『APOLLO アマチュアナイトジャパン』優勝は日本が誇る“ヲタ芸”5人組! 本場ニューヨークの出演権ゲットで「ヲタ芸文化を広げたい」

米ニューヨークのアポロシアターで90年以上続く、伝統のオーディションライブ『アマチュアナイト』。マイケル・ジャクソンやスティーヴィー・ワンダーなどの世界的スターを輩出したこのライブの日本版「APOLLO アマチュアナイトジャパン24-25」のグランドファイナルが、2月20日(木)に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールでを開催されました。応募総数839組から観客の支持を得て頂点に輝いたのは、男女混合5人組のヲタ芸パフォーマー「ゼロから打ち師始めます。」! その決勝の熱い戦いをレポートします。

©アポロアマチュアナイトジャパン事務局
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実力派エンターテイナーが続々登場!

グランドファイナルでは、予選を勝ち抜いた12組が熱い戦いを繰り広げました。優勝者には、1万ドルの賞金と本場ニューヨークの「アポロシアター」で行われる「AMATEUR NIGHT」へのゲスト出演権が与えられるほか、審査員特別賞としてもう1組にも出演権が与えられます。

今回、MCを務めるのは小籔千豊、山本彩、ニューヨーク(嶋佐和也、屋敷裕政)。そして審査員特別賞を選出するのは、本場アマチュアナイトのプロデューサー、マリオン・J・カーフィー氏です。改めて、観客の歓声やブーイングで勝敗が決まり、ブーイングが多い場合には「エクスキューショナー(執行人)」による強制退場となることが説明されると、会場に緊張感が漂い始めます。

©アポロアマチュアナイトジャパン事務局
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そしていよいよ1組目のパフォーマー、Atrassの登場! 審査員特別枠での進出となった5人組のダンスグループは、メリハリの効いた滑らかな動きでアニメーションダンスを見せてくれました。

続いては12歳の中学生シンガー、鈴木莉愛です。名前がコールされると歓声が上がるなど、歌唱前から会場はヒートアップ。「HOLDING OUT FOR A HERO/Bonnie Tyler」で、その堂々たる歌声を響かせます。

シンガーのVALERIE AURELIAは、審査員特別枠で決勝へ進出。「あなたのキスを数えましょう〜You Were Mine〜/小柳ゆき」で、その圧倒的歌声を聞かせます。小籔が「めっちゃよかったです」と絶賛すると、本人も「99点くらい出せたかな?」と笑顔を見せました。

まさかの「強制退場」が発動!

12歳のダンサー、戸辺 葵は純白のドレスで登場。琴、尺八などの奏でる「葵蝶/Dee Lee Projekt」に合わせてダンスを見せます。途中、赤のドレスにチェンジしたシーンでは会場から拍手も起こり、ステージを軽やかに、ときに激しく舞い続ける姿が印象的でした。

Akoは沖縄県出身の13歳のシンガー。バンドをバックにアコースティックギターを抱え、「残響散歌/Aimer」を歌い上げました。小籔から「デビューする気マンマンでしょ?」と聞かれると、素直に「はい!」。その様子に会場から拍手が起こります。

審査員特別枠で出場のシンガー、Natalia Dは、歌う前から会場を盛り上げると、「Don’t stop music! /MISIA」を迫力たっぷりに聞かせました。歌のあとは「めちゃくちゃ緊張しましたけど、すごく楽しかった」とコメント。

the ANGELSTAR$は3人組シンガー。「I Will Always Love You/Whitney Houston」をアカペラでスタートさせ、まずその歌唱力をしっかり見せつけると、そのあとは迫力と美しさを兼ね備えたハーモニーで圧倒しました。

続いて、和歌山県出身のシンガー、谷口大地が登場。黒いスーツに身を包み、ステージセンターに立つと、静かに「Wherever you are/ONE OK ROCK」を歌い始めます。曲が進むに連れ、徐々にパワーを上げていきますが、突如サイレンの音が! まさかの「エクスキューショナー」による強制退場となりました。

世界大会で優勝経験もあるパフォーマンス

男女混合5人組のヲタ芸パフォーマー、ゼロから打ち師始めます。は、「怪物/YOASOBI」をバックに、美しいサイリウムの光とシンクロしたヲタ芸で会場を盛り上げます。世界大会での優勝経験もあるというそのパフォーマンスは、さすがのひと言。山本も「ロマンチックでした」と絶賛でした。

