大阪のお笑い文化の継承と発展のために、若手漫才師たちをサポートする「上方漫才協会」(2014年12月1日発足)の10周年を記念して、全国4会場をまわるツアー『上方漫才協会 十周年記念 特別興行』が始まりました。東京・ルミネtheよしもとで4月20日(日)に開かれた初日公演では、歴代の上方漫才協会大賞受賞者から見取り図、アインシュタイン、ドーナツ・ピーナツら人気芸人が豪華競演! ネタにトークに劇場を笑いの渦に巻き込みました。

人気芸人が最高峰のネタを披露!
今回は、上方漫才協会の中田カウス会長をはじめ、大賞受賞者の見取り図、アインシュタイン、ドーナツ・ピーナツ、審査員特別賞・文芸部門賞のコットン、文芸部門賞のエバース、話題賞のバッテリィズ、劇場賞のもりやすバンバンビガロ、そして東京漫才をけん引するタカアンドトシが登場。それぞれが珠玉のネタを披露しました。








カウス会長と芸人たちによるトークコーナーでは、前半戦にコットン(西村真二、きょん)が登場。芸人になる前は広島の地元放送局でアナウンサーをしていた西村は、アナウンサー時代に起きた、プロ野球中継でまさかの……というエピソードを披露します。
一方、「3〜5歳とは話が合う」というきょんは、ベビーシッターのアルバイト時代の話を告白。2人の失敗談に会場は笑いで包まれました。

後半戦には、ネタコーナーでトリを務めたアインシュタイン(稲田直樹、河井ゆずる)が、カウス会長とトーク。2人の出会いからコンビ結成までの秘話などが語られます。
大盛り上がりのなか、稲田が一見、しっかり者に見える河井のネタ中の“失敗”を明かすと、河井が「7、8年前に1回噛んだだけやんけ! それをずっと言うんですよ!」と猛ツッコミ。感情をあらわにする河井に、会場も大盛り上がりでした。

カウス会長「10年やってこられてよかった」
大盛況だった公演終了後に開かれた取材会には、カウス会長、見取り図(盛山晋太郎、リリー)、アインシュタイン、コットン、ドーナツ・ピーナツ(ドーナツ、ピーナツ)、エバース(佐々木隆史、町田和樹)、バッテリィズ(エース、寺家)、もりやすバンバンビガロが登場。
超満員の劇場で、ネタは爆笑に次ぐ爆笑と、いいスタートを切ったこの記念公演について、まずはカウス会長がこう切り出します。
「(上方漫才協会の発足から)丸10年、11年目に入りましたけど、お客さんの喜ぶ顔を見て“10年やってこられてよかったな”と思うのと、またひとつ嬉しいことに、副会長が誕生いたしました!」
そして今年1月に副会長就任が発表された河井を紹介すると、すかさず稲田が自身を指しながら、「申し遅れました。ヒラの漫才師です」と挨拶して笑いを誘いました。

大賞受賞したその日、初めて…
今回の公演には、上方漫才協会大賞の「大賞」受賞者が3組出演。大賞受賞後の変化や、変わらず大切にしていることについて質問が出ました。
第一回受賞のアインシュタインは、河井が「大賞を獲らせていただいて以降、たくさん舞台に出演するようになりました。変わらず大切にしているのは、おカネを払って来てくださったお客さんに、“来てよかったな”と思ってもらえるように(すること)」と答えると、稲田が「まったく同じです」とカブせて笑いを起こします。
第四回受賞の見取り図の盛山も、劇場出演や、地方に行く機会が増えたと明かします。
「NGK(なんばグランド花月)やよしもと漫才劇場で漫才をするときは、“和尚”が見てくださって……」と、カウス会長を“師匠”ではなく“和尚”呼びをして笑いを誘うと、一方のリリーは「僕たちからすると(大賞は)初めての賞だったんで、お互い本当に感動して……その日、初めて結ばれました」とまさかの“告白”!? で会場を爆笑に包みました。

今年の第十回で受賞したばかりのドーナツ・ピーナツも、同じく全国で漫才をする機会が増えたとのこと。ピーナツは「一個一個の舞台の重みが違うなと思います。調子に乗らんようにだけしないと……」と自戒を込めてコメントしました。
一方、登壇者のなかで最若手のエバースには、若手にとって上方漫才協会とは、との質問が。マイクを向けられた町田が「生まれたときからの目標です」と、“そんなはずがない”回答で総ツッコミを受けるなか、佐々木は「(エバースは上方漫才協会大賞の)申し子と言っても過言ではない」と自己紹介しました。

“副会長”河井「僕にハマらない芸人は解雇していく」!?
上方漫才協会の今後について、カウス会長はこう語ります。
「ほぼ形ができあがりましたから、形を崩さず、この世界を目指す子たちが人気者になっていけるよう協力していきたいと思います」
一方、“副会長”の河井は「『面白い芸人が報われるように』というのと、僕にハマらない芸人は解雇していこうと思っています」とまさかの宣言!?
笑いがあふれるなか、最後にカウス会長が改めて決意を語りました。

「ものを持たず、しゃべくりだけでやる近代漫才は、横山エンタツ・花菱アチャコ師匠からで、吉本興業でできあがったもの。『これは絶対に守っていかないといけない』という思いでつくらせていただいた協会ですが、僕ひとりでは無理です。なので副会長、そのあとに続く子たちが守っていってくれると思います。みんなが(ネタに)磨きをかけて、それをあとから若手が追い上げていく……という、非常にいいかたちやなと思いますね」
『上方漫才協会 十周年記念 特別興行』は今後、5月18日(日)に福岡・よしもと福岡 大和証券劇場、6月14日(土)に大阪・大阪市中央公会堂、8月2日(土)に京都・よしもと祇園花月を巡ります。
公演概要
■上方漫才協会 十周年記念 特別興行【福岡公演】
日程:2025年5月18日(日)
会場:よしもと福岡 大和証券劇場
出演者:中田カウス(上方漫才協会 会長)
タカアンドトシ/アインシュタイン/すゑひろがりず/ミキ/さや香/ドーナツ・ピーナツ/もりやすバンバンビガロ ほか
チケット料金:前売 4,500円/当日 5,000円
■上方漫才協会 十周年記念 特別興行【大阪公演】
日程:2025年6月14日(土)
会場:大阪市中央公会堂
出演者:中田カウス(上方漫才協会 会長)
見取り図/アインシュタイン/すゑひろがりず/ミキ/霜降り明星/さや香/ドーナツ・ピーナツ/天才ピアニスト/もりやすバンバンビガロ
チケット料金:前売 4,500円/当日 5,000円
■上方漫才協会 十周年記念 特別興行【京都公演】
日程:2025年8月2日(土)
会場:よしもと祇園花月
出演者:中田カウス(上方漫才協会 会長)
ガクテンソク/見取り図/トット/アインシュタイン/すゑひろがりず/エバース/バッテリィズ/もりやすバンバンビガロ
チケット料金:前売 4,500円/当日 5,000円
※開催時間、チケット販売スケジュールは、公式サイト等で随時発表されます。
FANYチケットはこちらから。