仙台に恩返し! 1300年で2人目の“荒行達成”塩沼亮潤大阿闍梨がバクコメとイベント開催のワケ

どうも、芸人ライターの天狗の横山裕之です。皆さんは塩沼亮潤さんをご存じでしょうか? 仙台市にある慈眼寺の住職で、大峯千日回峰行、四無行、八千枚大護摩供を達成した「大阿闍梨」と呼ばれる偉大な方です。そんな偉大な“お坊さん”が、僕の同期の芸人である宮城県住みます芸人・バクコメ(半澤弘貴・秀作)の2人と一緒に『塩沼亮潤大阿闍梨 講演会』を、7月1日(金)に仙台市にある電力ホールで開催します! ということで、この異色の組み合わせでなにをやるのか、3人にじっくり聞いてきました。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

塩沼さんは、地元・仙台で有名なのは言わずもがな、2016年2月に放送された紀行バラエティ番組『クレイジージャーニー』(TBS)で、1300年の歴史で2人目という荒行「千日回峰行」と、断食・断水・不眠・不臥という「四無行」を成し遂げた僧侶として登場したのを見た人も多いかと思います。

じつは、そんな塩沼さんが宮城県でバクコメの2人と一緒に「塩沼亮潤とバクコメのぼちぼちがんばるDAY」(tbc東北放送)というラジオ番組をしているんです。今回は、そのラジオ終わりの3人にインタビューをさせていただきました。

LINEで駆使する「お坊さんスタンプ」

――まず、3人のラジオが始まったきっかけを教えてもらえますか?

塩沼 私のいる慈眼寺で定期的に講演をしていたときに、バクコメさんが司会をしてくれていたのですが、徐々に一緒に講演でお話をするようになったんです。私はお坊さんなので、堅い話はできるのですが、柔らかい話をバクコメさんと一緒にすることで、いままでにない楽しさや面白さがあって。これをぜひ番組にしたいと思って、東北放送さんにお願いをしました。

――そうだったんですね! ラジオ番組はどのくらい続いているんですか?

塩沼 13年くらいですかね。

秀作 違うわ!(笑)。去年の11月くらいからなので半年ほどですよ。

――まんまと騙されましたよ(笑)。バクコメからみた、塩沼さんの第一印象はどうでしたか?

半澤 「クレイジージャーニーに出てた人だ!」って思いましたね。家族も塩沼さんの大ファンでしたから、講演会の司会をできるだけで自慢でした。

――半澤さんの家族も大ファンなんですね。

半澤 そうなんですよ。でも以前、塩沼さんを好きすぎて困ったことがありまして。

――どういうことですか?

半澤 じつは僕のお父さんが入院したときに、鼻から管を入れて栄養を取らないといけなくなったんです。でも、お父さんはそれを「断る!」と言い出しまして。「どうして?」と聞くと、「私の大好きな塩沼さんは、飲まず食わずで修行をしたことがある人なんだ。だから私も飲まず食わずでいかせてくれ」と言い出したんです。

――すごいお父さんですね(笑)。

半澤 でも結局、「それとこれとはワケが違う!」とめちゃくちゃ先生に怒られてましたね(笑)。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

――面白いお父さんですね。秀作さんはどうですか?

秀作 塩沼さんがおひとりでやられているラジオ番組をむかしから拝聴していて、真面目な方だと思っていたのですが、意外とフレンドリーな方だというのがびっくりしましたね。ありがたいことに「LINE、交換しようよ」と言い出したのは、塩沼さんからでした(笑)。

――プライベートでもいい関係なんですね。

秀作 むちゃくちゃ絵文字を送ってくれますし、スタンプもきますよ(笑)。

――ちなみに塩沼さんのおすすめスタンプは何ですか?

塩沼 やっぱり、お坊さんスタンプですかね。あとは一休さんスタンプとか(笑)。

――お坊さんが使うと、よりスタンプの“重み”を感じますね(笑)。

出演料を子どもフードバンクに寄付

――ふだんのラジオは、どういった内容なんですか?

塩沼 心がほっこりするような楽しいお話とか、「私、仕事頑張ってます!」というリスナーさんからのメールを中心に番組を構成していますね。

――「お悩み相談」とかではないんですね。

塩沼 そうなんです。あとは、いまは困難な時代ですから、地域のみなさんがこういうところに困っている、助けてほしい、というメッセージを慈善団体さんからいただいたりするので、実際にそこに寄付をしたりしています。

半澤 一度、塩沼さんがいままでの出演料をフードバンク仙台さんに寄付するということで、そこに一緒に参加させてもらったことがあるんです。そのときから、自分たちがいままで考えてこなかったこととか、見てこなかった世界に対して、ちゃんと目を向けて考えるようになりましたね。まぁ、遅いんですが。でも番組を通して、そして塩沼さんの生き様を見て、僕たちも勉強させていただいてますね。

――貴重な体験ですね。塩沼さんからたくさん勉強させてもらっているんですね。

塩沼 でも、彼らは1円も寄付してないですけどね。

――えー!? そうなんですか!

