『よしもと手話ブ! ライブ』に吉本新喜劇・筒井亜由貴が初参戦! ダンスと大声で盛り上げて「手話だからこそできるボケや笑いもあるんだなと」

手話ができる・手話に興味のある芸人が“手話×お笑い=シュワライ”を届ける吉本興業の部活動プロジェクト「手話ブ!」。隔月で開催している『よしもと手話ブ!ライブvol.16』が、1月25日(土)に東京・ヨシモト∞ドームで行われました。今回は吉本新喜劇の筒井亜由貴が初出演。部長のカエルサークル・ソイくん、チーモンチョーチュウ・菊地浩輔、上河内貴人とともに、手話を活かしたショートコントやコーナー企画で盛り上がりました。

出典: FANY マガジン
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客席も「拍手を意味する手話」で楽しさを表現

趣味や特技をおなじくする吉本芸人が集まり、チャレンジして磨き合うことで新たな可能性を切り開く部活動プロジェクト「ブカツ!」。「手話ブ!」はそのうちのひとつで、手話ができる芸人・手話に興味のある芸人が集まって学習、イベント、企業コラボなど幅広く活動しています。

『よしもと手話ブ!ライブ』は全編に手話を交えたネタあり、トークあり、コーナーありの1時間。今回から筒井が新たに加わり、よりパワーアップした内容となりました。

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ライブ冒頭、4人は両手を挙げて手首を回転するように振る「拍手」を意味する手話をしながら登場しました。

筒井は手話を交えて「大阪から来ました吉本新喜劇、ダンスが得意な筒井亜由貴でーす!」と言うと、お辞儀しながら後ろ向きに挨拶としっかりボケて、特技のダンスまで披露。「めちゃめちゃ緊張してます!」と言いますが、堂々としたその振る舞いに、ソイくんは「緊張しているダンスじゃなかったね」と感心していました。

出典: FANY マガジン
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この日は、ショートコントを10本披露。はじめにソイくんと上河内でショートコント「映画館」「ハンカチ」を披露しますが、2人とも緊張のためか声が小さくて……。ここで、次の「マグロの解体ショー」で登場した筒井が吉本新喜劇仕込みの大声でその場を盛り上げると、菊地が「2人、もっと前へ! 声も張ってください!」と喝! 観客から笑いが起こります。

「手話間違い」では、プリンを表す手話を間違っていたために勘違いをされてしまうという“手話あるある”を披露。「ケンカ」では肩がぶつかった2人がケンカではなく意外なバトルを繰り広げる展開に、お客さんは大笑い。拍手だけでなく「拍手を意味する手話」も交えて、楽しさを表現していました。

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お客さんの目を見ながら濃密なコミュニケ―ション

ネタが終わると、新メンバーである筒井のプロフィール紹介へ。生まれてすぐ関東に移り住んだため吉本新喜劇に触れたことがなかったそうですが、大学生だった20歳のとき、テレビで小籔千豊の紹介テロップに出ていた「吉本新喜劇」という言葉に興味を持って調べたところから、新喜劇に憧れを抱いてNSC(吉本総合芸能学院)大阪に入学したといいます。

子どものころに街でお互いに手話でコミュニケーションする人を見てカッコいいなと思ったのが、初めて手話に触れた思い出。コロナ禍の間に自宅近くの手話奉仕員の養成講座に通って、手話を学んだそうです。

出典: FANY マガジン
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トークの時間には、4人が手話を交えて、お客さんの目を見ながら丁寧に内容を伝えていきます。たとえば、「長所って手話では?」という菊地の質問に、ソイくんが「いいところ?」と手話で示すと、お客さんがうんうんとうなずきながら同様に手話をやってみせるなど、濃密なコミュニケーションを図る姿が印象に残りました。

最後は、筒井をさらに深く知るためのコーナー「クイズ筒井亜由貴」も。1問目から「好きな手話の単語は?」というコアな出題にソイくんが「トイレ」と答え、なんと正解!

