かまいたちが念願の上方漫才大賞! 山内「チャン・ドンゴン・ゲン」でブレークしなくてよかった…

上方漫才界で最も長い歴史を持つ『第56回上方漫才大賞』発表会が、4月10日(土)に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールで開かれ、大賞にかまいたち(山内健司、濱家隆一)、奨励賞にプラス・マイナス(兼光タカシ、岩橋良昌)、新人賞にネイビーズアフロ(みながわ、はじり)が選ばれました。これまで、やすし・きよしやオール阪神・巨人、ダウンタウンら錚々たる顔ぶれが輩出した伝統ある賞に、かまいたち・濱家は「大賞は、まだまだ先だと思っていた。もっと精進する」と喜びをかみしめました。

出典: FANY マガジン
出典: ©関西テレビ

小籔「最初に見た時からずっと面白い」

「新人賞」には、からし蓮根、コウテイ、ネイビーズアフロ、風穴あけるズ、カベポスター、ラニーノーズ、エンペラーの7組がノミネート。司会の大平サブローが、「審査員の先生方は胃が痛いのでは?」と言うほどの激戦となるなか、“モテる男”のデートをテーマにテンポのいいネタで笑わせたネイビーズアフロが頂点に輝きました。名前を呼ばれた瞬間、みながわは「よっしゃー!」と叫んで思わずジャンプ、喜びを爆発させました。

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一方、見取り図、ミキ、衹園、プラス・マイナス、アインシュタインの5組がしのぎを削った「奨励賞」では、兼光のモノマネと岩橋のハイテンションなツッコミが炸裂するパワフルな漫才でプラス・マイナスが勝利。岩橋は新人賞から9年を経た受賞に、「クセに耐えてよく頑張った! 感動した!」と自画自賛です。

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事前選考で選ばれた「大賞」のかまいたちは、受賞を知らされた瞬間のサプライズVTRに続いて舞台に登場。“電車で居眠りする客を注意する”というネタで爆笑を巻き起こした後は、賞状と盾、賞金200万円を受け取り、満面の笑顔です。

お祝いに駆けつけた吉本新喜劇・小籔千豊からは、「最初に見た時からずっと面白い。おもんないと思ったことは一度もない。僕だけじゃなく同業者はみんなそう思っている」と称賛の言葉を贈られました。

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濱家「関西での14年が支えてくれた」

イベント終了後、濱家は「2年前に奨励賞をいただいて、大賞はまだまだ先なんだろうなと思っていた。これからやっていく漫才をちゃんと意識して、もっと精進していかないと」と決意を新たに。山内も「(選考会で)選んでいただいて受賞するっていうのが、すごいうれしい。認めていただいたな、という感じ」と喜びを語ります。

奨励賞を受賞した2年前に上京し、現在は東京で大活躍している2人ですが、「関西でやってた14年が支えてくれた2年」と濱家。山内によると、この日の舞台で披露したネタは、2008年に新人賞を受賞したときのネタにアレンジを加えたものだとか。「最初のときと同じ漫才っていうのを噛みしめながらやっていた」と言います。

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これまでの歩みを振り返りながら、山内は大阪時代に持ちネタにしていた中国人キャラ“チャン・ドンゴン・ゲン”に触れ、「キャラブームに乗って一瞬、バーンっていきそうな気配があったけど、いま思うとホントにいかなくてよかった。あのまんまキャラ専門の芸人になっていた可能性もあるんで……」と分析。濱家は、「最近、仕事をいただけるようになって、それまでの時間が長かったと言っていただくが、そういう経験を経ていなければ、上方漫才大賞にたどりつけていないと思う」と話しました。

今後について濱家は、「単独ライブで新ネタをちゃんと披露して、劇場、寄席でやる漫才をアップデートしていくのが、いちばんの目標。毎年、いつ見に行ってもいろんな漫才してるなって思ってもらえる漫才師になりたい」とコメント。

山内は「大賞をひっさげて単独ライブをやったら、(チケットが)即完するかもしれない」と期待をふくらませ、濱家から「調子乗んなよ!」とツッコまれていました。

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岩橋「クセがどこかへ飛んで漫才に集中できた」

「関西に住んでいないけど、上方漫才を東京の劇場でメチャクチャ広めている」(岩橋)と、“上方漫才師”としての自負を語った奨励賞のプラス・マイナス。芸歴18年目で『M-1グランプリ』をはじめ、ほとんどの賞レースで出場資格を失うなか、「出られる賞レースはこれが最後」、「1発で仕留めたい」と覚悟を決めて臨んだと言います。

岩橋は「ネタもすぐ決まり、そこから劇場でかけて(磨いて)調整して、今日、思い切りやってこういう結果につながった」と振り返り、「今後は日々の劇場で目の前のお客さんを笑かして、大賞のお声がかかるのを待ちたい」と新たな目標も掲げました。兼光も「ずっと関西で育ってきて、いちばん獲りたい賞やった。新人賞も獲って、奨励賞も獲って、大賞と、コンプリートしたい」と燃えています。

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気持ちが高まると、やってはいけないことをやりたくなる“クセ”のある岩橋ですが、この日は(ネタ順が)一つ前の衹園の漫才中に「パーンとすっきりしてクセがどっかに飛んだ」そうで、漫才に集中できたとのこと。兼光も「(ネタを)やり終わった瞬間、“いったんちゃうか!”っていう感じが持てた」と話すなど、手応えは十分だったようです。

また、昨年10月に母を亡くした兼光は、受賞の瞬間、「おかん、やったで!」と天国へメッセージを送ったと言います。「ことあるごとに『仕事あるか』、『ごはん食べれてるんか』と心配していた。奨励賞が獲れて、天国で安心材料の一つになったかな」としみじみ語りました。

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みながわの「優勝報告」ツイートがさらに続く!?

新人賞のネイビーズアフロは、5年連続でノミネートされ、ようやく受賞できたことにホッとした様子。はじりは「今後、関西で漫才をやっていくうえで、絶対に獲りたいなと思っていたので本当によかった」とニッコリ。一方、みながわは「メチャクチャうれしかったですけど、受賞の瞬間、高度を間違えて飛びすぎてしまって申し訳なかった」と喜びつつ、笑いを誘います。

この日は会場に入るまでネタを決めていなくて、さらに急きょ、新たにボケを足したそうですが、「そこが結構いい感じにハマった」とみながわ。「賞レースの漫才中に、ナチュラルに笑ってしまったのは初めて。すごいリラックスしてできてたんやなと思います」と明かしました。

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また、みながわは昨年10月の『NHK上方漫才コンテスト』で優勝してからこの日まで、162日連続で自身のTwitterに“優勝報告”をツイートし続けていて、今回の受賞で「もう一つ増える形になると思います」とのこと。「明日のTwitterにぜひ期待していただければ。半年と言わず、Twitterが終わるまで続けます」と宣言していました。

『NHK上方漫才コンテスト』優勝に続いて、今回の『上方漫才大賞』新人賞と、歴史ある2つの賞を獲得した2人の次なる目標はもちろん『M-1グランプリ』。そのためにも、「ペースを変えずに漫才にいそしみたい」(みながわ)と背筋を伸ばす2人でした。

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