秀作 まぁ、生活がありますからね(笑)。

塩沼 私が寄付しているのに、バクコメのおふたりは「われわれが寄付しに来ました!」と大きな顔しますからね(笑)。

――むかしから、そういうところありますからね。

半澤 おい! やめろよ(笑)。

秀作 でもね、塩沼さんといるだけでいい事がありすぎて。だって一緒に仕事しているっていうだけで、まわりに褒められる、褒められる(笑)。

――塩沼さんの効果、すごいですね!

塩沼 私は逆にドンドン評価が下がっていきますね。

バクコメ ちょっと!!

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

――息ぴったり! もう台本があるみたいなやり取りですね(笑)。

秀作 まぁ、冗談はいろいろおっしゃるんですが、塩沼さんは言ったことを必ず守る方なんですよ。

――どういうことですか?

秀作 じつは去年から「秀作カレー」というのを作って、仙台でお店を出して販売しているんですけど。

――むかしからカレー作り得意でしたもんね。

秀作 それで番組中に塩沼さんが「美味しそうだね。食べに行くよ!」と言ってくれたんです。でも、それが社交辞令じゃなくて、お忙しい方なのにラジオ直後にスケジュールを空けて店に来てくれたんです。その次の週にラジオで「秀作カレーが美味しかった!」と言ってくれて。リップサービスじゃなくて、実際に行動してくれるというのがビックリでした。必ず約束を守る人なんだなぁ、と感動しましたよ。

半澤 塩沼さんはフットワークが軽いですからね。ボクシングの井上尚弥選手より軽いんじゃないですかね。

――えげつない軽さですね(笑)。

地元・仙台に「感謝」の気持ちを

――7月1日(金)のイベントの内容は、もう決まっているんですか?

塩沼 まだ、はっきりと決まってはいないのですが。でも、私は仙台産まれで仙台に育ててもらったので、この仙台に恩返しをしないといけないなぁと思っていまして。そして、バクコメのおふたりは宮城県住みます芸人として、宮城の人たちが元気になるような活動をされているじゃないですか。だから、われわれの仙台に対しての「ありがとう」という感謝の気持ちだけを胸いっぱいに詰め込んで、とにかく自分の笑顔と話でその感謝を伝えたいですね。

――素敵な思いですね。

塩沼 決して上手にやろうとかは思ってないです。感謝の気持ちをストレートに表現していきたいです。われわれ3人の合言葉は「感謝」なので、その気持ちを伝えていきたいです。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

――では、最後に意気込みを聞かせて下さい!

半澤 まず、塩沼さんにはこんな貴重な機会をいただいたことに感謝です。電力ホールという大きな会場で、塩沼さんと一緒に共演さしてもらうなんて。そして、バクコメとして漫才までさせてもらえるということがとても嬉しいです。うちの母ちゃんも見に来てくれるということで、頑張りたいと思います!

秀作 先ほど塩沼さんが「感謝の気持ち持って上手くやろうとは思わない」とおっしゃってたので、僕も漫才は上手くやろうとは思ってません。

――そこは上手くやってよ! 芸歴19年目なんだから(笑)。

秀作 そうですよね(笑)。でも地元の芸人らしく、地域のみなさんに喜んでもらえるような漫才を作って披露したいと思っていますので楽しみにしていただきたいです!

塩沼 こういう時代ですから、みんなが「自分でできる範囲」で「自分ができること」を「行動に移していく」ということが形になればと思います。むかし修行していたときに、夏に干からびて乾燥しかけたミミズや虫を、土にかえしてあげていたんです。何千匹と土にかえしたと思うんですが、無意識にそれをやっていました。修行が終わって何年かして、改めてそのことを思い出しまして。そこで「ミミズプロジェクト」というのを始めたんです。

――どういったプロジェクトなんですか?

塩沼 「助ける」という行動は、考えると難しくなっちゃうので、自分が目についたとか、ご縁があってとか、そういったところから自分ができることを行動に移していこうというプロジェクトです。簡単にいうと、見えないところで目立たなくても、誰かのために尽くしていこうということですね。7月1日は、そういうきっかけとなる講演会にしたいと思っています。

――僕も、そうなることを願います。

塩沼 ちなみに、今回の講演会の私の出演料は全額寄付させていただきます。

――さすが塩沼さんです!

塩沼 でも、バクコメは猛反対して「僕たちは、出演料をしっかりもらいます」とのことでした(笑)。

秀作 それは、しっかりいただきますね(笑)。

イベント概要

『塩沼亮潤大阿闍梨 講演会』
日時:7月1日(金) 開場18:15 開演19:00
場所:電力ホール(仙台市)
出演:塩沼亮潤大阿闍梨 バクコメ
ゲスト:ミッチー・チェン(山形タレント)
チケット:前売3,500円(税込)

FANYチケットはこちらから。