間寛平GM（ゼネラルマネージャー）のもと、若手座員から未来のスターを育てるための新たな公演『吉本新喜劇セカンドシアター』が、4月8日（金）にいよいよスタートしました！ 会場は、大阪・なんばグランド花月の地下にあるYES THEATER。隔週金・土・日曜をベースに、フレッシュなメンバーが中心となって、さまざまなイベントを行っていきます。
初日となった4月8日（金）は、信濃岳夫と諸見里大介がメインを張り、これまであまり出番に恵まれなかった若手座員が多数出演する「セカンドシアター新喜劇」を上演。この日は、寛平GMとすっちーがゲストとして脇を固め、ハイテンションな爆笑ステージが繰り広げられました。
若手座員たちが持ち味を発揮
開演前と幕前には寛平GM、座長のすっちー、酒井藍が登場して観客に挨拶しました。寛平GMが満員の客席に向かって、「お客さんあっての芸人。若手を育てるのはお客さんです。育ててやってください！」と呼びかけると、すっちーと酒井も「たくさんの方に来ていただいて……」と感謝するとみせかけて、「なーんも思ってません！」とさっそくのボケ。会場の空気をしっかり温めました。
この日の新喜劇の物語の舞台は「町のうどん屋」。店主の信濃のもとに、ドキュメンタリー番組の取材依頼が舞い込んだところから、ディレクターの諸見里が登場して騒動が巻き起こります。
冒頭、アルバイト役の森田まりこが体を張ったギャグで笑いを取れば、信濃も新喜劇名物、おかもちでドツきまくるボケを披露し、舞台上は早くもヒートアップ。諸見里は小道具のスマートフォンの画面が割れんばかりの熱演を見せました。
町会長役の寛平GMは、杖を振り回して舞台狭しと駆け回ったかと思えば、諸見里との絡みでは力いっぱい振り回されてフラフラに！？ 諸見里の“滑舌悪いネタ“には「ホンマはしゃべれるんやろ？」と畳み掛けます。これに諸見里が「なにが（若手座員を）“育てる”や！ つぶそうとしてるやないか！」とキレるやりとりで爆笑をさらいました。
すっちーは、入団4年目で22歳の住吉大和とコンビを組んでチンピラ役を演じます。特技のヌンチャクやアリスの歌マネを繰り出す住吉に、すっちーがツッコミを入れてイジり、さらに笑いを引き出しました。ほかにも、プロデューサー役の佐藤太一郎や、信濃の娘役を務めた鮫島幸恵らが、イキのいい演技とボケを披露。脇の若手座員たちも、それぞれの持ち味を発揮しようと全力投球しました。
寛平、すっちー、酒井藍も大満足！！
エンディングで諸見里は、「ふだん通りではいけないと思い、若手メンバーの子たちに出てもらったんですが、すごく稽古も頑張って、本番ではもっとみんな頑張ってくれました」と感謝の言葉。
続けて舞台上に登場した寛平GMに絡みのシーンで「やりすぎた」と反省しますが、寛平GM本人は「それぐらいパワーあるほうがいい」とニッコリ。客席に向かって「みなさん、どうでした？」と聞くと、大きな拍手が起こりました。
また、すっちーが「ホント、みなさんのびのびしてて、信濃がいちばんガチガチやった」と振り返ると、酒井も「本当に皆さんのパワーがすごくて、お客様のパワーがすごくて、おもしろいだけじゃなく『明日がんばろう！』って活力になるような新喜劇でした！」と感激していました。
さらに、この場で横地眞平が、いきなり改名を発表！ 岩手県でピーマン農家をやりながら新喜劇で活動していることを寛平GMに伝えたところ、「じゃあ、今日からお前は“よこっちピーマン”や」と言われたそうです。
「次は僕たちがやらなアカン」
終演後の囲み会見には、この日の出演者が全員集合。寛平GMが感無量な様子でこう語ります。
「みんな大丈夫かなと、ものすごく心配しました。でも終わってみたら、思ってた以上にみんなが頑張ってくれて……なんか、めちゃめちゃうれしいです。涙が出るぐらい……出てないけど」
すっちーも、「すごい若手で、何をするかわからん子とやるのは楽しいですね。セカンドシアターでは、完成度の高いものを目指すというより、失敗してもいいから自分が持っているものを出していってほしい」と若手にエールを送りました。
一方、この日、メインを務めた信濃は「いつもは先輩方の力をお借りしてやらせていただいてましたが、今回は自分たちがいちばん上。うまくやるより、いかに熱量を発揮できるかを意識して取り組みました」と振り返ったうえで、「若手のころ、すっちーさんや、いまの座長さんたちに引っぱり上げてもらったので、次は僕たちがそれをやらなアカン」と意気込みます。
同じくメインだった諸見里も、「ふだんだったら『この子、この役できるかな』っていうのもあるが、やって失敗しないと上達しないし、やらないといつまで経ってもできないまま。これをきっかけに、よしもと衹園花月やなんばグランド花月に出られるように成長していってくれたら」と若手の成長に期待を込めました。
また、「今日、いちばん爪痕を残せたのは？」との質問に、寛平GMが名前を挙げたのは森田まりこ。「いつも松浦（真也）くんとギターでやってる（マリコンヌの）ネタを外して、ちゃんと芝居やってみ、と。今日のようにちゃんとできるし、こんなキャラで50分ずっと舞台に出てできるように育っていってほしい」と高評価でした。
もっとも、ほかの座員も大奮闘を見せたため、MVPを1人だけ選ぶとなると難しい様子。考えた末に寛平GMは、「みんなすごい頑張ったから……じゃあ、ピーマンにしときましょか」と指名し、よこっちピーマンは「めっちゃおこぼれがきた！」と大喜びしていました。
