上方落語の定席である大阪の天満天神繁昌亭が、9月15日(火)に開場20周年を迎えます。これを記念して、9月15日(火)~23日(水・祝)の期間、特別公演を開催することが決定しました。8月10日(月)には、その繁昌亭で記者会見が行われ、上方落語協会会長の笑福亭仁智、同協会最高顧問で特別公演の総合プロデューサーを務める桂文枝、さらに女流落語家の露の都、司会の桂慶枝が登壇し、20周年の催しやこれまでの繁昌亭の歩みについて語りました。

特別公演は毎日たっぷり寄席を楽しめる
天満天神繫昌亭、開場20周年のテーマは「絆」です。地元の天神橋筋商店街や大阪天満宮、そしてお客さんとのつながりをさらに深めるために、9月14日(月)には「開場20周年記念お練り」が行われます。
「大阪くらしの今昔館」の入る住まい情報センターの1階ロトンダで出発式を行い、文枝、桂春団治、桂福團治が人力車に乗り、仁智、桂米團治ら上方落語協会員約40人が天神橋筋商店街を練り歩いて繁昌亭を目指します。
「お練り」は繁昌亭の開場時と10周年の際にも行われました。仁智は「商店街の皆さん、お客さんにご挨拶しながら、繁昌亭まで入ってくるかたちにさせていただきます」と説明しました。

お練り当日には、20周年を機に新しくなった緞帳もお披露目。翌15日(火)は繁昌亭前で20周年記念セレモニーを行い、鏡開きや振る舞い酒で節目を祝います。
特別公演期間中は、各日13:30に開演し、2回の休憩を挟んで18:10ごろまで、約4時間40分にわたって寄席が行われる予定です。司会の慶枝は、「たっぷりといろんな噺家の芸を楽しんでいただける」と説明。自分のペースで1日ゆっくり寄席を楽しんでもらうことも、今回の狙いのひとつです。

毎日のプログラムは、1回目の中トリを中堅からベテラン、2回目の中トリをこれからが期待される中堅・若手が務め、最後はベテランがトリを務める構成に。大トリには、文枝を皮切りに、桂南光、桂文珍、桂米團治、月亭八方、桂春団治、仁智、笑福亭福笑、桂福團治が登場します。
1回目の休憩後には、繁昌亭開場後に亡くなった師匠・先輩・仲間への思いを、松旭斎天蝶の手品に託す趣向も盛り込まれます。また、繁昌亭の正月公演で好評だった「懐かしのモノマネ漫才」も復活。落語だけでなく、さまざまな趣向を盛り込んで20周年を盛り上げます。
文枝「開場当時の活気を取り戻したい」
プロデューサーの文枝が今回の特別公演で目指すのは、開場当時のにぎわいです。文枝は次のように説明しました。
「いま伝統芸能は大変な時代を迎えていますが、文楽や歌舞伎など、それぞれが新しいことにチャレンジして成功しております。繁昌亭は開場から20年が経って、お客さんが少なくなってきているので、あの当時の活気を取り戻したいと思います」

文枝とともに今回の編成に携わった露の都も、「皆さんに楽しんでいただけるような番組(プログラム)にできたかなと思います」と自信をのぞかせました。
20年前に繁昌亭ができるまで、上方の噺家には「ホームグラウンド」がなかったと振り返る仁智。いまではさまざまな一門、世代の噺家が繁昌亭に出演していると話します。
「寄席形式で非常に勉強になった20年だと思います。前と違いまして、若手、ベテランや中堅が非常に育っていますね。成長しています。びっくりするぐらい中堅が充実してきています」
都は「女性の噺家がとても増えました。繁昌亭ができたときは、私と桂あやめさんと桂三扇さんぐらいだった気がします」と振り返りました。文枝が上方落語協会の会長を務めていた時代には、文枝の発案で都が部長を務める「女性部」が誕生。都は「おかげさまでそれ以来、毎年、お雛祭りは女性部の興行が続いています」と語りました。

現在、上方落語協会には約270人の噺家が在籍しています。人数が増えたことで、繁昌亭への出演機会が以前より少なくなっているとか。仁智は次のように話しました。
「いまは1年に1回ちょっと、なかには2年に3回というような方もいらっしゃいます。それではやっぱりいかんので、経験を積むにはお客さんの前でやるのがいちばん大事ですから、そういう機会を増やしたいと思います」

文枝は、次の20年に向けてこう期待を寄せました。
「いま、もっともっと大きな会場でやりたいとか、繁昌亭でトリを務めたいとか、そういう強い気持ちがあんまりないように思います。それは繁昌亭を作ったことによって、安心しているところはあったんじゃないかな。
これからの20年は、どうすればお客さんに喜んでいただけるか、楽しんでいただけるか、そういうことを考えて、切磋琢磨して、たくさんの人気者が出てほしいと思います。みんながお客さんに来ていただけるような芸をやらないとだめですし、特に若い人には本当に頑張ってほしいなと思います」
「天満天神繁昌亭 開場二十周年記念特別公演」公式ページ:https://www.hanjotei.jp/kawaraban/62559/
