“笑いの女王”を決める『女芸人No.1決定戦 THE W 2025』の決勝が、12月13日（土）に日本テレビ系で生放送されます。過去最多となるエントリー総数1,044組の中から決勝に残ったのは8組。なかでも結成3カ月にしてファイナル進出を決めたヤメピ（うかり、水分スイ）は、まだ出来立てのコンビだけに素顔が見えない謎の存在……。そこで今回、期待が高まるニューフェイス、ヤメピの正体に迫りました！（写真は芸人カメラマンの番長・長居蒼季が担当しました）
今回で9回目を迎える『THE W』は、プロ・アマ問わず、芸歴や芸風、人数などの制限はいっさいなしに、純粋にネタの面白さだけで「女性芸人日本一」の称号と優勝賞金1000万円を懸けて戦う賞レース。
今年は4組減の8組となったファイナリストは、もめんと、電気ジュース、とんでもあや、紺野ぶるま、エルフ、パンツ万博、ニッチェ、ヤメピという顔ぶれ。5組が決勝初進出です。
今回も審査員の投票による勝ち残り方式で、A、Bブロック4組ずつに分かれ、各ブロックの1位が最終決戦へ進出。今年から新ルールで、敗れた6組の中からもう1回見たい1組を視聴者投票で選出。A、Bブロックの勝者に加えて、投票で選ばれた1組を合わせて、3組で最終決戦を戦います。
決勝進出はすでに決まっていた！？
——初の『THE W』ファイナル進出、おめでとうございます！ 率直ないまの気持ちを聞かせてください。
水分 いまが、いちばんうれしいです。
うかり 決勝まで少し日があって、ファイナリスト発表からも少し日が経って。いまがちょうど落ち着いた時間です。
——準決勝で手応えは感じていましたか？
水分 まぁ、戦略通りというか、予定通りというか。
うかり かっこえ！
水分 私のなかで、決まっていたことなんです。コンビを組んだときには、もう。
うかり 組んだ瞬間、ファイナル行ってた？
水分 行ってた。
うかり ありがた！ そんなすぐ結果出るなら、そら組みますわ。時間かかるものやと思ってたから。
水分 今年は『THE W』とご縁があるな、と感じていたので、ネタをこうしよう、ああしようと組み立てて、組み立てて完成したネタです。
——水分さんのなかでは、すでに決まっていたことだったと？
水分 はい。ヤメピの戦略担当なので。
うかり 信じてましたけど、もう「ウソ？ ウソ？ ウソ～？」って。（水分は）「行ける」とは言ってたけど、ほんまに行けるんか～い！って感じでした。
——ヤメピはまだマンゲキ（よしもと漫才劇場）所属ではなく、“オーディション組”と呼ばれる新星で、ヴェールに包まれた存在です。まずコンビ名の由来を教えてください。
うかり 戦略担当（の水分）が決めてくれました。
水分 由来は、『バムとケロ』という絵本がありまして、そこに出てくる小さい犬のキャラクターの名前です。ほかのキャラクターは「かいちゃん」とか「いまちゃん」、「おじぎちゃん」っていうかわいらしい名前なのに、なんか1匹だけ「ヤメピ」って、めっちゃふざけてるなって思いまして。
うかり 「こんなふざけた名前の奴がおる。これになろう。こいつのことを、責任を持ってかわいがろう」っていうので決めました。
強みはセッションから生まれるネタ
——コンビを組んだきっかけは？
うかり ほんまの最初は（水分から）声をかけてもらって、実際に組もうと持ちかけたのはこっち（うかり）です。
水分 『キングオブコント』に、お試しというかユニットで出ようと声をかけまして。そのとき、コントの大会なのに「親子漫才師」というコンビ名で出ようとしていました。
うかり 私はそれで「組もう！」と決めました。
水分 でも「親子漫才師」は秒で却下されまして、そのままヤメピがコンビ名になり、正式に組むことになりました。
——ヤメピならではの強みはどこにあると思いますか？
水分 セッションから生まれるネタです。
——ネタはどちらが主導で考えているんですか？
うかり 100対100です。
水分 珍しい。
うかり それに、セリフははっきり決めない。忘れてしまうリスクがあるから、「これ系のことを言う」とか、ニュアンスで決めているので毎回、セリフも変わります。
水分 そうしておけば、もし忘れても力技で何とかなるので。
「どっちも、肝はめっちゃ据わってる」
——決めないスタイルでネタをするのが合っているのは、2人とも？
うかり これがうれしいお話で、2人ともなんですよ。
水分 共通しているところが多いんです。
うかり 本番に強い。（ネタが）飛んでも動じることなく「飛んでません」みたいな顔ができる。
水分 仮にセリフが出てこなくても「そういう“間”を取っているだけです」みたいな顔もできます。「思い出さなきゃ！」とかもなりません。どっちも、肝はめっちゃ据わってると思います。
——もともとそういう性格なんですか？
うかり そうです。だから、「似てる」って思います。キャラ被りです。普通、キャラがカブってる者同士は、あんまりコンビを組まないものだと思うんです。
水分 一応、先輩と後輩なんですけど、私がNSC（吉本総合芸能学院）大阪42期で、（うかりが）43期なんです。当時、「誰に対しても臆さず、接している人がいるな」と思って見ていました。
うかり 私も、まったく同じことを思いながら見てました。42期の自分みたいな、何にも動じひん人。慌てたところを見たことがないです。
水分 期が違うだけで、鏡のような存在。でも、さっき話したように似た者同士で組むっていう人があんまりいないので。
うかり まわりからは、反対まではされてないですけど、「そこが組むん！？」っていうのはよく言われました。
