沖縄出身で“沖縄県住みます芸人”として活動するオリオンリーグ(剛くん、玉代勢直)が、8月23日(土)に沖縄県那覇市にある沖縄ラフ&ピース専門学校で『ザ・バルーンコメディショー』を開催しました。彼らの武器のひとつが、イベントのタイトルにもなっている「バルーンアート」。軽快なトークとともに作品をつくり上げて、子どもたちの心をがっちりつかむと、後半のワークショップでは大人も、子どもも真剣にバルーンアートづくりに挑戦しました。ほかにはない一体感が生まれたイベントの様子を、よしもと沖縄所属で芸人ライターとしても活動している又吉ごはんがレポートします!!

営業の持ちネタから特化イベントに
オリオンリーグは2010年に東京でコンビを結成。その後、2020年に拠点を地元・沖縄に移し、沖縄の伝統芸能と漫才を融合させた「組踊漫才」や、よしもと沖縄に所属する芸人で旗揚げしたエイサー団体「吉本橙風太鼓(よしもととうかじだいこ)」の活動、あるいはスタンドアップコメディやギャグライブなどを精力的に行い、沖縄県住みます芸人としても活動しています。
そんな多彩なオリオンリーグの武器のひとつがバルーンアート。文字通り風船でさまざまなかたちを作る芸で、いまや剛くんが作るキャラクターは30種類以上!! ふだんは営業の持ちネタのひとつとして披露されることが多いですが、なんと今回はバルーンアートに特化したイベント『ザ・バルーンコメディショー』として、その妙技を存分に楽しむことができます!!
マジックボックスが子どもたちに大ウケ
僕が会場に着くと、そこにはすでにたくさんのお子さんと親御さんの姿がありました。その後も客足は途絶えることなく、超満員に!! 急遽、席数を増やすという対応がされていました。
ここで気がついたのが、子どもの数。ふだんのイベントやライブでは高校生や20~30代くらいの若い方が多いのですが、このイベントのお客さんは圧倒的に子ども!! それも未就学児が多かったです。どうやら、たくさんのお子さんに見てほしいということで、小学生以下は無料にしているそう。夏休み期間中に、これは嬉しいんではないでしょうか!!
大きな拍手とともに登場したオリオンリーグ。風船でなんでも作れると豪語する剛くんは、さっそく作ってほしいもののリクエストをお客さんに呼びかけます。
元気よく子どもたちが手を挙げるなか、リクエストされたのはポケモンの「リザードン」。すかさず、「イヌでいい?」と別の案を持ち出す剛くんに、会場は大きな笑いに包まれました。
剛くんがバルーンアートをしている横では、玉代勢が三線で盛り上げます。そして、同じようにお客さんからの(無理やり変更させた)リクエストに応え、3つのバルーンアート「イヌ」「ネコ」「ネズミ」が完成しました。

しかし、会場からは「えー」と大ブーイング。それもそのはず、この3つの完成品の形はどれもほぼ同じ。子どもたちも不満そうです。もちろん、僕も一緒になってブーイングしました。
すると、剛くんが持ってきたのは「マジックボックス」と書かれた大きな箱。先ほど作ったバルーンアートをこれに入れると、別のモノに変化するそう。
剛くんが「ネコ」をマジックボックスに入れてみます。すると……出てきたのは、「ひみつ道具がたくさんあるロボット」でした!! なるほど、ネコだからか! 会場から大きな拍手が起こります。
しかし、これだけではございません。続いて登場したのは沖縄マジックボックス。こちらは入れたものが、なんと沖縄風に変わるそうです! さっそく先ほどのロボットを沖縄マジックボックス入れてみます。果たして何に変わるのでしょうか。子どもたちも、いまかいまかと待ちわびます。
そして、沖縄マジックボックスから出てきたのは……「守礼門」でした!! 同じ“もん”だからか!!(笑)

