福岡よしもと所属芸人のとらんじっとが、12月14日(土)によしもと福岡 大和証券劇場で開かれた単独ライブ『TRANSIT×TRANSIT MELONE』で新たなコンビ名「むなかったん」への改名を発表しました。メンバーの原ノコシは、今回を機に本名の「ナオキ」に改名します(相方のあらたは変わらず)。コンビは地元・福岡県宗像市への愛を込めた「むなかったん」として再出発! 突然の発表に観客も驚きつつ温かく受け入れ、2人にとって忘れられない1日となりました。
福岡よしもとの「若手エース」として成長
「とらんじっと」の2人は福岡県宗像市出身。あらたとナオキと小学校時代からの親友3人で、高校3年生の文化祭で初めて漫才を披露し、その後、「ハイスクールマンザイ2013」で福岡予選・九州予選を勝ち抜いて全国大会に進出しました。
大学卒業後にNSC(吉本総合芸能学院)福岡校に入ると、2期生として首席で卒業。当初はトリオとして活動していましたが、2020年に現在のコンビ体制に移行しました。いまや福岡よしもとの若手ユニット「福岡ネクストエイト」のエース的存在として、劇場公演やテレビ・ラジオ出演を中心に最大で11本のレギュラーを持ち、地元で着実に実績を積んでいます。
漫才では、あらたの緻密なネタ作りとナオキの個性豊かなツッコミが特徴。M-1グランプリには2020年から連続出場し、2023年と2024年に福岡よしもと所属の芸人として初の3回戦進出を果たすなど、着実に実力を伸ばしています。
また、2023年の「LIVE STAND 22-23 FUKUOKA」では、約8000人の観客を前に堂々とネタを披露。その大舞台での経験は、2人にとって大きな自信と成長の糧となりました。
きっかけは華丸からのアドバイス
改名のきっかけは、博多華丸・大吉の華丸からのアドバイス。「覚えやすく親しみやすい名前に」という声を受けて、福岡県宗像市出身の2人らしさを前面に出すために「むなかったん」という名前を提案されたそう。あらたはこう語ります。
「ある日、華丸さんと6時間くらい飲んでいたんですけど、そのうち3時間は、突然の改名話でした。ずーっと笑いなしで『むなかったんがいい』の一点張り。最初は冗談かなと思った僕も、東京や大阪の先輩芸人さんから『名前変わったらしいな』と言われるたびに、『え、華丸さん、方々で俺たちのこと話してくれてるんだ?』と……。そこから悩みに悩んで、ナオキにとらんじっとの改名について相談したんです」
「改名を決めて2人で挨拶に行ったときに、華丸さんが『俺たちが博多を背負っているように、お前たちは宗像を背負え』と言ってくださったんですよ……。『俺たちのこと、そんなふうにとらえてくれてるんだ』って感激しました」
突然の改名話をあらたから提案されたナオキは、そのときの心境をこう振り返ります。
「いやもう、『え?どういうこと? 名前変える?』っていう感じで、突然のことにびっくりするヒマもなかったです。まぁでも、『とらんじっとって、覚えにくい』と華丸さんがおっしゃっていたと聞いて、なるほど、と。すでにあらたもその気になっていたので、悩みもしましたが、『じゃあ、いつも来てくれてるファンの前で最初に発表しよう』ということで、今日の発表になりました」
2人の目標は「九州でナンバーワンを目指し、全国で認められる存在に」。人気が低迷して浮上のきっかけをつかむため、という話はありがちですが、むなかったんは「登り調子の角度をさらに上げていきたい」という思いで改名を決意したとのことです。
改名することでファンとの関係を一から築き直さなければならないというプレッシャーもありましたが、「10年後にもっと多くの人に愛される存在になるため」と、一世一代の決意に至りました。
「まさか、解散!?」観客もビックリ
ということで、まさかの改名が発表された単独ライブ『TRANSIT×TRANSIT MELONE』。2人にとって6回目となる単独ライブですが、4月に開かれた前回の単独ライブで「次はこの劇場を満席にします!」と公約した通り、この日はよしもと福岡 大和証券劇場の501席が完売となりました。福岡芸人の単独ライブで劇場を満席で埋め尽くすのは福岡劇場オープン以来初の快挙です!
この日、2人は季節や時事ネタを織り込んだ漫才を3本披露。さらに、これまでなかったネタコーナーに突入し、なんと、デビュー前の「ハイスクール漫才」で司会を担当していたところからの縁という銀シャリ(鰻和弘、橋本直)がサプライズゲストで登場! 場内は騒然となります。
クイズ「銀シャリのことを分かっているのは俺だ!」では、ふだんから仲のいいあらたと銀シャリ・橋本の蜜月がよくわかる展開に。かと思えば、ナオキの回答をドンピシャで橋本が当てる場面もあり、笑いの絶えない時間となりました。
そしていよいよフィナーレへ。あらたが「我々とらんじっとは、このたび……かい」と口火を切ると……会場では「え? まさか、解散!?」と思う人も多かったようです。しかし、続く言葉は「めいします!」そう、「改名」。
新しい名前「むなかったん」が発表されると、会場は一瞬の静寂からどよめきへ。銀シャリの2人が会場に感想を聞く場面もありながら、多くの観客が好意的に受け入れてくれていることを感じ、2人はほっと胸をなで下ろしていました。
そして発表直後には、まさかの博多華丸・大吉からのスペシャルコメント動画が流れるサプライズが!
客席から驚きの声が上がるなか、「酔ってすぐ後輩芸人のコンビ名を変えるのやめて」と、大吉が冗談めかしてコメントすると、華丸が「むなかったんでラストにします!」と返し、会場全体に爆笑が起きます。さらに改名に込められた期待と、2人への温かい激励が伝えられると、場内は笑いと拍手に包まれました。
2人は最後に「むなかったん」として初の漫才を披露し、大きな拍手のなかで単独ライブは幕を閉じました。
むなかったんの2人からのコメント
あらた(写真左)
「今日、集まってくれたお客さんの前で改名を発表できたことが最高でした。誰よりもファンの皆さんに、いちばんに伝えたかったので。年の瀬にこんなに盛り上がるライブができて、これからもっともっと頑張らないといけないと改めて思いました! それと……宗像のことをいままで以上に背負うので、ぜひ宗像市長ともこれまで以上に仲良くさせていただけたらと思ってます」
ナオキ(写真右)
「名前を変えるのは大きな決断でしたが、今日のライブで発表できてホッとしました。『むなかったん』の『ナオキ』として新しい名前を使う機会が増えていきますが、これからもしっかり笑いを届け続けていきたいです。そして今日の笑いを一緒に作ってくれたお客さんに感謝しています! 先輩芸人さんやファンの皆さんからの応援を胸に、今日から心新たに頑張って行きます! 応援、どうぞよろしくお願いいたします!」