芸人の能力はビジネスに役立つのか!? 企業とタッグを組んだ『ビジネスマン芸人グランプリ』中間報告

どうも! 芸人ライターのヘッドライト・町田星児です。
お笑いのグランプリは、ふつうは芸人だけの戦いです。でも、芸人と企業がタッグを組んだ戦いもあります。それが『ビジネスマン芸人グランプリ』。芸人10組が、それぞれマッチングした企業を3カ月間サポートして、企業への貢献度などを競います。その戦いの中間報告会が開かれました。今回は、その様子をお伝えします!

出典: FANY マガジン
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お笑いの力で企業を盛り上げる!

『ビジネスマン芸人グランプリ』は、吉本興業と大阪のスタートアップ企業の若手経営者の会・秀吉会がタッグを組み、関西のビジネスシーンをお笑いの力で盛り上げることを目的に企画されました。芸人のサポート内容は、企業の活動のPRや、新製品や新事業の考案などさまざまです。

7月のマッチングイベントで芸人と企業の組み合わせが決まり、すでに活動はスタート。10月18日(火)に行われる『ビジネスマン芸人グランプリ ザ・ファイナル』で初代チャンピオンが決まります。

今回、開かれた『ビジネスマン芸人グランプリ中間報告座談会』は、10組の芸人と、それぞれの企業が参加して行われました。ビジネスの座談会なので堅い雰囲気になるのかと思いきや、ザ・プラン9の浅越ゴエさんの司会進行で終始、笑いが絶えない場に。イベントは、1組ずつ話を聞いていく形で進みました。

出典: FANY マガジン
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実話をコントにしてPR動画

ギャロップ(林健、毛利大亮)とタッグを組んだCARPRODUCEは、岡山県にある輸入車専門の中古車販売会社です。

「輸入車のことをわからないからこそ言える意見を言いたい」と林は言います。2人は企業に、SNSをもっと活用していくことを提案し、そこにアップする動画のアイデアを出しているとのこと。

同社の津田さんは、「ギャロップさんが会社に訪れたときの、まわりを取り込むトーク力に、スタッフ全員、劇場にいるのかと錯覚してしまった」と言います。どんな状況だったのでしょうか。かなりの好印象で受け入れられていますね。

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モンスターエンジン(西森洋一、大林健二)と組んだのはネットオン。中小企業向けのweb採用マーケティングをしている企業です。とにかくビジネスマン風の会議がしたかったという西森は、念願の会議ができて満足そうでした。

すでに採用サイト作成ツール「採用係長」のPR動画をたくさん撮っていて、Twitterなどにアップしているとのこと。動画では、採用活動で起きた実話をコントにしていて、実際に「集団面接当日に全員、音信不通になった」とか、「1回落としたのに、また面接に来た」などがあったとか。

動画は、モンスターエンジンの2人がメインで出演しているので、間違いなく面白い内容になっているでしょう。演技力が抜群の社員さんも出演しているそうで、そこにも注目です。

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タナからイケダ(田邊孟徳、池田周平)がサポートするSuper4は、フリーランスの看護師と利用者をつなぐ保険外看護サービスを展開する企業です。

タナからイケダの2人と澤田洋一社長は同年代で、一緒に食事に行くなどして距離を縮めているようです。その席で澤田社長が「タナイケさんはアイデアマン。なにを言ってくれてもいいんです。その点を線にするのは僕です!」と言っていたそうで、「それがカッコよくて、酒が進んだ」(池田)とのことです。

看護師さんを5人ぐらい呼んで生配信をしようと思ったら、当日に誰も来なかったというトラブルもあったようですが、社長とお酒を飲んで忘れてください! 「週5でいける」のがウリのタナからイケダなので、かなり親密な関係を築けそうですね。

出典: FANY マガジン
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社長とインドネシアに出張!?