そして、最後はこれまでに登場した「ひみつ道具がたくさんあるロボット」「守礼門」「沖縄の有名人」などの作品が、ご来場の子どもたちにプレゼントされました。これには子どもたちも大喜び。きっと、この夏のいい思い出になったと思います。
バルーンアートのコツはほんの少しだけの勇気
イベントの後半ではバルーンアートのワークショップを開催!!
会場の皆さんに風船が配られ、剛くんを先生としてバルーンアートの作り方を伝授してもらいます。バルーンアートのコツは「割れそうだけど割れないから、勇気を持ってねじってください」だそうです。
今回、作ったのは剛くん曰くいちばん簡単な「ロケットねずみ」。頭の部分を作ったあと、しっぽの部分を引っ張って離すと勢いよく飛び出るという楽しい仕掛けもあります。
僕も「ロケットねずみ」づくりに挑戦してみました! しかし、割れるのが怖くてなかなか風船をねじれない。まわりの子どもたちのほうが、怖がらず器用に作っていました。子どもってスゴい。

玉代勢は、ステージから降りて作り方がわからない子どもたちに優しく教えていた姿が印象的でした。こんなに心が癒されるようなイベントは、なかなかありません。
最後に、完成した「ロケットねずみ」をみんなで飛ばすと、圧巻の光景に子どもたちは大興奮!! 忘れられない夏の思い出になったことでしょう。

2人の地道な心配りに注目!
大成功のうちに幕を閉じたイベントですが、その陰では、オリオンリーグの2人の地道な努力がありました。
まずはイベント開始前、玉代勢が自ら前説を行ないます。心地のいい三線の音色を奏でながら「参加型のライブなのでたくさん声出して、どんどん喋っていっていいからね!!」と、子どもたちがはしゃいでもいいような環境を作るのに余念がありません。
そして、特技のジャグリングを披露して会場に来ているお客さんの緊張をほぐしていきます。ボール5個でジャグリングをする玉代勢に対し、「6個でやって!」と、無邪気さゆえに厳しい子どもたちの声が上がっていました!(笑)

会場にはバルーンで作った装飾が至るところに飾り付けられ、入った瞬間から「楽しい空間に来た」という気分にさせてくれます。
これは2人で朝から仕上げたそうで、お客さんに全力で楽しんでもらおうという心意気が感じられます。なんと、この装飾バルーンも、イベント終了後には持ち帰ってOK。イベントが終わると、子どもたちの壮絶なバルーン争奪戦が始まっていて、その熱気からもこのイベントの成功を感じました!
「飾り付けで半分終わった感じ」
終演後、オリオンリーグの2人にお話を聞くことができました。玉代勢は、こう語ります。
「ふだんはバルーンアートって営業とかでやるから、こうしてライブハウスみたいに自分たちが最初から飾り付けしてバルーンをやる空間をつくれたことで、すごく達成感があった。準備が大変で、飾り付けが完成した時点で半分終わった感じ」
一方の剛くんも満足そう。
「ここまで大がかりなイベントをやったのは初めてだったから、このくらいの規模だったらこのくらい時間かかるとか、今回で勉強になった。準備は大変だったけど、子どもたちが喜んでくれてたから、めちゃくちゃ良かったなって思いましたね」
玉代勢は「今後は、なにかクリスマスとか子どもたちのイベントごとにやっていきたい」と、今後に向けた意欲もあらわにしていました。

正直、僕はこれまで、オリオンリーグのおふたりの印象は漫才のほうが強かったです。もちろん、バルーンアートをやっていて、営業で盛り上げているのも知っていました。しかし今回、あえてバルーンアートのためだけの空間をつくり、バルーンアートに特化してイベントをやったことに、2人のすごみを感じました! “ひとつの武器”だったものが、“最大の武器”になっている感じです。
きっと今回のイベントをきっかけに、バルーンアートに興味を持った子どもたちもいると思います。そんな子どもがいつかバルーンアートパフォーマーになって、オリオンリーグさんと共演したら面白いなぁ……と、勝手に胸を膨らませています!!