ミキの全国ツアー『ミキ漫』がいよいよ“47都道府県”制覇へ! 「“これぞ上方漫才”というしゃべくり漫才を」

兄弟漫才コンビのミキ(昴生、亜生)による毎年恒例の全国ツアー『ミキ漫』が、今年も5月5日(月・祝)からスタートします! 2人のライフワークともなっている『ミキ漫』は、全都道府県で漫才を披露することを目標に掲げて2018年にスタート。今年は晴れてその目標を達成する節目の年になります。12月12日(金)の大阪・なんばグランド花月での最終公演まで、全国11カ所12公演に向けて気合十分の2人に、ツアーの見どころや漫才への思いについてたっぷりと聞きました。

撮影:バチョフ
撮影:バチョフ

ちなみに今回のインタビューの撮影は、全身赤づくめがトレードマークのピン芸人・バチョフが担当。自慢の赤いカメラで撮影した、昴生、亜生のやわらかな表情もお楽しみください!

「山形公演が完売したらギャラを上げてほしい」!?

――「ミキ漫」が、ついに47都道府県を制覇します。率直な感想はいかがですか。

昴生 これを目標にやってきて、コロナがあったので予定より少しかかりましたけど、大分公演をもってようやく全国を回れるなと。大分県は思い出の土地でもあって……。

亜生 うんうん。

昴生 父がフェリーの船長で、大阪と大分の別府の間を運行していたんですよ。だから、僕らも小さいころはそのフェリーに乗ってよく別府へ行っていました。家族旅行というと、父の田舎の高知か大分やったんで、今年はその2県とも回れるから思い出深いですね。

亜生 これでひと段落じゃないですけど、次からは同じ都道府県でも主要都市じゃない場所とか、ちょっと田舎のほうなんかでもやれたらいいなと。だから、来年からのことを考えると、またワクワクしますね。

――ただ、“山形公演”の集客を危惧しているそうですね……。

昴生 毎年、危惧する場所が2、3カ所あるんですけど、今年は山形!

亜生 だいぶ危惧しています。

昴生 縁もゆかりもないのに、キャパが大きいんですよ。1,200(席)くらいあって、今年のツアーの中でもとびきり大きい。しかも、それが山形(笑)。

亜生 東京でもなかなかその規模の会場ではやらないですからね。

昴生 僕らの地元の京都でも700(席)くらいですから。これちょっと大丈夫かなって。知り合いもいない。

撮影:バチョフ
撮影:バチョフ

――おふたりの集客力が如実に出ますね。

亜生 ホンマにそうですね(笑)。楽しみです。

昴生 埼玉、滋賀も初めてですけど、埼玉は言うても東京寄りですし、滋賀も京都に近い。大分は今年九州で唯一ですし……。

亜生 父親の仕事仲間がご家族と来てくれたりするしね。

昴生 とにかく山形。

亜生 どうしよう(笑)。ただでさえ、お笑いライブ(の入り)が厳しいとされている東北で……。

昴生 山形で1,200席を埋められたら、これはもうギャラを上げてください。

――全国を回っていると、地域によってお客さんの反応は違いますか?

昴生・亜生 全然違いますね。

昴生 愛知、三重、岐阜とか、東海地方はお笑い文化が根付いている感じで、ダイレクトな笑いだけでなく、ちょっと奥にあるニュアンス的な笑いも伝わるから、単純なボケ、ツッコミじゃなくても笑ってくれるのがいいなと思いますね。

沖縄とかはちょっと難しいと感じることもあります。これは仕方がないことだと思うんですけど、僕らは頭を叩くから、それにびっくりする方がいるんです。

亜生 ただの暴力ですから。沖縄の方はみんな優しいので、ガレッジセール(ゴリ、川田)さんも、スリムクラブ(真栄田賢、内間政成)さんもパーンって叩いたりしないですもんね。

――地域に合わせて、変えたりするんですか?

昴生 あまり変えないですね。テンポとかは多少調整することもありますけど。

――亜生さん考案の「ご当地ゲーム企画」も見どころのひとつです。

亜生 そうですね。今年も全会場で違う内容にする予定なので、いま試行錯誤しているところです。

撮影:バチョフ
撮影:バチョフ

“これぞ漫才”という上方漫才を見せたい!

――公演で訪れた土地を満喫することはあるんですか?

昴生 僕はめっちゃ楽しんでます。ウォーキングが趣味なので、早めに行って周辺を歩いたりとか、次の日を休みにして家族を呼んだりとか。去年も、それで秋田とか佐賀を観光しました。

普段なかなか行けないというか、しっかり連休を取って行く機会がなかなかない場所もあるじゃないですか。でも、行くとめっちゃいいんですよね。いろんな土地でいろんなおいしいものを食べるのがすごくよくて、「7:3で7漫才、3観光」ってよく言ってますけど、ホンマは5:5です。

亜生 6~9月くらいって、夏祭りのシーズンやったりするんですよ。だから、去年もライブ終わりにみんなでお祭りに行ったりとかしましたね。

――新ネタづくりは進んでいますか?

