舞台挨拶で監督にダメ出し!? 沖縄が生んだ伝説のロックバンドの人間味溢れる魅力に迫るドキュメンタリー 『紫』 沖縄国際映画祭

4月16日(土)、17日(日)の2日間にわたって開催された「島ぜんぶでお~きな祭 第14回沖縄国際映画祭」。17日(日)、那覇市の桜坂劇場ホールAで、伝説のロックバンド「紫」の現在に迫るドキュメンタリー『紫』のワールドプレミア上映&舞台挨拶が開催され、舞台挨拶にはジョージ紫ら「紫」のメンバーと野田孝則監督、二井原実(LOUDNESS)が登壇しました。

1970年、本土復帰前の沖縄でジョージ紫らによって結成された「紫」が日本ロック界に残した足跡を辿り、50年以上経った今も現役でステージに立つ姿を追った同作品。メンバーの活動だけでなく、LOUDNESS、影山ヒロノブ、聖飢魔ⅡやBEGINなど紫に影響を受けた人々のインタビューから、紫が日本ロック界に与えた衝撃や大きな影響力を伝えます。

上映後に行われた舞台挨拶では最初に野田孝則監督と紫のメンバーのジョージ紫、宮永英一、Chrisが登壇。沖縄のみならず日本ロック界のレジェンドの登場に客席からは大きな拍手が沸き起こります。

出典: FANY マガジン
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劇場で初上映された作品を見た野田監督は、編集の時見ていた画面とスクリーンの大きさで見た時の印象にギャップを感じたようで「ああすりゃよかった、こうすりゃよかったばっかりなんですよ。(公開までに)もうちょっと改良しようかな」と、作品のブラッシュアップを宣言。それを聞いたジョージ紫が自分の演奏シーンをちゃんと聞かせてほしいと注文し、その場のダメ出しにタジタジとなる野田監督に会場は笑いで盛り上がります。

方言の挨拶で場を盛り上げた宮永は「あのシーンで、なんでこういうこと言えなかったのかなと、反省点が多いですね」と苦笑いしながらも楽しそうに語ります。ドキュメンタリーをよく見るというChrisは「自分が被写体になるっていうのがこそばゆくて、自分がスクリーンに映るのが不思議な感じでした」と感想を語りました。

作中で演奏シーンだけでなく、ジョージ紫の母校や宮永が育った町を巡る場面を取り入れたことについて、ロックミュージシャンのドキュメンタリーにありがちなカッコいいだけの作品にしたくなかった、と野田監督。「カッコいいのは演奏をみたらわかるので、(紫の)人間的な部分を表現したいなと思って、自分たちが生まれ育った町を案内してもらった方がより人間臭さが出るんじゃないかと思いました」と話す表情は、狙い通りという自信をのぞかせていました。

LOUDNESS・二井原「紫があったからこそ、僕もここに立っている」

舞台挨拶後半は登壇者が入れ替わり、紫のボーカルのJJ、ヘヴィメタルバンド「LOUDNESS」のボーカル、二井原実がステージに登場。ジョージ紫と二井原という、伝説級の人物の共演に、会場に集まったロックファンは大盛り上がりでした。

二井原は紫の結成から50年以上経つことに触れ「紫があったからこそ、僕もここに立って話をしていると思うと感慨深い。今日は呼んでいただいてありがとうございます」と感謝。最初は紫に興味がなかったというJJは、名曲「MOTHER NATURE’S PLIGHT」を聞いて“やりたい”と気持ちが動いたと加入当時を振り返り、「ジョージ、チャンスを作ってくれてありがとうございます。初めて言うけどThank you very much!」とジョージ紫に感謝の言葉を送りました。

舞台挨拶の最後にChrisが映画の公開に間に合うように頑張ってアルバムをリリースする計画を発表。「うまくいけば、来年はメンバーで全国を周りたいなと考えているので、応援もそうですが、先輩方(紫のメンバー)が元気なのを祈っていてください」と笑いを添えて挨拶。ジョージ紫は映画の製作陣、メンバー、家族ら支えてくれた全ての人に感謝を表し、挨拶を締めくくりました。

「いつかやってみたいと思っていた」

舞台挨拶後、野田監督、ジョージ紫、宮永がインタビューに応じ、同作品に込めた思いを語りました。

出典: FANY マガジン
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ジョージ紫は、これまでも多くのロックバンドのドキュメンタリー映画を見ていて、いつかやってみたいと思っていたと話し、今回の映画の話が舞い込んできて「すごい、これはやるしかない」と快諾したといいます。

野田監督はジョージ紫の子供っぽいところが魅力だと話し、「最初はとにかく怖い人ってイメージあって、話なんて聞かせてもらえるのかと心配しましたけど、この作品ですごく気さくで素敵な人だとわかったと思います」と、ジョージ紫の人間味を収められたと手応えを感じているようでした。

宮永はドキュメンタリーを通して沖縄の歴史をちゃんと伝えたいと話し、「ロックが裏街道なら、表の人たちはわからないディープな部分を生きているうちに伝えたい」と作品に取り組む意味を語りました。ジョージ紫は「琉球古典音楽などを守ることは大事で、行政もサポートはするけど、沖縄のロックも60年、70年続いているので、沖縄のひとつの文化としてスポットライトが当たってもいいと思っている」と、本作品がその裾野を広げるきっかけになることを願っていました。

結成から50年以上、変わらないロックスピリッツを持ち続ける紫。栄光の歴史ではなく、チャレンジし“未来”を見続けることが、70歳を過ぎても現役で活躍する彼らのバイタリティーの源になっているようです。

島ぜんぶでお~きな祭 第14回沖縄国際映画祭は2022年4月16日(土)、17日(日)の2日間、開催されました。

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