5年ぶりの「きょうと新喜劇」は狂言との初コラボ! 主宰の森田展義が“講談師”としてストーリーテラーも担当

吉本新喜劇の森田展義が主宰する公演『きょうと新喜劇-1.0』が、11月30日(土)に京都・よしもと祇園花月で開かれました。『きょうと新喜劇』は“京都人による京都のための新喜劇”で、今回は5年ぶりの復活。ゲストに狂言大蔵流の名門・茂山千五郎家から茂山茂を迎え、新喜劇とのコラボで客席を爆笑の渦に巻き込みました。

出典: FANY マガジン
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いつもとはスタイルの異なる新喜劇

この日は新喜劇から森田のほか、アキ、末成映薫、山田花子、千葉公平らが出演。おなじみのテーマ曲が流れて、舞台がスタートしました。

拍子木が響き、花道に照明が当たると、そこには紋付き袴を身に着けた森田の姿。コロナ禍のさなか、“講談師・旭堂南丸”としての活動を始めたという森田は、いきなり「稽古の日数がなくて、全部できてない」と話して笑わせます。

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さらに「反省点が、いまの段階で1つある」と切り出すと、特別グッズとしてタオルを100枚作ったものの「ぜんぜん売れてない! 1人5つ買ってください。20人いたら完売です」と客席に向かって切実なお願い。そして「準備はいいですか?」と呼びかけると、観客は森田の持ちギャグ「はーい!」でレスポンスして本編スタートです。

花道に置かれた釈台の前に座った森田は、「舞台は昭和60年の京都……」と講談スタイルで話し始めます。森田はこの日、登場人物の説明やストーリーの補足、さらに芝居へツッコミも入れたかと思えば、出演者が森田にツッコむシーンもあり、オリジナリティ満点。さらに場面転換が行われたあとは、森田も芝居に参加します。

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昭和60年(1985年)、少年時代の森田が友人と一緒に神社で不思議な穴を発見。そして令和6年(2024年)、ヤクザになった森田が友人と神社へ行き、その穴へ身を投じると昭和60年にタイムスリップします。借金に手を染めようとしている幼馴染の父親を救おうと孤軍奮闘……というストーリーです。

花子の“バカボンボケ”や今別府直之の“ピュッ!”、浅香あき恵の“オーマイガッ!”など、おなじみのギャグに会場は爆笑。千葉による「確かに俺はセリフを忘れてる!」という逆ギレや、アキと今別府のコラボギャグも大ウケです。

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狂言師・茂山茂がギャグ連発!?

狂言師役の茂山は、桑原和男の往年の“挨拶ボケ”を披露しながら登場。茂山は狂言について、室町時代にできた日本でいちばん古い喜劇で、気軽に楽しんでほしいと説明します。新喜劇と狂言には共通点があって、織田信長、源義経といった歴史上の有名人物は出てこず、庶民がたくさん登場するところが似ているとか。

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茂山が、今別府のギャグ“ピュッ!”を披露すると会場は大盛り上がり。さらに狂言独特の「笑い」を聞かせると、拍手が起こります。茂山は、狂言では「は」の音で「笑い」を表現すると説明しながら座員と観客にレクチャーし、会場全体で声を合わせて狂言を体験しました。

その後も舞台は、昭和と令和を何度も往復しながらストーリー展開。狂言師となった森田が、茂山と狂言『鬼瓦』で共演するシーンでは、森田の熱演に会場からは拍手も起こります。最後はドタバタの末に、あっと驚く見事な結末を迎えました。

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カーテンコールでは、次回の『きょうと新喜劇』について「来年の4月くらいにできれば」と話す森田に、観客の女の子から花束がプレゼントされるサプライズも。森田は「(花をくれたのは)弟の娘さんです。むちゃくちゃ身内です」と笑わせ、最後は三本締めで締めくくりました。

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