今回はスペシャル企画。
沼津が生んだ“太鼓判ライブ”——。
そしてそこから生まれた『THE SECOND』ファイナリスト、ツーナッカン(中本幸一、中山逸紀)。
沼津から全国へと笑いのムーブメントを広げる二人は、今、何を思い、どこを目指すのか。
そんな二人の“笑いの原点”と“沼津への想い”に迫る【ロングインタビュー】沼津が生んだニュースター・ツーナッカンが語る“喧嘩とスナックと太鼓判ライブ”。

沼津では毎回支配人と喧嘩!?
10月19日(日) 11:59 —
沼津ラクーンよしもと劇場楽屋にて
中本 めっちゃ緊張してるわ……。
うえたけ(以下う) なんでですか!(笑)。というか、お二人ともなんか飲んだ後みたいな雰囲気がありますけど……。
中山 “飲んだ後”やからなぁ。
3人 ははは(笑)。
中山 まあまあまあ。
う ただ、その感じを撮りたかったので。すみません。今回インタビューにご協力いただくのはツーナッカンさんです。よろしくお願いします。
中本・中山 お願いします。
う お忙しい中ありがとうございます。今日このあとライブ1発目ですよね?
中山 そうなんですよ。12時半からで、今ちょうど12時。
中本 だからもう準備しながらみたいな感じで(笑)。
う ありがとうございます。ではまず、沼津の印象を教えてください。
中山 沼津の印象って言っても劇場以外はあまり行かないですからね……、劇場終わって飯食って、スナック行って、そんな感じですね。
う (笑)。
中本 でも毎回支配人と喧嘩してます(笑)。
う えっ!? そうなんですか? なんで喧嘩を?
中本 いや、最近はあれですね。住みます芸人の皆さんとあまり会えなくなって。それが寂しくて。
う え!? なんですかそれ(笑)。嬉しいけど。
中山 「もっと使え!」って酔っ払って言っちゃう(笑)。
中本 さこさん(さこリッチ)に会いたい!って、毎回のように真っ向勝負。
中山 昨日も大揉めになりました。
う 喧嘩しながら信頼築いてるんですね(笑)。でもほどほどにしてくださいね。
中山 はい(笑)ありがたいです。
『THE SECOND』への力になった場所

う ツーナッカンさんは太鼓判ライブの初期から出られてますが、以前と比べて変わったことはありますか?
中本 え? これリアルな話していい?
う もちろんですよ!
中本 太鼓判ライブは本当にありがたい場で、ネタを叩く場で、もう2年くらい出させてもらってます。ありがたい事に固定のお客さんが増えてきて。
中山 リピーターがね、結構増えてきた。
中本 だから、そのリピーターのお客さんをなんとか笑かすためには、崩してしまうことになる。
う 太鼓判ライブは2日間で8本ありますからね、同じネタを2回見てしまう人もいますからね。
中本 だからね、その……すごく良くないなって!
3人 (爆笑)。
中山 軸がブレるんですよ。
中本 太鼓判ってもともとネタを試す場所だったのに。
中山 最近は「目の前のお客さんを確実に笑わせる」方向に寄っちゃって、ネタがあっち行ったりこっち行ったり(笑)
う 目の前のお客さんを笑わせないとですからね。
中本 昨日、支配人ともその話をしました。太鼓判が良いライブになりすぎてるというか、“家族感”が出過ぎてるというか。
う なるほど。ライブ自体はすごく盛り上がってるけど、本来のネタを調整するという部分からは遠ざかってしまうというか、難しいところですね!
中本 本当にありがたいことですけどね。これがあったんで『THE SECOND(以下、セカンド)』も行けたんで。
中山 そう思います。本当に力になってます。
う ただそのお客さんを増やして良いライブにしたというのを築き上げたのはツーナッカンさんのお力もありますから。
う ちなみに太鼓判ライブ以外ではどんなライブをされていますか?
中山 沼津ラクーンに来た時は毎回のように企画がありますね。
中本 そうそう。僕らが提案してるわけじゃないんですけど、太鼓判のあとに3本目として企画コーナーをやらせてもらう感じです。
う ネタ以外にも?
中本 そうですね。沼津独特の「生誕祭」みたいなイベントをやったり。自分たちの誕生日にライブを打つんですよ。
中山 僕らツーナッカンもやりましたし、タナからイケダとかザ・パンチさんもやってましたね、とにかく誕生日ライブ。
中本 あと恥ずかしいのはチェキ会とかもやったね。
う 恥ずかしいんですか?(笑)。
中本 恥ずかしいですよ! おじさんですから(笑)。
う でもあれ、大行列になってるじゃないですかいつも。
中本 まぁ欲しい人が並んでくれて嬉しいけど。
中山 ツーナッカンのチェキ会なんて東京ではありえないからね。
中本 ただそのチェキ会も俺らにギャラが入るのかどうかは知らない(笑)。
う それは入るでしょ!(笑)
中本 わからんよ、吉本なんだから。
う 疑いすぎですって(笑)。
中本 ただひとつ忘れないでほしいのは俺らがやりたい!って言ってやってるわけじゃないからね!(笑)。
中山 ホントにそう! 沼津で調子に乗ってるわけではない(笑)。
中本 そうそう。別に調子乗ってるとかじゃなくて、沼津を盛り上げたい気持ちでやらせてもらってますから!
う 急に予防線みたいなの張らないでください(笑)。
中本 いやいや、予防線張っとかないと(笑)。
中山 予防大事(笑)。
ザ・パンチが築いた沼津の歴史