ゼロから打ち師始めます。©アポロアマチュアナイトジャパン事務局
ゼロから打ち師始めます。©アポロアマチュアナイトジャパン事務局

Erinaは東京都出身のシンガー。真っ赤な衣装に身を包み、「THINK/Aretha Franklin」を華やかでパワフルな歌声を披露。ステージをたっぷりと使って、歌を終えると「気持ちよかったですね」と充実の表情です。

N’ismは中学生から大学生がメンバーのダンスチーム。「冒涜/タテタカコ」をバックに、しなやかさと力強さを併せ持つ独特のパフォーマンスで、その世界観をしっかりと見せつけました。

ラストは愛知県出身のシンガー、Aina。審査員特別枠での出場です。「Never Enough/Loren Allred」でその伸びがあり、艷やかな歌声を聞かせました。小籔とのトークでは「120%出せました」と話していました。

ヲタ芸のイメージをそのままぶつけた

すべてのパフォーマンスが終わったあと、改めて全員がステージに。1組ずつ名前が読み上げられ、いちばん大きな歓声と拍手をゲットした1組が優勝に輝きます。同率1位となった「the ANGELSTAR$」と「ゼロから打ち師始めます。」の2組による決戦ジャッジの結果、見事に優勝を飾ったのは「ゼロから打ち師始めます。」でした!

小籔から優勝パネルを手渡されたメンバーたちは喜び爆発。「本当にありがとうございます!」と会場へ感謝を伝えました。

そして、マリオン氏による審査員特別賞でニューヨークの切符を手にしたのは、12歳の戸辺 葵。涙声で「本当に行けると思わなかったからうれしいです」と話す姿に、会場からは再び大きな拍手が起こりました。

©アポロアマチュアナイトジャパン事務局
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イベント終了後、優勝したゼロから打ち師始めます。のメンバーが1人ずつコメントしました。

Clifford「優勝できたことがうれしい。日本が生んだサブカルのひとつがヲタ芸。偏見などもあったけれど、それを好きという気持ちでくぐり抜けて、ニューヨークに行けることが本当にうれしい」

いかちゅん「女性プレイヤーであることがスパイスになったかな。カッコをつけるのではく、ヲタ芸のイメージをそのままぶつけて優勝できたのがうれしかったです。ニューヨークでもヲタ芸の文化がさらに広まるように、アポロのあとも活動していきたいです」

さぷりめんと「このメンバーで優勝できたことがうれしい。全員が努力して積み重ねたものが成果になりました。アメリカでも実力をフルで発揮できるように、全員でまた四苦八苦、悩みながら頑張っていこうと思います」

©アポロアマチュアナイトジャパン事務局
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しじま「ほかのメンバーより、勝ちたいという気持ちがありました。自分たちのことを知らない人が盛り上がって、楽しんで笑顔になってくれたのがうれしいです」

シト「(最年長ということもあり)世代的にいつやめるのかというところで、このグループに救われました。このメンバーで結果を出せて、輝かしい日になりました!」

審査員特別賞の戸辺 葵も、喜びをこう語りました。

「涙が堪えられないくらいうれしかったです。小さいころから海外に行きたい、アポロに立ちたいということが夢だったので、それがとうとう叶えられるんだと思うとワクワクしています」

©アポロアマチュアナイトジャパン事務局
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山本「この気持ちを忘れちゃいけない」

未来に続く才能を見届けたMCの面々も、思いを語りました。

小籔は「予選から(ゼロから打ち師始めます。が)優勝してもおかしくないと思っていました。ヲタ芸は日本のカルチャーだと思うので、そのへんも背負って勝負してもらいたい。文化の日本代表として頑張ってもらえたら」と期待を寄せます。

山本は、「参加者の姿勢や取り組み、真剣さを見て、この気持ちを忘れちゃいけないと思い出させてくれました。今回、届かなかった人たちも、めげずに戦ってもらいたいです」と、改めて自分自身を振り返り、初心にかえった様子。

©アポロアマチュアナイトジャパン事務局
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そして本場アマチュアナイトのプロデューサーであるマリオン氏は、「ニューヨークでヲタ芸を初めて紹介するのがアポロシアターになるということで、喜び、興奮を覚えています」と話し、ヲタ芸について「初めての紹介なのでどんな反応か予想がつかない。ウケることを祈っています」とエールを送りました。

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