水分 「それでうまくいくの？」とかも言われましたね。
うかり でも、似た者同士っていうのは強みでもあります。
——お互い、何を考えているかもだいたいわかったり？
うかり だいたい、じゃないです。
水分 言おうとしたことを、先に言われたりします。
うかり 一言一句、一緒のことを言うとかもあります。だから、しゃべるのをやめようと思ってしまうんです。
水分 常に「どうせ、言ってくれるだろう」っていうのがあるんで。
うかり 意思疎通しすぎて黙ってしまう、っていう瞬間もあります。
——そんな相方、なかなか出会えませんね。
水分 ここぞとばかりの意気投合、です。
うかり もう、馬が合って合って。
“ご縁ライバル”電気ジュースと「４人で優勝！」
——決勝に出場するにあたって、ライバルはどの組ですか？
水分・うかり （同時に「電気ジュース」の写真を指さし）はやっ！
うかり カブった！ またカブりました。
水分 同時やった（笑）。
うかり しかも、同期（うかりと電気ジュース・福沢葉が43期） でね。
水分 そう。私は藤本もふと同期（42期）で、同い年なんです。
うかり つぶし合いですよ、もう。
水分 でも、それも“ご縁”なのでね。ご縁ライバル。
——決勝について、電気ジュースと話はしたんですか？
うかり はい。話したというか、ファイナリスト発表のあと、楽屋で大はしゃぎしました。
水分 楽屋に戻って、それぞれお互い、同期同士でハグしました。こんな熱い展開があるんかって思いました。友だちなんでね。友だちと、一緒に決勝に行ける世界線があるなんて。こんなありがたいことはないです。
うかり ブロックが違うんで、どちらもブロックを勝ち上がって戦えたらなおさら、ね。
水分 2本目で戦う可能性も、ね。
うかり 電気ジュースも結成してまだ1年と短いんですけど、短いのをうちらがまくりました。ライバルなんで。
水分 電気ジュースにとっても、だいぶアピールポイントだったと思うんですけど、こちらはね……結成3カ月なんで。潰して、潰して（笑）。
うかり ずっと追いつきたいな、とは思ってたんでね。
水分 藤本もふは、ピンのときから「いいな」と思って見ていました。その後、電気ジュースを組んだら、すぐに劇場メンバーになったりだとか、だいぶ来てたんで。
うかり これで、追いつけたかな。
水分 追いつきました。
うかり ここからは同時に行けたらいいですよね。
水分 4人で同時優勝？ たまには2組、優勝してもいいかな？ これまで1組しか優勝してないんで。
うかり それか、もふさんとスイが優勝とか？
水分 えー？ そんなん、いいの？ 年功序列！ めっちゃ吉本（笑）。
決勝日、世間はヤメピの“ケタラリー”を目撃する！
——決勝の日まで、どう過ごしますか。
うかり どうする？ 寝とく？ 初めてのことやから。
水分 新ネタ作るか。2本しかネタがないので、ネタはもう全部出しちゃったんで3本目を作らなければ、ですね。ほんで、決勝までに銭湯に行きたいです。
うかり 体が資本ですので、できるだけのんびり、のんびり。
水分 リラックス、リラックスでやってますんでね。2人ともスーパー銭湯が好きなんで、一緒にスーパー銭湯に行って、そこで“腹割り”して。
——“腹割り”とは？
水分 「腹を割って話す」ですね。ふだんは月3回くらい一緒にスーパー銭湯に行って、腹割りをしてます。
——ファイナリストになって、今後が大きく変わりそうです。
うかり 人生、変わっちゃうなぁ。
水分 けっこう分岐点ですよ。だいぶターニングポイントです。
——優勝賞金は1000万円です。もし手に入ったら、どう使いますか？
うかり 盛大に使っていいのかな？ たとえば賞金でYouTubeのスタジオを借りて。
水分 それめっちゃいい！ 将来的な話になりますけど、「ヤメピハウスがほしい」という話はずっとしてます。
うかり 出た！ あってもいいよね、みたいなね。集まれる場所。室内が大好きなんで。そこでYouTube撮影とかラジオ収録とか。
——ちなみに、YouTubeチャンネルを作る予定は？
水分 これも戦略なんですけれども、申請とか通り次第、できたら決勝当日に1本目を上げられたらいいな、と。たぶん、皆さん調べてくれると思うので。
——確かに、きっと検索されそうです。初めての『THE W』、どんなところを見てもらいたいですか？
うかり “ケタラリー”です。
水分 “ケタ”。これは、いちばん大事なワードです。
うかり 人間、“ケタ”。これさえあれば生きていけるっていうね。
——“ケタ”とは？
水分 何て説明すればいいのかな。
うかり 複雑やで、これは。
水分 複雑です。まぁ、「ケタケタ笑う」から来ている“ケタ”なんですが。
うかり ネットスラングで言うところの“草”みたいな言葉を、ヤメピなりにギュッとして、ファニーで汎用性の高い言葉にして生まれたのが“ケタ”です。
——ということは、“ケタ”がラリー、行き交う、という意味ですね？
うかり そうです。ケタケタケタケタケタケタ……いつ終わるねんっていう。
水分 ケタッてる2人の、おふざけです。実は、“ケタ”は皆さんの心の中にあるんです。それを、どのくらい出すか。私たちは全面に押し出している。
うかり 私たちは押し出しすぎている。
——私たちは12月13日、ヤメピの“ケタ”を知ることになるんですね。
うかり はい。漫才4分じゃないです。“ケタ4分”です。
『THE W 2025』公式サイト：https://www.ntv.co.jp/thew/
