ナインティナイン・矢部浩之が主催する、子どもたちのためのサッカーイベント『やべっちCUP 2024』の開催が決定しました！ 毎年、プロのサッカー選手やサッカーを愛する芸人たちが一堂に介して、子どもたちとサッカーを楽しむこのイベント。第7回を迎える今年は、12月28日（土）に千葉県・JFA夢フィールドで実施します。U-12のサッカー大会のほか、新たに小学生を対象としたサッカースクールも行われる予定です。ますます充実する大会について、矢部にその思いを語ってもらいました！
「泥臭い子」を応援したくなる
――『やべっちCUP』の開催が今年も決まりました。
今年も開催できて、まずはホッとしています。12月28日で年末なので、選手のみなさんはオフシーズンで海外に行ったり、プライベートでスケジュールが入っていたりするんでしょうけど、けっこう集まってくれるみたいでありがたいですし、スポンサーさんにも協力いただけました。あと嬉しいのが、今年もJFA夢フィールドで開催できること。JFAにも協力いただいて、ありがたいなと思っています。
――今年で7回目となりますが、これまで参加してくれた子どもたちのプレーを通してどんなことを感じていますか？
いわゆるテクニシャンと言われるタイプではなく、どんな状況でも、献身的に泥くさく一生懸命走っている子ってどんなチームにも必ずいるんですけど、そういう子を見るとがんばれ！ って（心の中で）応援してしまうし、いいなと思いながらついつい見てしまいますね。
逆に、もともとセンスがあってチームの中心でエース的な存在の子は、ボールを取られても取り返さないタイプが多いというか。ちっちゃいころの僕がそうやったんですよ。
――お話を聞きながら、矢部さんはどちらのタイプだったのだろうと考えていたところでした。
僕は誰に教わることもなく、最初からほかの人よりできたところから、――ミランに移籍したときの本田圭佑さんじゃないですけど――高校でも「10番」のユニフォームを当たり前に着ていたんです（笑）。で、鼻を折られたのが、高２で参加した大阪選抜のトレセン。そこでサッカーを辞めようと思ったので、子どもたちにはこうなってほしくないというのもあるんですよね。
サッカースクールでプロと一緒にボールを蹴る！
――今年はトーナメント方式の大会以外に、小学生を対象としたサッカースクールも開催されることになりました。
毎年、観に来ている方のなかに、弟さん・妹さんがいるご家族がいるんです。観てるだけだったそういう子たちが、さらっと参加できるものがあればいいなと思っていたので、すごくいい企画だなと思います。しかも、プロと一緒にボールを蹴ることができるという、ふつうではできない体験ですからね。
――U-12のサッカー大会は毎年、抽選になるほど大人気ですが、Jリーグのアカデミーから地域のサッカークラブまで、いろんなチームが対戦できるのも『やべっち CUP』ならではですよね。
そう思います。遠くから来たのに全試合負けたっていうチームもいると思うんですけど、「こんだけうまい子がいるねや」と思うことは大事というか。
そこで諦めると高校時代の矢部浩之になってしまいますけど、もっとうまくなりたいって思う子は必ずいるし、試合に負けたなかでも、あの強いチームのあの子にここは通用したとか思うことも大事じゃないですか。（試合を通して）できることと、できひんことが自分のなかで見えてくるので、いろんなチームと対戦するのはいいことですよね。
――また、芸人が楽しませてくれるのも『やべっちCUP』の魅力です。
芸人はサッカーをやりながらボケたりしてるので、みんな手応え的にはスベってるって言ってますけどね（笑）。試合はもちろん真剣勝負ですけど、それ以外のところでも面白いことをしてるので笑ってもらえたら。楽しい部分と真剣な部分をバランスよくできたらいいなと思っています。
サッカー未経験の子どもたちにも来てほしい
――矢部さんが開催にあたっていちばん大事にしていることは？
楽しくサッカーしたいなぁっていうのは、チビのころからありますね。もちろん強いフィジカルでがんがん当たって強引にプレーするのもサッカーのひとつですけど、やっぱり自分が楽しむことが大事やなと思います。
あと、これは毎年思うことなんですけど、来てるチビッ子たちは『やべっちF.C.』を観てない世代じゃないですか。お父さんやお母さんが「こんなんあるなら、出ようや」って言ってくれたんでしょうね。
――確かに、観に来ているご家族らしき大人の方々が、すごく楽しそうにしている印象があります。
