芸歴5年目以下の超若手芸人No.1を決める賞レース『UNDER5 AWARD 2025』の優勝は、現役大学生のアマチュアコンビ・あなたとネ(いしはら、本郷)でした! 6月22日(日)に東京・ルミネtheよしもとで開催された決勝戦では、2,420組のエントリーのなかから勝ち抜いた9組が激突。プロ芸人たちを見事に出し抜いてみせた“ダークホース”は、いったいどんなコンビなのか。大会後の会見の様子とともにお届けします。

大会後に「プロになります!」と宣言
この日の決勝戦は3ブロックに分かれ、Aブロックで兄弟(体制、紅葉)、生姜猫(川﨑、ケージュ、カンサイ)、無尽蔵(野尻、やまぎわ)、Bブロックでシカノシンプ(北川、ゆのき)、ぺ(カク、カタヤマヨシヨ)、釈迦虎(岡本峻、久保バトル泰志)、Cブロックで伝書鳩(がくと、山田陸斗、ダダこだま)、あなたとネ、例えば炎(タキノルイ、田上)の計9組が登場しました。
3年連続でMCと務めるのはニューヨーク(屋敷裕政、嶋佐和也)。審査員は笑い飯・哲夫、佐久間一行、NON STYLE・石田明、ナイツ・塙宣之、かもめんたる・岩崎う大、チョコレートプラネット・長田庄平、マヂカルラブリー・野田クリスタルという、漫才・コント・ピン芸の実力派たちです。

ファーストラウンドではAブロックは兄弟、Bブロックはシカノシンプ、Cブロックはあなたとネがそれぞれ勝ち上がり、いよいよ3組によるファイナルラウンドへ。1本目の勢いそのままに独特なコントを披露したあなたとネが、3代目王者に輝きました! アマチュアのコンビが優勝するのは、大会史上初のことです。
21歳の本郷と24歳のいしはらのコンビ・あなたとネは現在、大学お笑い界で活動中です。本郷が大学1年生、いしはらが大学3年生のときにお笑いサークルに入り、その後、コンビを結成。いしはらは大学を卒業したあと、大学お笑いを続けるべく、放送大学に入学し、あなたとネの活動を続けてきました。
今後、プロのお笑い芸人として活動していくかについては、決勝進出者発表会見(6月9日開催)の時点でも明言していませんでしたが、今回の大会の最後に本郷が「プロになります!」と宣言。会場を沸かせました。

会見も“あなたとネ”ワールドに
大会直後の優勝会見で、現在の思いを問われた本郷は「1本目は自信があったんですけど、2本目はまだデカい会場で試したことがなかったんで、嬉しかったです」と振り返ります。
いしはらが「1本目が終わって、くじでまた(2本目の出順が)1番だったので、連続でできたところはよかった。1番を引きたかったので」と語ると、本郷は「僕は準備をしたかったので、3番を引きたかった」と相方と真逆の本音をもらして笑いを誘いました。
その後も本郷は、お笑いを目指したきっかけを聞かれて「大磯ロングビーチのトルコアイス屋さんが衝撃で、あれくらい笑わせたいと思った」と答えたり、別の質問でほかの登壇者が説明を始めると「みんなでいっぱい喋るのやめてください」と制したりと、独特なペースに引き込んでいきます。
そんな流れにしびれを切らたしたナイツ・塙が、いしはらに「お前がちゃんとしなきゃいけないんだぞ!」と一喝する一幕も!?

目標として「みんなに愛されるお笑いコンビになりたい」という本郷。今後は『キングオブコント(KOC)』にも挑戦したいとのことですが、KOCは準々決勝以降のネタ時間が5分なのに対し、大学お笑いのネタ時間は基本3分。5分ネタを作ったことがない、という彼らに審査員も驚きを隠せません。
今回、ファイナルラウンドで披露したネタについても、制限時間が4分なのにもかかわらず、実は3分だったと告白。本郷は「KOCは(ネタ時間について)そんなに甘くはないと聞いているんで」と“失礼発言”で笑いを誘いつつ、「KOCも頑張りたいです」と語りました。

審査員も絶賛「本当に珍しい笑いの取り方」
どこまでも謎なコンビ・あなたとネ。そんな彼らについて、MCのニューヨークと審査員たちが振り返りました。
ニューヨーク・嶋佐和也
例年以上に盛り上がって、皆さん面白かったです。優勝が初のアマチュアコンビ。本当にいちばん笑いました。
ニューヨーク・屋敷裕政
毎年終わったあと、「めっちゃオモロかったな」と思うんですけど、今年は特にそう思った感じがしましたし、あなたとネの1本目がヤバかったです。久しぶりにこんな笑ったんじゃないか、というくらい笑いました。
笑い飯・哲夫
僕は最後、シカノシンプに入れたんですけど、でも、あなたとネが優勝するだろうな、と思いながら審査させていただきました。1本目も2本目もすごくよかったと思います。2本目の言葉のチョイスで「ここは」というのもあったんですけど、それを凌駕するくらいの笑いがあったんじゃないかなと思います。

佐久間一行
着眼点というか、この狭いところをよく1本のネタにしたなと思って、入りから興味がすごくありました。本当に珍しい笑いの取り方だな、と思ったんですよね。ああいうのでポンって笑いが来るって、すごいことだなと思って見ていました。
NON STYLE・石田明
派手なボケがなくても、細かいリアクションとか、細かい演技があるからこそ「ずっと面白く見られる」にちゃんと繋がってる感じがするんですよね。そこらへんが根強さやなって感じがしました。
ナイツ・塙宣之
文字にすると“あるルール”を言っているだけなのに、2人がやると笑いが起きるってすごいことだなと思いました。あれを韓国俳優でやったら、ふつうに怖いドラマになると思うんですよ。2本目のコントで使っていた言葉って、けっこう引くじゃないですか。それでも笑うって、すごいことだなと、ちょっと感心しました。

かもめんたる・岩崎う大
2人がいちばん無理をせず、自分たちの笑いを表現してる感じがしました。特に5年目とかだと、お客さんの前で笑いを取る意識が強い。そこにカウンター気味にこの2人は存在していたような気がして……UNDER5であるべきかたちの優勝だったなって思います。
マヂカルラブリー・野田クリスタル
誰からもお笑いの授業を受けてない感じ。どこから思いついたんだろうというネタでした。僕もKOC頑張りたいと思っているんですが、こいつらと戦うのか、と……。めちゃくちゃ面白かったです。
チョコレートプラネット・長田庄平
皆さんレベルが高くてビックリしました。最後、あなたとネとシカノシンプで悩んでいて、正直、2本目はシカノシンプのほうがネタの仕上がりはいいかなと思ったんですよ。ただ、1本目との累計と、家に帰って思い出すのは、あなたとネなのかなと。この言い知れぬ、可愛さですよね。売れるには、こうした可愛さが必要なのかなと思います。本当、売れてほしいです。

ニューヨークも審査員も大絶賛だったあなたとネがどんなコントをしたのか、決勝メンバーはどんなネタで戦ったのか――この大会の模様は6月29日(日)23:59までFANYオンラインチケットで無料配信中です(チケット購入は同日正午まで)。
FANYオンラインチケット(配信)はこちらから。