2024年4月に「島ぜんぶでお~きな祭 第16回沖縄国際映画祭」特別招待作品としてプレミア上映され、話題となった映画『くすぶりの狂騒曲』が12月13日(金)より全国公開となり、14日(土)に新宿バルト9にて公開記念舞台挨拶が開催されました。
М-1グランプリを目指した男たちの軌跡
本作は、今年で結成10周年を迎えた大宮セブンの初期メンバーでありながら、仲間の活躍を横目に、飛躍のきっかけを掴めない状況に葛藤するタモンズを中心に、成功を夢見る芸人たちの軌跡をたどる“大人たちの青春群像劇”です。
中心となる芸人コンビ・タモンズのツッコミ・大波康平を、舞台「駆けぬける風のように」で文化庁芸術祭 演劇部門「新人賞」を受賞し、近年の主な出演作としてアイヌと和人(シサム)を描いた歴史スペクタクル映画「シサム」、NHK連続テレビ小説『虎に翼』など数々の映画、ドラマで活躍する和田正人が演じ、ボケの安部浩章を入江悠監督の出世作である映画『SR サイタマノラッパー』で主演を務め、その後も吉田恵輔、行定勲、犬童一心、藤井道人など数々の名監督の作品に出演する駒木根隆介が演じました。
総勢17名が登壇したイベントに!
映画上映後に行われた舞台挨拶。ステージには本作に出演する和田正人と駒木根隆介、そして辻凪子に加え、主題歌を担当する河口恭吾、立川監督、そして本作のモデルとなった大宮セブンのメンバーら総勢16名が勢ぞろいとなりました。
ステージの上手から下手まで、登壇者がずらっと立ち並ぶ姿はまさに圧巻! しかも映画に出演する俳優の数よりも、モデルとなった大宮セブンのメンバーの数の方が多いという状況に、センターに立った和田も「なんだか今日はすごく居心地が悪いです」と苦笑い。
「本物に囲まれているし、それにこんな大人数でやる舞台あいさつというのもなかなかないですし。この人数でやるのは『キングダム』みたいな総製作費20億円超えの超大作とかでやるやつなんですよ。だから今日は頑張って山﨑賢人の気分でいます」とぶちまけて会場を沸かせると、劇場マネジャー役の辻も「わたしは映画の中の大宮セブンさんしか知らなかったので、本物か偽物か困惑しています」と続けました。
挨拶だけでイベントが終わってしまうかも…
さらにその後もジェラードンのアタック西本がタモンズ・大波のものまねを披露したかと思えば、囲碁将棋・根建がヤクルトを高く掲げてみたり、マヂカルラブリー・村上が俳優モードのささやくような声でカッコ良くあいさつを決めたりと、やりたい放題のメンバーたち。
そんな脱線気味のトークに会場も大笑いとなりましたが、そうこうしているうちにも時間は刻一刻と過ぎていき、映画の公開を祝して鼓を叩こうと待ち構えていた、すゑひろがりず・南條が「はよあいさつをさせてくれ!」と嘆いたり、司会者が「これでは挨拶だけでイベントが終わってしまうかも……」と心配するほどに、大盛り上がりの舞台あいさつとなりました。
そんな中、和田が後方の客席を指差して「今、あそこに村上さんを演じた吉田壮辰くんがいます!」と紹介すると、会場からは大きな拍手が。その流れで登壇者たちから「おいでおいで!」「ダッシュで!」と促された吉田も急きょ舞台あいさつに加わることになり、舞台上は総勢16名から17名の大所帯に。
ステージに向かう吉田に向かって「本物より大きい!」といった声が飛び交うなど、大盛り上がりの登壇者たち。村上も「この間ふたりで飲みにいって。楽しかったですね」と笑顔を見せました。
主題歌「悪い恋人」で監督が涙…
一方、本作の主題歌「悪い恋人」を担当した河口は「芸人さんが夢を追いかけながらいろんなことを経験していく作品。自分はミュージシャンとして音楽を志したわけですが、好きではじめたことが仕事になると、それはきれい事じゃないことになっていく。でもそれをあきらめずにやっている芸人さんの、不器用だけど、生き方として美しいところを曲にできたらなということで書かせていただきました。芸人の皆さんから曲良かったよと声をかけていただいてホッとしました」とその想いを語りますが、「われわれがそんな生意気なことを言ったんですか? 生意気すぎますよ」とツッコむタモンズ・大波に会場も大笑い。
そんな中、立川監督は「どうしても僕もはじめて聞いた時に、相方に対して歌っているような感じに聞こえて。めちゃくちゃ泣いてしまいました」としみじみ語った。
ステージ上はカオス状態に…!
