ファンと座員が一緒になって新喜劇を上演! 4歳の“女剣士”の熱演に川畑泰史、酒井藍もメロメロ

吉本新喜劇の舞台を、座員とファンが一緒になって作り上げる――そんな“夢”のイベント『みんなで作ろう新喜劇』が、8月13日(土)に大阪・YES THEATERで開催されました。参加したのは、吉本新喜劇公式ファンクラブ「すんの会!」の会員と一般応募の計60人。「出演者コース」「スタッフコース」にわかれて、座員たちとともにひとつの舞台を作り上げました。今回は、その公演の模様をレポートします!

出典: FANY マガジン
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これまで子ども限定のファンクラブだった「すんの会!」は、今年4月、「大人でも入会できるようにしてほしい」「子どもや孫と一緒に楽しみたい」といったリクエストの声に応えて、年齢制限なく誰もが入会できるようになりました。それを記念して企画されたのが。今回のイベントです。

ファンクラブ会員だけでなく一般応募の人たちも対象に「出演者コース」「スタッフコース」の参加希望者を募集し、事前オーディションを実施。応募総数約120人から、下は4歳から上は50代までの60人を選出しました。

参加者はA、Bの2チームに分かれて公演します。「出演者コース」のメンバーは座員らと稽古を重ね、「スタッフコース」の参加者は舞台監督や小道具制作、衣装の準備、舞台進行、音響、照明などを担当します。Aチームには川畑泰史、酒井藍らが、Bチームには川畑泰史、すっちーらが加わりました。今回は、Aチームの公演に密着しました!

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前説から参加者と座員がタッグ

本番前の参加者によるリハーサルでは、効果音出しや照明、立ち位置、動き、小道具などをプロのスタッフとともに確認していきます。「はける時は後ろ側を通って」「きっかけの音が早い」「もっと前に出てセリフを言って」といった指示に真剣に耳を傾けながら、参加者たちは最終確認に余念がありません。

途中からは、事前稽古ができなかった酒井藍が飛び入り参加するひと幕も。参加者はまだまだ声が小さかったり、照れも見え隠れしていて、本番でどんな変貌ぶりを見せてくれるのか楽しみなリハーサルになりました。

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開演前の前説は、本編にも出演する畑中桔之介くん、中本彩葉ちゃんが担当。森田まりこ、清水啓之とともに会場の空気を温めます。

物語の中心となるのは、川畑演じる店主が切り盛りするラーメン屋台。そこに隣の喫茶店店主親子や地元で活動する劇団員、女子高生、チンピラまでさまざまなキャラクターがやってきてドタバタ劇を繰り広げます。

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「みんな、すごい頑張りでした」

いよいよ本番! 冒頭で屋台を訪れる親子連れを清水啓之とともに演じたのは、新山詩子ちゃんと野村紀季ちゃん。2人は、おなじみの川畑イジりで笑わせる一方、カスタネットや立ちブリッジといった特技を披露します。チンピラのアニキ役として出演した安藤也くんも、吉田裕、松浦真也との歌ネタで笑わせたかと思いきや、突然、キレキレのブレイクダンスを踊って見せ、観客の度肝を抜きました。

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ヒロインである劇団員に扮した中野水鈴さんは、セリフが多く泣かせる演技も求められる大役を見事に演じ切ります。喫茶店店主・烏川耕一の娘に扮した武内ひなたちゃんは、ほぼ出ずっぱり。烏川と息の合ったボケとツッコミを繰り出すなど、堂々たるコメディエンヌぶりで舞台を盛り上げました。

一方、芸能プロダクション社長・森田まりこの部下を演じた髙橋陽葵ちゃんは、森田の持ちネタ、ゴリラのモノマネを驚きの完成度でやってのけ、森田から「ナイスゴリラよ!」とお墨付きをもらうほど。ほかにも、劇団の新作舞台シーンで女剣士に扮した4歳の小林莉緒ちゃんをはじめ、参加者は個性派ばかり! 座員たちのリードに乗って、ボケてコケて大奮闘しました。

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もちろん、座員たちも負けてはいません。慣れない参加者をフォローしつつ、アドリブをまじえて笑いをどんどん生みます。酒井は、参加者が演じる看護師たちのボケに全力のノリツッコミで応戦。諸見里大介はなんと女子高生に扮し、同級生役の参加者たちと“滑舌ネタ”で爆笑をさらいました。

その後もヒロインの中野さんがチンピラから結婚を申し込まれたり、劇団スポンサーの会社社長・今別府直之が撤退を示唆したり、事件に次ぐ事件で大騒ぎ。突然、ヒロインが劇団をやめると言い出して……!? 感動と笑いが入り交じるクライマックスへ。エンディングにはまさかのオチも用意され、客席は大きな拍手に包まれました。

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カーテンコールでは、全員が舞台に並んで挨拶。川畑は「みんな、すごい頑張りでしたね」と参加者を労います。酒井は「ぜんぜん違うんですけど、(参加者)全員を産んだような気持ち」と感動を表現。また、4歳の莉緒ちゃんの舞台度胸には川畑も脱帽したようで、「コロナ禍でなければ、このあと2人で飲みに行きたい」と笑わせました。

最後は「スタッフコース」の参加者も舞台に上がって全員で記念撮影を行い、なごやかな雰囲気の中、イベントは幕となりました。

川畑はみんなのお父さん!?

公演終了後に酒井と吉田、「出演者コース」から中野さんと莉緒ちゃん、そして「スタッフコース」から衣装担当の津川義将くんが囲み取材に出席。まずは酒井が、この日の舞台をこう振り返りました。

「川畑座長がお父さんに見えました。みんなに川畑座長がいろいろ指導してくれてて、みんなも一生懸命やってて、私は楽しい以外なかったです。癒されました。私も頑張ろうと思いました」

出典: FANY マガジン
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吉田は共演した安藤くんが披露したブレイクダンスに驚きを隠せず、「なんか恥ずかしくなりました(笑)。こんな特技持ってたんやっていうね……」と笑いを誘いつつ、こう続けます。

「こういう素敵な出会いがあったり、裏方さんとしても頑張ってくれてるみんながいて、こんなに『やりたい』っていう人がいるということにも感動しました。本当に素敵な時間でした」

ヒロインを務めた高校2年生の中野さんは「めちゃくちゃ楽しかったです」と喜びを語ります。

「始まる前はマジで泣きそうなぐらい緊張してて、ヤバいかもしれないって思ってたんですけど、本番で間違えてもみんなが笑ってくれたりして、それはそれでよかったかなって」

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学校では演劇部に所属しているとうい中野さんですが、セリフを覚えるのには苦労したそうです。

「(セリフを)単体で覚えてたら、ごちゃごちゃになってしまって、どこで何を言ったらいいか全然わからなくなって……。でも、今日はやっている中でつかめていけたかなと思います」

衣装担当の小学4年生の津川くんは、「失敗して(衣装が)ほどけたりしたら心配だな」と思って緊張していたとか。医師役の酒井が着る白衣も、津川くんが袖を折り曲げてスタイリングしてくれたとのことで、熱心な仕事ぶりが伝わります。莉緒ちゃんは緊張して疲れたのか、吉田から「楽しかった?」「いい経験になった?」と聞かれて「ハイ」とひとことだけ回答。そのかわいらしいしぐさと声に、酒井と吉田がまたしてもメロメロになっていました。

出典: FANY マガジン
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