いけばな高校生・日本一「花の甲子園」は岐阜県立岐阜商業高校が2連覇の快挙! 「この結果を受け継いでいきたい」

華道の家元・池坊が主催する高校生華道コンクール『Ikenobo 花の甲子園2024』の全国大会が11月17日(日)、華道発祥の地・京都六角堂に隣接する華道家元池坊2階ホールで開催されました。16年目を迎える今年は、全国から136チームがエントリー。大会アンバサダーのミキ(昴生、亜生)とNMB48・塩月希依音がエールを送るなか、地区大会を突破した13チームが「青春」をテーマに、“いけばな高校生・日本一”を目指して熱戦を繰り広げました。

出典: FANY マガジン
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アンバサダーのミキ、塩月希依音もエール!

チームの入場では、まずは昨年の優勝チーム・岐阜県立岐阜商業高等学校の優勝メンバーが優勝旗を持って会場へ。続いて今年の代表13チームが拍手のなか、入場します。各チーム、揃いのポーズを決めるなどリラックスした表情を見せていました。

まずは、ミキと塩月の挨拶から。塩月が「出場者の皆さんの緊張感を感じられるんですけど、どこかワクワクして、大会を楽しみにしているというのも感じられます」と語ると、3人は出場者たちと恒例の「フラワー! ファイト!」の声を上げます。

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ミキの2人も「みなさん健闘を祈ってます。全力を出して悔いの残らないようがんばってください!」(昴生)、「楽しんでくださいね!」(亜生)とエールを送りました。

続いて挨拶に立った青年部代表・池坊専宗さんは、各チームに「自分が思っている“まことの言葉”、“まことの思い”をしっかり発信していただくことが大事です。緊張もすると思いますが、その緊張感、ドキドキも楽しみながら過ごしてください」と語りかけました。

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3人がリレー形式で作品づくり

大会ルールは、制限時間30分、1チーム3人が花バサミをバトンの代わりにリレー形式で作品を仕上げ、最後に3分の持ち時間でプレゼンテーションをします。

指定花材が発表されると、司会の「よーい、スタート!」の声で、いよいよ“いけこみ”のスタートです。1番手は、何もないところから作品の軸を作っていくという重要な役割。それぞれがフォローし合いながら、真剣に花材に向き合います。

塩月は「いま見たばかりの花材でテーマに沿っていけるのはすごい」と驚きの表情で、「大胆にハサミを入れている。もう個性が出てきてますね」と各チームの印象を話しました。

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あっという間に10分が経過。2番手へとバトンタッチです。生徒たちはさらに花材へ集中。それぞれが声をかけ合いながら、作品をより華やかにいけこんでいきます。審査員が目の前にいても、生徒たちはまったく目に入っていないよう。真剣な表情で、ときに笑顔を見せながら花に向き合っていました。そして10分が過ぎ、3番手へバトンが渡されると、会場から拍手が送られました。

3番手が担うのは、バランスを見ながら最後の調整を行う大切なパートです。残り5分の声がかかると、各チームともラストスパートに入ります。同じ花材を使っているにもかかわらず、それぞれ個性が際立つ作品が並んでいます。残り1分の声を聞いても、まだハサミを入れているチームがあるなど、最後の最後まで奮闘。「終了!」の声と同時に、会場は大きな拍手に包まれました。

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プレゼンでは歌を披露する学校も

作品解説プレゼンテーションでは、3分の時間内に作品の意図や、テーマである「青春」について思いを伝えます。

かわいらしい歌を聞かせるチーム、勢いと元気いっぱいのチームなど、作品と同じく、それぞれ個性的なプレゼンを展開。制限時間3分ジャストのチームに、会場から歓声と拍手が起こるシーンも。各チームがハツラツとした青春の輝きを感じさせてくれるプレゼンでした。

審査結果発表の前には、アンバサダーの塩月が、この日の大会のためにいけた自身の作品についてトーク。今回は、草花が持つ本来の美しさを表現する生花(しょうか)に挑戦したそうで、「シンプルだからこそ難しい」と言います。ひとつの作品を完成させるのに2時間ほどかかったとのことで、「長さの調節が難しく、枝を切らずに折ったりして自然な感じに見えるようにしました」と明かしました。

また、生け花を始めて3年の塩月は、昨年から免許状が一段階昇進となったということで、免許状の授与も行われました。

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2年連続優勝に「プレッシャーもあった」

そしていよいよ順位発表へ。緊張のなか、3位・茨城県立取手第二高等学校、準優勝・秋田県立横手城南高等学校の名が呼ばれ、栄えある優勝校は、岐阜県立岐阜商業高等学校に決定!

2年連続3回目の優勝で、賞状や盾、メダルが渡されると、メンバーたちは笑顔を見せつつ少し涙も浮かべていました。

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優勝メンバーの3人は、全員が高校に入ってからいけばなを始めたとのことで、今回の作品は、花のメインがトルコキキョウ、枝のメインがサンゴミズキ。青春をイメージした伸びやかな斜めの構成がポイントで、縦や横になり過ぎないよう、足もとも広がり過ぎないよう意識したといいます。

2連覇ということで、「前年の先輩からのアドバイスが力になりました。プレッシャーもありましたが、本当にここまで練習してきてよかったなと思います」と笑顔を見せながら、「後輩に、この結果を受け継いでいきたい」と来年を見据えたコメントもありました。

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大会の総評で次期家元・池坊専好さんは、「どの作品もそれぞれの思いが反映されていました。声をかけ合い、励まし合いながら作品に取り組んでいる姿は感動的でした。今日感じたいろいろな思いを糧にして、これからの人生を送ってください」と語りかけました。

『Ikenobo 花の甲子園2024』全国大会出場13チーム
【北海道大会代表】北海道札幌北高等学校(北海道札幌市)
【東北大会代表】秋田県立横手城南高等学校(秋田県横手市)
【関東北大会代表】茨城県立取手第二高等学校(茨城県取手市)
【関東南大会代表】小石川淑徳学園高等学校(東京都文京区)
【北陸大会代表】小松市立高等学校(石川県小松市)
【静岡県大会代表】静岡県立御殿場南高等学校(静岡県御殿場市)
【東海大会代表】岐阜県立岐阜商業高等学校(岐阜県岐阜市)
【近畿大会代表】比叡山高等学校(滋賀県大津市)
【中国大会代表】安田女子高等学校(広島県広島市)
【四国大会代表】徳島県立徳島北高等学校(徳島県徳島市)
【九州北大会代表】久留米工業高等専門学校(福岡県久留米市)
【九州南大会代表】熊本県立熊本高等学校(熊本県熊本市)
【リモート枠代表】東京学館高等学校(千葉県印旛郡)

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