また実際に自身を演じた俳優陣の演技はどのように映ったのでしょうか? まずはタモンズ・大波が「僕は最初に観たときに和田さんがカッコ良すぎて。自分のことじゃないように冷静に観ることができたんです」と感想を述べるも、高校の回想シーンのところでふたりが出会う箇所に触れて「あそこでは安部さんが校舎でイヤホンを聞きながら外を見ていて。天才ぶっていたんですけど、あれは100%ウソですからね。彼がひとりでいたのは本当ですけど、それは天才ぶってひとりでいたわけではなくて、嫌われてひとりでいたんです。でもあそこはお気に入りのシーンになりました」と語って会場は大笑い。
続いて安部が「駒木根さんは全部が僕と一緒なんです。フォルムも一緒ですし、ベルトの穴も一緒。ベルトを貸し借りできる仲なんです」と語ると、突如GAGのSJが、“劇中で安部を演じた駒木根のものまね”をしながら「安部、もうちょっとええこと言えたんちゃうか?」とツッコみ。
さらにほかのメンバーたちも安部のものまねをはじめるなど、ステージ上はカオス状態に。そんな様子で「あちこちから沸いてくなぁ!」と焦る安部の姿に会場は大いに沸きました。
和田と駒木根の屋号が決定!
そんな中、映画でタモンズを演じた和田と駒木根に大宮セブンの特長でもある「屋号」をつけることになりました。「誰が名前をつけますか?」とお互いの顔を見合った大宮セブンメンバーたちだが、安部が指名したのはまさかのGAG・安田で、会場は大笑い。
屋号は末尾に「し」をつけることになっていることから、熟考の末、安田がひねり出したのは「まさし さとし」……だったが、周囲のなんとも薄いリアクションに、「ナシナシ! 今のはナシ!」とあわてた様子の安田の姿に、会場も大盛り上がり。
そんな具合で「まさし さとし」が却下される流れとなる中で、安部が「この間、和田正人さんのお子さまにもお会いして。奥さまの吉木りささんが本当におきれいで。かわいらしいお子さんもいて……うらやまし」と語ると「おお!」と感心した様子の会場内。そして続く駒木根の屋号は「太し2」に決定! ちなみに初代の「太し」は、村上が拝命していますが、そんなふたりに会場からは大きな拍手が送られました。
「ひとりでも多くの人に観ていただきたい」
そんな大盛り上がりのイベントもいよいよ終盤に。最後に立川監督が「ほとばしる役者魂、芸人という生きざま。そしてそれを取り巻く大きな愛に触れられて、僕はしあわせでした。この映画がどんどん観ていただけるように願うばかりです」と語ると、駒木根も「本当に楽しく撮影をさせていただいたんですが、本日このような日を迎えられてうれしいです。映画は皆さんの応援、口コミでどんどん広がっていくものなので。映画の中でもくすぶっておりますが、今でもくすぶっている俳優陣が大宮セブンを演じておりますので。それには吉田さんも大きくうなずいておりますが、ひとりでも多くの人に観ていただきたいので。応援よろしくお願いします!」とメッセージ。
そして和田が「本当に駒木根君も言いましたけど、われわれ出演する役者たちも、まだまだくすぶっている役者ばかりで。この映画は俺たちの『くすぶりの狂騒曲』でもあるんです。大宮セブンメンバーを演じた役者の名前も覚えていただきたいなと思いますし、この作品が面白かったと思っていただけたら、SNSなどで広めたり、レビューサイトなどで点数を高めにつけていただけると、われわれも一番うれしいことなので。ここからは皆さんに手渡した状態なので。これから映画を育てるのは皆さんなので、よろしくお願いします」と呼びかけると、最後に「以上、山﨑賢人でした」と付け加えて会場を大いに盛り上げ、イベントは終了しました。
