阜県立岐阜商業高校（岐阜県）
【東海地区】静岡県立田方農業高校（静岡県）
【近畿地区】比叡山高校（滋賀県）
【中・四国地区】安田女子高校（広島県）
【九州地区】佐賀県立唐津南高校（佐賀県）
大会の模様はこちらから視聴できます。
公式サイトはこちらから。