う でも泊まりで来られることも多いですよね? 沼津の街に詳しくなったんじゃないですか?
中山 いや、夜しか出ないですからね(笑)。
う それこそディープなスポットとか。
中本 ディープなスポットって言っても、記事にできないようなところしか……。
う そんなことないでしょ。
中山 可愛い熟女が多いスナックとかね。
中本 沼津にはかわいい熟女しかいない。
う なんか聞きましたけど、そこで出会った方と喧嘩して、仲良くなって、劇場に来てくれるようになったみたいな聞きましたけど。
中本 あだ名で言ったら“ジンベー”って人がいるんだけど。スナックで「おもんないんじゃ!」って絡まれて、言い合いしたのに、最後は一緒に肩組んで浜田さんの「WOW WAR TONIGHT」歌うっていう(笑)。
3人 (爆笑)。
中山 今じゃ常連さんです。
う すごい良い話じゃないですか(笑)。
中山 そうなんですよ。ただ、これもザ・パンチさんが作ってくれた歴史でもあるんです。ザ・パンチさんが色々飲みに連れてってくれて、それで生まれたものですから。
中本 セカンドで準優勝されて、忙しくなって太鼓判に出る回数も減ってしまったから、そのあたりは寂しいですよ。だから早く忙しくなくなって、沼津に戻ってきてほしい(笑)。
う なんで下げて呼ぼうとするんですか(笑)。

う ちょっと話戻るんですけど、太鼓判ライブはセカンドにどのように影響してますか?
中本 正直、渋谷のライブだとセカンド意識してるお客さんは少ないんですよ。『M-1グランプリ』とかが好きな方が多い印象。でも太鼓判ライブのお客さんはセカンドに興味がある人が多くて、ネタを試すにはすごくありがたい。
中山 方向性がこっち向いてるんですよね。
中本 ただ沼津のずるいところは、太鼓判ライブにたくさんの芸人を呼んで、結果出たら「沼津から出た」って言うところ(笑)。
う (笑)。
中山 お前そういうこと言うなって(笑)。
中本 最近で言うと、うるとらブギーズが『キングオブコント』の決勝に行ったのも「太鼓判のおかげで入った」みたいな言い方を支配人がしてるからそれはやめた方がいい(笑)。
中山 言うな(笑)。そういうこと言うから喧嘩になるんだろ!
中本 だからホントに……ありがたいです。
う いや、なんかありがたいでまとめようとしてますけど!(笑)。
中本 まぁでも実際、太鼓判から結果出してる芸人が多いのも事実かなと。
う それは本当にそうですよね。
中山 本当にありがたいです。全部まとめると「ありがたい」で終わります(笑)。
沼津でやりたい「次の一手」

う では今後、沼津でやりたいことは?
中山 営業行ってみたいですね、沼津で。
中本 あと、東京でやってるトークライブを沼津でもやってみたい。
う すぐ実現しそうですね。
中本 いや、実現はできるけどお客さんが来るかどうか(笑)。
う でも固定ファンめっちゃいると思うんで、絶対大丈夫ですよ。
中山 あと「ぬまんづ」に改名しようかなと。
う なんかそれ聞きましたよ!(笑)舞台で「俺らの方がぬまんづじゃ!!!」って言って大爆笑取ったとか(笑)。
中本 そうよ、もう俺らにぬまんづくれよ、ツーナッカンあげるから(笑)。
う 自分のコンビ名に誇り持ってください(笑)。
う では、今後の目標を教えてください!
中本 給料が10万円を超えますように(笑)。
中山 金なん!?(笑)。
中本 1回でいいから吉本の給料で月収10万円いきたい。
中山 セカンド優勝とかあるだろ!
中本 いやいや、セカンド優勝はあまりにも夢物語すぎる(笑)。
う そんなことないでしょ(笑)。
中本 でも本当に、セカンドで沼津のお客さんに恩返しできるように頑張ります。
う 最後に読者の方へメッセージをお願いします。
中本 沼津で「太鼓判ライブ」というのを毎月のようにやっています。いろんな芸人が出て、チケットは1,000円です。
中山 お笑い初心者の方も気軽に楽しめるライブなので、ぜひ遊びに来てください。
う ありがとうございます。ライブ前のお忙しいところ本当にありがとうございました。
中本・中山 ありがとうございました。



