辻本茂雄がNGKで“還暦記念スペシャル公演”開催! 満員の観客に感謝「また思いきり笑って幸せになったらどーや!」

昨年、還暦を迎えた吉本新喜劇の辻本茂雄が7月28日(月)からの7日間、大阪・なんばグランド花月での恒例イベント「辻本新喜劇」を還暦記念バージョンで公演しました。辻本は現在、全国13カ所を回る「還暦特別公演記念ツアー」を実施中(来年春まで)。今回の辻本新喜劇は、全国ツアーとは違う脚本で、たっぷり90分の新喜劇一本勝負! ファニマガでは、予定時間を大幅にオーバーする盛り上がりとなった8月3日(日)の千秋楽の模様をお届けします。

出典: FANY マガジン
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“茂造”と“借金取り”の1人2役で躍動!

今回のステージは、前・後半の2幕に分かれて辻本が2役を演じる豪華版。舞台は、歴史を感じさせる瀟洒(しょうしゃ)なホテルです。辻本演じるおなじみの“茂造”は、吉田裕が扮する妻とともにホテルのアルバイトに雇われますが、勤務初日から思わぬ大波乱を巻き起こし――。記憶喪失の男と恋にやぶれた令嬢、リゾート開発を目論む大企業社長、怪しい借金取り……濃すぎるキャラクターが入り乱れ、最初から最後まで客席爆笑のドタバタ劇です。

茂造がおなじみの赤いちゃんちゃんこ姿で登場すると、客席から「待ってました!」の大歓声。いきなり宿泊客・玉置洋行のかばんを放り投げたかと思うと、次々とテンポのいいボケを繰り出し、「許してやったらどうや」まで発動します。

茂造は吉田と「ほんまやね〜」と声を合わせて息の合ったコンビプレーを見せたほか、ツッコミ用の“巻きザッパ”を腰のホルダーにしのばせるなどやる気十分。毎回、爆笑の“着信音ネタ”も随所に挟み、冒頭からハイテンションにたたみかけます。舞台セットも“辻本仕様”で、階段や自動ドア、エレベーターを自在にあやつって何度も笑いを起こしました。

出典: FANY マガジン
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第1幕の終盤に茂造は逮捕されて不在に。辻本は第2幕で借金取りの親分役で登場し、平山昌雄、レイチェルを従え、ローテーショントーク、ミュージカルトーク、輪唱トークと圧巻のボケを連打します。

さらに、道で茂造の手帳を拾ったという設定で、キャストたちの裏ネタを暴露するなどやりたい放題! 取り立てに来たはずが、湯澤花梨演じるホテルスタッフに一目惚れして恋を成就させようと奔走するなど、茂造とはまた違うキャラクターで観客を楽しませました。

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止まらない“アドリブ祭り”!

脇を固める面々も、スペシャルな顔ぶれです。ホテルのオーナー・浅香あき恵は、辻本から「お前、調子悪すぎやろう!」とダメ出しされ「私、悔しい! もう1回やらせて!」と奮起して見事なアドリブダンスを繰り出します。

ふだんは“回し”の役どころが多い清水けんじは、物語のカギを握る記憶喪失の男をシリアスに熱演。しかし、「吉本新喜劇座員総選挙」以来の因縁の相手である吉田との絡みでは本音が爆発し、「今日はオレがおかっぱのオバハン(すち子)の代わりにやったるわ!」と乳首ドリルを始めます。清水の「オレだって座長になりたかった!」という魂の叫びに、大きな拍手と笑いが起こりました。

出典: FANY マガジン
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辻本新喜劇で恒例のムチャぶり連発の“アドリブ祭り”も止まりません。辻本は「今日は結果出せよ!」とプレッシャーをかけつつ、たかおみゆきや安尾信乃助、平山、レイチェル、瀧見信行らにお題をぶつけます。たかおが何を言っても爆笑に変わる“ゾーン”に突入したり、レイチェルがホテルマネージャー役の高井俊彦とともに新しいリズムネタを誕生させるなど、座員たちもしっかり期待に応えました。

東京からきた、かたつむり(中澤本鮪、林万介、ピーチ)も“アドリブ祭り”の餌食に。かたつむりの3人はチャラさ全開に怪演しますが、辻本からのムチャぶりには四苦八苦です。中澤は登場シーンで辻本から「違うなあ……」となかなかOKをもらえず、必死に食らいつきます。

ほかにも、筋肉ムキムキで度肝を抜いたシェフ役の生瀬行人や、体を張って笑いを誘う小林ゆうなど、キャスト全員が持ち味をアピール。一丸となってガムシャラに笑いを取りにいく「これぞ辻本新喜劇」というパフォーマンスを見せつけました。

出典: FANY マガジン
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時間オーバーで「舞台監督に怒られた」!?

多和田上人の“コブダイ”ネタでは、観客も巻き込んだやりとりで会場の一体感がピークに! 「『辻本新喜劇』は参加型で、いい思い出を作ってもらおうと思って台本を書いている」と胸を張る辻本は、客席をうれしそうに見つめます。

また、湯澤をストーカーする役の清水啓之が珍妙なコスチュームに身を包んで登場したくだりでも、一列に並んだキャストを前に展開する“チャレンジネタ”に観客が参加。抽選で選ばれた1人が舞台に上がるサプライズ演出が用意されたほか、観客を指名してセリフを言ってもらうなど、楽しい仕掛けが満載でした。

出典: FANY マガジン
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クライマックスでは、人質事件をきっかけに記憶を取り戻した清水が、再び令嬢・小林と結ばれるハッピーエンド。最後まで全員がボケを繰り出して、爆笑に包まれながら大団円となりました。

カーテンコールでは、還暦記念公演のテーマソングである新曲『夢絆〜きずな〜』を出演者全員で合唱。この日は終演予定時間を大幅にオーバーし、辻本は「舞台監督に怒られました」と苦笑いでした。

出典: FANY マガジン
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最後に辻本は「皆さんのおかげで、こうして還暦記念公演をやることができた。われわれが舞台でお芝居できるのは、足を運んでくださるお客さんがいるからこそ」と挨拶。そして「感謝、感謝、感謝! 本当にありがとうございました! また皆さん、思いきり笑って幸せになったらどーや!」と叫び、大きな拍手に包まれて終演となりました。

公演概要

「辻本茂雄還暦特別公演記念ツアー」
<2025年>
8月23日(土)香川/レグザムホール(香川県県民ホール)
9月06日(土)滋賀/大津市民会館
9月07日(日)熊本/市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)
9月14日(日)静岡/アクトシティ浜松
11月9日(日)和歌山/和歌山城ホール
11月24日(月・祝)山口/下関市民会館
12月20日(土)大分/J:COMホルトホール大分

<2026年>
3月07日(土)広島/上野学園ホール(広島県立文化芸術ホール)
3月14日(土)高知/高知県立県民文化ホール
3月20日(金・祝)福岡/福岡市民ホール
4月05日(日)岡山/岡山芸術創造劇場ハレノワ

全国ツアーの公式サイト:https://shinkigeki.yoshimoto.co.jp/news/detail/328

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