昴生 そうですね。ホンマ楽しみにしていただきたいです。今年のミキがここに集約されているので。毎年、小さいながらも僕らの中ではいろいろなチャレンジをしています。

撮影:バチョフ
撮影:バチョフ

――ちなみに、今年のチャレンジは?

昴生 ネタバレするといけないので詳しくは言えないですけど、“上方漫才”を背負ってやっているつもりなので、“これぞ漫才”じゃないですけど、上方漫才を見たいという方に届くしゃべくり漫才にしたいと思っています。

お客さんの年齢層も広がっているんですよ。おじいちゃん、おばあちゃん、おっちゃん、おばちゃんもめっちゃ増えてきていて、そういう方たちは僕らの漫才を観ると懐かしいんやろなって思うんですよ。

僕らも昭和の漫才が大好きで、昭和の漫才をいかに令和にっていうところを目標にしながらやっているんです。それを古いと感じる人もいるかもしれませんが、僕らはその漫才が好きやから。

亜生 だから、やるコーナーも変わってくるんですよ。本当におじさん、おばさんが増えてきているので。

昴生 ありがたいですね。僕らはとくにターゲット層を定めていなくて、若い子にウケるものをとも考えていないし、逆に中高年の皆さんに刺さる綾小路きみまろ的なことを考えているわけでもないので。

今年こそ獲りたい「上方漫才大賞」

――おふたりが目指すのは、「上方漫才大賞」ですもんね。

昴生 そうですね。ホンマに上方漫才大賞を獲ってからが本番かなと思っています。

亜生 今年は獲りたいですねぇ。

昴生 これを獲ってからの漫才人生がどうなるか。1回だけではなく、2回、3回と獲らなあかんしね。そこからは“上方漫才大賞を獲った漫才師や”っていう見られ方をしていくから、それに恥じないようにやっていきたいし。そこを目指せるところまできているんやっていう自分たちの気持ちも大きいし。ホンッマに獲りたい!

亜生 そういうタイトルが好きなんでね。

昴生 去年は笑い飯(西田幸治、哲夫)さんが2回目を獲りはったんですけど、2回目って本当にすごいと思うんですよ。1回獲るだけでもすごいのに、獲ったあとも歩みを止めてないっていうことですからね。僕らもそうならなアカンなと思っています。目標は誰も成し遂げていない大賞5回!

――最近は生さんの楽屋でのふるまいが“師匠っぽく”なっているともいわれています(笑)。

亜生 “最年少老害”(昴生いわく、ニッポンの社長・辻皓平が命名)ね。これで上方漫才大賞を獲ったら、いよいよまわりの芸人が気軽に絡みにいけない芸人になります。お兄ちゃんはとくに。

昴生 こいつ(バチョフ)も髪赤いでしょ? シバこうかなと思ってます。(EXIT)兼近の髪も引きちぎりましたから。でも、(バチョフは)ピンか。漫才師じゃなければええよ。

撮影:バチョフ
撮影:バチョフ

――M-1グランプリにも引き続き出場しますか?

昴生 M-1の決勝に出ると、「ミキ漫」に来てくれる方々が喜ぶんですよね。だから、何年か前からM-1に出ることは“恩返し”みたいになっています。

ライブビューイングでNGKを体感してほしい

――今年の「ミキ漫」では初のライブビューイングも実施するそうですが、どうしてですか?

昴生 去年、ツアーの途中で吉本から「最後のNGK(なんばグランド花月)公演で(ライブビューイングを)やりませんか?」って言ってもらったんです。でも、もう劇場チケットが完売していて、もしチケットを買ってくれた人が「なんや、ライブビューイングすんのかい」ってなったら申し訳ないなと思ってやめました。

最後のNGK公演は、結構チケットが取れないっていう方が多い人気公演になっていて、抽選にハズれて見られへんという声も多くなっているんです。なので、今年はライブビューイングでもNGKを体感してほしいなと思っています。

今年で全都道府県を回りきるので、全国の皆さんに恩返しじゃないですけど、最終公演をお近くのイオン系列の映画館にぜひ観に来てくださいねという気持ちです。

――これまでのツアーでもオンライン配信はしていませんでした。今年もあえて配信ではなく、ライブビューイングにこだわったのでしょうか?

昴生 家でスマホとかで(漫才を)観るのとはやっぱり違うので、それはしてほしくない。そのつもりで僕らもやっているのでね。なんぼ配信が売れてギャラが増えたとしても、大事なのはそこじゃない。やっぱり、漫才は劇場で観て面白いというのが、僕らが目指しているところやし、それを観て満足してもらいたいというのがいちばんです。

撮影:バチョフ
撮影:バチョフ

――毎回ツアーグッズも好評ですが、おふたりもアイデアを出しているんですか?