筒井は「初めて知った手話の単語。おもろくないですか? (トイレを意味するWCを片手で表すことに)すごいなって感動しました」と説明すると、菊地は「それはわかる!」と納得していました。

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『手話新喜劇』を全国に広めたい!

ライブ終了後、新加入した筒井にインタビューしました。

──まず、ライブを終えた率直な感想を聞かせてください。

めちゃめちゃ楽しかったです! 「手話ブ!」のみなさんが重ねてきたライブの空気感が優しかったですし、今日の会場は客席との距離が近かったこともあって、お客さんともコミュニケーションを取りながらできたのが嬉しかったですね。最初はすごく緊張していたのですが、ショートコントが始まったときに上河内さんの声がちっちゃくて。それで緊張がほぐれました(近くで聞いていた上河内が「あぁ、ごめん!」と謝る)。あはは! 僕のためを思ってわざと声量をちっちゃくしてくれてたんだと思います。

──「手話ブ!」の活動を知ったのは?

コロナ禍のときに、手話を学び始めてからすぐのことだったと思います。吉本新喜劇の先輩である松浦景子さんが「よかったら菊地さんに紹介しようか?」と言ってくださって。2、3年前に初めて菊地さんと会わせていただいてお話をうかがっていたので、ずっと出たいと願っていました。

──筒井さんにとって念願だったんですね! 手話を勉強してから、実践はどれくらいしていたのですか?

耳の聞こえない方や手話を学んでいる方、友だちと手話で話すくらいです。まだ学んで3、4年くらい。今日のライブ中にもわからない手話がありましたが、表情やジェスチャーを使ったパワープレーで、どうにか伝えました。お三方にも、もちろん助けていただきましたし、もっともっと手話を勉強したいなと思いました。あと、手話だからこそできるボケや笑いもあるんだなと。いろんな可能性が手話にはあるんだなとも感じました。

出典: FANY マガジン
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──ライブでも話していましたが、昨年12月、筒井さん発案で『手話新喜劇』を開催したそうですね。

そうなんです。手話を使ったステージパフォーマンスを手がけている「手話エンターテイメント発信団oioi」の方々とコラボレーションして、吉本新喜劇をそのまま手話でやるという。セリフと同時に手話をつけながら。で、声が聞こえない、手話がわからない方もいらっしゃるので、字幕もつけてやりました。

「手話ブ!」の皆さんも言われているでしょうけど、聴覚に障害がある方に向けたエンタメってすごく少ないんですよ。だから、「手話ブ!」の活動はもちろん、「手話新喜劇」も継続していきたいですね。

──そのほか、手話とお笑いを通してやってみたいことはありますか?

これから大阪は万博ですごく盛り上がると思うので、そこでも何かできたらなと。あと、今年11月には東京で聴覚に障害がある方のためのデフリンピックというスポーツの大きな大会があるので、何か役立てられることがあるといいですね。

また、「手話新喜劇」は47都道府県を回れるように大きくしていきたいなと思っています。「手話ブ!」の皆さんはじめ、いろいろな方に協力していただきながら、都道府県ごとに手話のコミュニティがあると思うので、ご当地の方々と一緒に何かやりたいですね。

これは、耳の聞こえない友だちが言ってたことなのですが、バラエティ番組を字幕で見るとき、番組によっては字幕が遅かったり、区切るところが悪かったりするんですって。けど、吉本新喜劇は人の口に字幕が合ってるし、間も合っているらしくて、聞こえない方にも楽しんでもらいやすいコンテンツなのかなと感じたんです。

まだまだ吉本新喜劇のことを知らない方もいるでしょうから、手話をきっかけに新喜劇にも興味を持ってもらえたらいいなと思っています。


『よしもと手話ブ!ライブ』の模様は2月1日(土)23:59までオンラインで見逃し視聴ができます(チケット販売は同日正午まで)。その期間の好きなタイミングでFANYIDメンバーは24時間/プレミアムメンバーは72時間、見逃し視聴をお楽しみいただけます。

FANYオンラインチケット(配信)はこちらから。

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