お父さん、お母さんが『めちゃイケ』世代でもあるんですよ。それで毎年、たくさん応募してくれますし、やり続けることが大事やなと思いますね。今年から始まるサッカースクールは、サッカーをしたことない子どもも参加できるので、たくさん来ていただきたいです。
「サッカーもお笑いも一緒」という理由は
――そこでプレーしたことをきっかけに、サッカーを続けたいと思う子も出てくるかもしれないですし。
そうなんです。うちは息子が2人いて、どちらもサッカーをやっていたんですけど、下の子が（サッカーを）辞めたんですよ。サッカーとなると、お兄ちゃんの友だちとつるむことが多くて、そうすると、どうしても（体格差などの理由で）自分が劣るじゃないですか。で、楽しくないって言って、いま空手やってるんです。東京五輪で金メダルを獲った喜友名諒選手をテレビで見て、かっこいいって言い出して夢中になってるんです。
けど、お兄ちゃんとサッカーボールを蹴ってはいるんで、サッカーも楽しいんやろうなって。そういう子もいるでしょうから、遊びの延長線上としてもサッカースクールは持ってこいですよね。
――矢部さんとしては、サッカーをまたやってほしいと思っているんですか？
下の子がやりたいって言うなら。自分も２歳違いの兄がいる男だけの兄弟なんで、比べられる気持ちがわかるんですよ。下の子がまたサッカーを始めてうまくなろうもんなら、上の子のケアも必要でしょうしね。
僕は小学校からサッカーやってたんですけど、兄貴は中学まで野球とかテニスをやってたのに、高校になってサッカー部に入ったんです。で、同じ高校に進学して、僕もサッカー部に入るんですけど、僕と兄貴の間に（相方の）岡村（隆史）さんがいるんですよ。相方も高校からサッカー始めた人だったので、１年で入った僕だけ試合に出るんですよ。……2人はツラいですよね？
――たしかにそうですね（笑）。
１年でもう1人、のちのキャプテンの子と僕が試合に出るのを、2人は観てたんです。でね、兄貴はNSC（吉本総合芸能学院）にも入ったんですよ。雨上がり決死隊と同期で。その2年後、サッカー部の後輩だった岡村さんと弟の僕がコンビを組んで入って、徐々に仕事が増えていくんです。……たまんないですよね、兄貴は。
のちにオカンが「30歳まで兄貴はおかしかった」って言ってましたし、兄貴もかなり大人になってから、ぶっちゃけて喋るようになりました。ある日、テレビでナインティナインを観てて、“あぁ、こいつらスゴいな。いったな”と思ってから、コロッと変われたそうなんです。「『ここまで誘導するポジションやったんやな』と思えたからよかった。サッカー部の後輩と弟がここまでになると思わんかった」と。そういうことを経験しているので、男兄弟を見ると精神的なケアも考えるようになりましたね。
――矢部さんは小さいころから続けていたサッカーを通して岡村さんと出会って、芸人になってからサッカー番組を持ちました。人生のさまざまなところにサッカーが存在するというのも巡り合わせを感じますよね。
誰がいちばん幸運か？ って言われたら、たぶん僕やと思いますね。全部、巡り合わせやったので、出会いは大切やなと思います。
――そして今度はそのサッカーを通して、子どもたちにいろいろなことを伝えていくんですね。
サッカーがうまい人なんか世の中にいっぱいおって、サッカー選手になれなかった人もいっぱいいる。サッカーが下手やったけど、日本代表になってワールドカップに出た人もいる。面白い人なんか世の中にいっぱいおって、でもテレビ向きじゃない面白い人もいっぱいいる。……サッカーもお笑いも一緒やなと思いますよね。
子どもたちには、いまうまくいかなくても諦めてほしくないですし、逆にチームとか地区でいちばんうまいとしても、あぐらをかいてほしくないなと思います。そういうなかで、人との出会いの大切さは伝えられるんじゃないかなと。自分ももういい歳ですし、いまやからこそできる大会やと思います。
――最後に、U-12サッカー大会へ参加を考えているみなさんにメッセージをお願いします。
地方からだと自費なので、おカネもかかってしまうんですけど、楽しいなとか来てよかった、また来たいなと思ってもらえるような大会にしたいと思っていますので、ふるって応募いただけるとありがたいです。ほかにも、今年はサッカースクールもあるので、多くの子どもたちに参加してもらえたらうれしいですね。
U-12サッカー大会への申し込みは10月9日（水）から11月4日（月）21:00まで。詳細はやべっちCUP特設サイトで。
イベント概要
『やべっちCUP 2024』
日時：2024年12月28日（土）9:00～16:30（予定）
場所：JFA夢フィールド（千葉県千葉市美浜区美浜11）
やべっちCUP特設サイトはこちらから。