亜生 マネージャーも入れています。彼女が若いので、その意見も聞かないと……。

昴生 なんやったら、その子にほぼ任せています。いまのマネージャーはいろいろなライブに行くんですよ。“韓流”のライブとか……。

亜生 “K-POP”な! 韓流って、ごめんなさい、わかりづらかったですよね。あーびっくりした! あぶない、あぶない。いまのは訂正してK-POPでお願いします。

昴生 そんな、必死に訂正するほどアカんことか!?

亜生 アカんことはないけど、おじさんに拍車がかかってしまうから! “韓流”はあせった……。

昴生 とにかく、彼女にはデータがあるんですよ。

亜生 去年は僕らの顔のアクリルキーホルダーをやりましょうって言ってきたので、僕らはアクリルキーホルダーなんていらん! って言ったんですよ。でも、これめっちゃ売れたんです。

昴生 僕と亜生の顔がぶらぶら揺れてるキーホルダー、誰が買うねん! って……。

亜生 「そんなもん、いるわけないがな!」って言ったんですけど。

昴生 最近はアクスタ(アクリルスタンド)のほうが主流ですよね。

亜生 でも、僕らのお客さんはちょっと年齢層が高めなので、キーホルダーのほうが実用的なんじゃないかって。

昴生 結果、めっちゃ売れた。グッズに関するノウハウが僕らには全然ないので、とにかくお客さんがほしいものをということで、彼女に任せています。

撮影:バチョフ
撮影:バチョフ

――ちなみに今年のイチオシは?

マネージャー 巾着とトレカ(トレーディングカード)です。

亜生 この“トレカ”っていうのが、僕らにはまったくない発想で。でも、いろいろと工夫したトレカなので、ぜひ楽しみにしてほしいです。

昴生 僕なら、いらないです(笑)。

亜生 おじさんの発想だと、全然いらないです。でも、彼女はこういう声をことごとく覆してきているのでね。

「今年もよかった」と言ってもらえるツアーに

――最後に、改めて「ミキ漫」を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。

昴生 2025年は47都道府県制覇という節目の年になります。初開催となる京都は「ロームシアター京都」っていう会場で、実家のめっちゃ近くです。合唱コンクールとかもやったことがあるめちゃめちゃ地元で、おとんもおかんも散歩しまくりです。そういうゆかりの地が多くて、愛知の「御園座」も、いまはなき和牛(水田信二、川西賢志郎=2024年3月に解散)さんと最後に2組でライブをやらせてもらった場所です。

亜生 和牛さんとユニットライブしていたのなんて、僕らくらいじゃないかな。「あの和牛が認めた漫才師」と、いうことでしょうか。

昴生 僕らは漫才を主戦場にしていて、テレビの露出がちょっと減ってきているかもしれませんが、これがミキだというのを見てもらって、全公演で“やっぱりミキすごいやん”って思ってもらえるように頑張ります。

亜生 全公演、全力でやらせていただきますので、「あれ? ここあかんかったな」みたいなのがないと思います。いままでもないです。

昴生 けっこう満足度高くやらせてもらっていると思います。

亜生 途中、お兄ちゃんが腹痛くてウンコ行ってもうた回は1回だけありましたけど(笑)。毎年来てくれはる方もいらっしゃるので、そういう方たちが「今年もよかった」と言ってくれるようなツアーにできたらなと思います。

昴生 お腹いっぱい堪能していただけたら。

亜生 「もう1週間くらいは漫才ええわ……」って言うくらい。

昴生 ケーキバイキングみたいなね(笑)。

撮影:バチョフ
撮影:バチョフ

『ミキ漫』公式サイトはこちらから。
『ミキ漫』公式Xはこちらから。

公演概要

ミキ漫2025 全国ツアー
チケット料金:前売 4,000円/当日 4,500円

【公演日程】
①東京
日程:5月5日(月・祝) 
会場:有楽町よみうりホール 
②愛知   
日程:5月31日(土) 
会場:御園座
③高知    
日程:6月8日(日)  
会場:高知市文化プラザかるぽーと四国銀行ホール
④北海道  
日程:6月29日(日) 
会場:函館市芸術ホール
⑤京都    
日程:7月6日(日)  
会場:ロームシアター京都 サウスホール
⑥広島   
日程:7月12日(土) 
会場:JMSアステールプラザ 大ホール
⑦埼玉   
日程:8月11日(月・祝) 
会場:川越市やまぶき会館
⑧山形   
日程:9月7日(日)   
会場:山形市民会館
⑨滋賀   
日程:9月15日(月・祝)
会場:草津市立草津クレアホール
⑩大分   
日程:10月19日(日)
会場:iichiko総合文化センターiichiko音の泉ホール
⑪東京凱旋
日程:11月21日(金)
会場:有楽町よみうりホール 
⑫大阪   
日程:12月12日(金)
会場:なんばグランド花月
※大阪公演ではライブビューイングを予定

FANYチケットはこちらから。

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