ストーリー
「大宮セブン」が活動する大宮ラクーンよしもと劇場は少ない客、会社からの非難や悪口などなどお世辞にもその扱いは良いものとは言えなかった。追い打ちをかけるようにコロナ禍により劇場などの活動が停止し、収入低下などにより彼らの不安や状況は悪化の一過を辿っていた。
そんな中、「大宮セブン」メンバーの「すゑひろがりず」がM-1グランプリで決勝進出をはたし、YouTubeでの活動から人気を得て大宮セブンの活動にも変化の兆しが見え始める。さらに続くようにR-1でのマヂカルラブリー野田の優勝、M-1グランプリでマジカルラブリーが優勝を果たし一気に大宮に注目が集まる。メンバーも各賞レースで結果を残し、大宮セブンの躍進が始まる。
しかし初期メンバーであるタモンズは仲間の活躍を横目に、飛躍のきっかけを掴めないまま、手掛かりを掴もうともがき苦しんでいた。現状を打開するためにコンビ名を改名したり、果てには新たにメンバーを追加してトリオになろうとしたり、明確な指針もないまま迷走を始める。そんな彼らの様子を間近で見ていた大宮セブンのメンバーは夜中に相談に乗ったり、自身の問題と重ねたりしながらタモンズを何とか支えるのであった。
メンバー間の友情、応援などを経てタモンズは芸人を目指した時の純粋な気持ちを思い出し、ラストイヤーのM-1へ最後の挑戦に挑みました。
【実在するお笑い芸人「タモンズ」、【大宮セブン】について】
ツッコミ担当の大波康平とボケ担当の安部浩章によるお笑いコンビ。2006年結成され、現在も吉本興業に所属。埼玉県さいたま市大宮区にある大宮ラクーンよしもと劇場を主な活動拠点としている吉本興業所属のお笑い芸人によるユニット・大宮セブンの初期からのメンバー。現在の大宮セブンのメンバーはタモンズ、囲碁将棋、マヂカルラブリー、GAG、すゑひろがりず、ジェラードンなどで構成される。
※実在する大宮セブンは、映画本編には登場しません。
イベント概要
映画『くすぶりの狂騒曲』公開記念舞台挨拶
日時:12月14日(土)11:05~11:35 ※上映後舞台挨拶
会場:新宿バルト9 スクリーン9
(東京都新宿区新宿3丁目1-26 新宿三丁目イーストビル13階)
登壇者(敬称略):和田正人、駒木根隆介、大波康平(タモンズ)、安部浩章(タモンズ)、辻凪子、河口恭吾、立川晋輔 監督、文田大介・根建太一(囲碁将棋)、SJ・福井俊太郎・安田ファニー(GAG)、アタック西本・かみちぃ(ジェラードン)、南條庄助(すゑひろがりず)、村上(マヂカルラブリー)、吉田壮辰(マヂカルラブリー・村上役)
司会:八雲ふみね
作品概要
映画『くすぶりの狂騒曲』
公開日:2024年12月13日(金)
■キャスト
和田正人 駒木根隆介
辻凪子 土屋佑壱 永瀬未留 / 徳井義実(チュートリアル) 岡田義徳ほか
■スタッフ
監督:立川晋輔
脚本:中村元樹
配給:イオンエンターテイメント 吉本興業
製作:NTTドコモ・スタジオ&ライブ 吉本興業 テレビ埼玉 the ROOM
Ⓒ2024「くすぶりの狂騒曲」製作委員会
2024年12月13日(金)より新宿バルト9、イオンシネマほか全国ロードショー
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