いまや夏の恒例イベントとなった『ラグビー新喜劇』が8月25日(日)、大阪・吉本新喜劇セカンドシアター(YES THEATER)で開催されました。タックルながい。の元ラガーマンとしての人脈とラグビーセンスをフル活用したこのイベントでは、今年も「ジャパンラグビー リーグワン」の花園近鉄ライナーズ、レッドハリケーンズ大阪、ヤクルトレビンズ戸田の選手やコーチが、吉田裕や島田珠代、もじゃ吉田ら新喜劇座員と夢の競演! 体を張った笑いでラグビーの魅力をアピールしました。
「ラグビー映画の撮影現場」の設定で…
報徳学園高校時代には聖地・花園ラグビー場で全国大会に出場、その後も法政大学やホンダヒートでプレーした経歴を持つ生粋のラガーマンであるながい。今回もその人脈を生かして、「ジャパンラグビー リーグワン」の花園近鉄ライナーズからタウファ統悦アシスタントコーチ、村田毅選手、横井隼選手、レッドハリケーンズ大阪から山内俊央選手、金勇輝選手、ヤクルトレビンズ戸田から李城鏞選手という豪華メンバーの出演が実現しました。
前半は、ラグビーをテーマにした新喜劇。ラグビー映画の撮影現場を舞台に、ながいが“50歳の新人エキストラ俳優”に扮して物語を牽引します。冒頭から、助監督役のもじゃ吉田を相手に、暑苦しいボケを連発! さらに、主演俳優役の佐藤太一郎、共演者役の咲方響やベテラン俳優役の烏川耕一も加わり、ラグビーあるあるをからめたボケでも笑わせていきます。
チェリー大作戦(ねんど、宗安聖)が扮する監督、音声スタッフとともにカメラマン役の統悦アシスタントコーチが登場すると、観客は大喜び。宗安とのコンビでノリツッコミやボケを披露し、伝説のコーチ役のやなぎ浩二をお姫様抱っこするシーンも飛び出すなど、『ラグビー新喜劇』常連らしいコメディアンぶりを発揮しました。
吉田裕が乳首ドリルからの「スクラム組むんかい!」
マネージャーと称する岡田直子が、村田選手ら5選手を呼び込むと、なんと客席通路を走って入場! うれしいサプライズに、ひときわ大きな歓声と拍手が起こります。
ながいのリクエストで、パスやラインアウトの実演も。ラグビー経験者の宗安や、初心者・ねんどとパスのやりとりを見せたほか、客席から希望者を募ってラインアウト体験も行われました。間近で見るプロのプレーに、出演者も客席も大興奮!
もちろんお笑いへの挑戦も忘れません。追っかけファン役の珠代が選手たちに文字通り“猛攻”を仕掛けると、体を張って応戦します。珠代から指名を受けた金選手がギャグ「シンガポールの昆虫」をやって見せると、観客は拍手喝采。
ご存じ「パンティーテックス」は、村田選手を筆頭に全選手が披露し、それぞれノリノリのパフォーマンスで沸かせました。さらに、村田選手は「チョモランマ」をフルコーラスで完コピ! 珠代も思わず吹き出す熱演を見せていました。
同じく追っかけ役の吉田は、横井選手との「乳首ドリル」を披露したかと思えば、李選手には「スクラム組むんかい!」とツッコんで、会場は爆笑の渦に。ラグビーの精神「ワンチーム」がからむクライマックスまで、座員と選手が一体となって駆け抜けました。
トークコーナーではラグビー少年に“熱血指導”
後半戦は、和気あいあいのトークコーナー。まずはながいとチェリー大作戦・ねんどをMC役に、「リーグワンをもっと知ろう!」と題したレクチャーからスタートです。
烏川、もじゃ吉田、岡田、咲方、宗安が聞き役となり、ディビジョン1〜3からなるリーグの構成や、プロ選手と社員選手の違いについて、観客と一緒に学習します。
選手たちが自身の契約を説明しつつ、「社員選手にはデスクワークの人もいれば、営業職もいる」「プロ選手は現役を引退したら、自らセカンドキャリアを築いていかないといけないが、社員選手は所属企業に残れる」などと説明すると、芸人たちは「へぇ〜!」と前のめりで聞き入っていました。
観客から事前に寄せられたアンケートをもとに、選手たちを丸裸にする「スクラムトーク」も大盛り上がり。「練習で味方がボールを持っているとき、なかなか前に行ってサポートができません。どうすれば前に行けるようになるか教えてください」という小学2年生からの質問には、統悦アシスタントコーチが「ボールがどこにあるかを見て、そこに行ってサポートすること。もらえそうならパスをもらって」とアドバイスしました。
さらに村田選手が「自分がボールを持ったときも、仲間が助けてくれているはず。だから、仲間がボールを持ったときは助けてあげて」と激励すると、烏川は感動のあまり「もう幕閉めようや」と口走っていました。
「ハンドリングがうまくなりたい」という質問者には、山内選手が「(ラグビーだけでなく)いろんなボールを使い、指先の感覚を鍛えること」と回答。
2023-24シーズンからディビジョン2に昇格したレッドハリケーンズ大阪の選手には、「前年といちばん変わったことは?」との質問もあり、山内選手は「レベルが1個上がるので、外国人選手の数も違う。そういう強い存在がモチベーションにもなり、さらに上を目指そうという雰囲気が出てきている」と話しました。
「けっこうモテてた」けど実は…
“ライナーズの宴会部長”の異名を持つ横井選手は、「今日の手応えは?」と聞かれると「明日、ブロンコ測定(長距離を走る持久力のテスト)があるので、あんまり前に出てないです」と苦笑。客席にいる前田隆介GMに「明日、休みにしてください!」と訴えます。
一方、村田選手は客席に家族が駆けつけていたそうで、子どもたちから「パパ最高!」とかわいい声援が飛んでいました。
ほかにも、統悦アシスタントコーチに「ライナーズで期待している選手は?」という質問が飛んだかと思えば、李選手には「チームでいちばんモテるのは?」という質問も。「ライナーズ(所属)のときは、けっこうモテてました」と胸を張る李でしたが、「実は1人で行きつけの店で飲んでいた」と暴露されるひと幕も……。
エンディングでは各チームから、12月21日(土)に開幕する新シーズンに向けて意気込みが語られました。
花園近鉄ライナーズ・横井選手「今日は笑いで笑顔にできたので、次は勝利で笑顔にして昇格します」
レッドハリケーンズ大阪・金選手「次は皆さんと試合会場でお会いできることを楽しみにしてます」
ヤクルトレビンズ戸田・李選手「チームとして大きなチャレンジ。ヤクルトレビンズを応援お願いします」
それぞれの選手の呼びかけに呼応して、会場が大きな拍手に包まれながらイベントは幕を下ろしました。