女と男(ワダちゃん、市川)とマッチングしたのはFuntoco。主な事業内容は、外国人の人材紹介、特定技能ビザ取得、宿泊施設運営などです。

ワダちゃんによると、会社を訪問するときの市川は、ネタ合わせのときよりもイキイキしているのだとか。市川が会社の人に「この会社は年齢制限がないんですか?」と何度も確認していたそうで、「いつかここで働き始めるのでは」とワダちゃんは言います。

そのワダちゃんも、社長のインドネシア出張の同行を計画していたそうで、かなりいい関係を作っています。ちなみに2人は、会社まで自転車で行ってることがバレないようにしていたそうです。「派手な格好をしてるのに地味な自転車に乗ってるのが恥ずかしい」のだとか。

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ミサイルマン(岩部彰、西代洋)がサポートしたイクラは、不動産売却に特化した不動産テック企業です。西代はアイデアをたくさん出して、社員からの信頼を存分に得ている様子。イクラ株式会社のことを「弊社」と言い、すっかり社員になりきっています。

一方、岩部はまだ1回も会社を訪問せず。「あえて客観的に外から会社を見ている」のだそうです。工作や絵が得意な岩部は家で何かを作っていて、近いうちにそれを持って初出社する予定なんだとか。何を作っているのでしょうか、気になります!

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藤崎マーケット(田崎佑一、トキ)とマッチングしたのは、大学新卒を中心とした求人サイトの運営などを手掛けるi-plug。毎週、田崎がピンの仕事のときに、トキは会社に通っているそうです。そんなトキは「いつも服にシワがひとつもない」と社内で話題になっているとのこと。

トキは、藤崎マーケットのリズムネタ「ラララライ体操」とi-plugをコラボさせた「rai-plug」のロゴを考えたそうです。しかし、田崎から「ラララライはRじゃなくて、Lやねんけど……」と指摘が。はたして、ロゴは変更されるのでしょうか。

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大淀地区でお祭り計画

span!(水本健一、マコト)とタッグを組んだレスタスは、カレンダーやタオルなどの名前入りグッズや、カスタムオーダー製品の販売などをしている企業です。

マッチングのときに、水本が社長の人柄を見て「絶対にここや!」と決めたそうです。マコトも、飲み会で水本が帰ってからも社長と深夜まで飲んでいるのだとか。span!の2人と社長は同い年なので、仲良くなるのも早かったでしょうね。

地域貢献として、大阪市の大淀地区を盛り上げたいそうで、地元住民が楽しめるお祭りを計画しているとのこと。また、「レスタス」と「span!」を掛け合わせた「レスタスパン」という名のパンを作って配るという構想もあるそうで、ほかの組にはない活動に期待が持てます。

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ザ・プラン9のコヴァンサン&きょうくんは、mui Labと組んでいます。天然木のタッチパネルディスプレイ「muiボード」などを提供するテック企業です。

きょうくんは「僕ら以上に社員さんがガツガツしていない」と、自分たちの気質に合った企業とマッチングできたことに満足げでした。社員の弓削さんも「おふたりはmui Labの雰囲気と合っている」と、お互いに同じようなことを思っているようです。芸人と企業の雰囲気や空気感が合っているのは、ともに活動していくうえで、とても大事なことだと思います。

もっとも、司会のゴエさんから「いままでどういう力添えをしましたか?」と質問されると、コヴァンサンは「1回ツイートした」と。どんなことを1回だけツイートしたのかはわかりませんが、少なくとも社員たちとは仲良くなっているようなので、そこはよかったです。

出典: FANY マガジン
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オモテウラがなく、ウラもアホだった!

スマイル(瀬戸洋祐、ウーイェイよしたか)が組んだのはグッドニュース。主な事業内容は、専門職を志す学生向けの就職活動を支援するアプリ運営などです。

さっそく専門学校や企業を訪問してアプリのPR活動をしているというスマイルは、「瀬戸さんのコミュ力が半端ない」と社員たちからの評判がとてもいい様子。よしたかの印象を聞かれた社員の坂本さんは、「テレビではキャラを演じているのだと思っていたら、ウラオモテがなく、テレビで見たままだった」とのこと。

それに対して、瀬戸から「ウラもアホだった、ということですね」とツッコミが。ウラもオモテもないアホ……芸人としては素敵です。お笑いが好きな社員さんが多いようで、社内の輪にスムーズに入れたそうです。

出典: FANY マガジン
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ガクテンソク(よじょう、奥田修二)がサポートするストリートスマートは、企業や学校に向けてGoogleのツールの研修やコンサルティングなどをしている企業です。よじょうが初めて会議に参加したとき、知らない言葉がたくさん出てきて黙り込んでしまったとか。「よじょうがひと言しゃべるのに3会議必要だった」と奥田は言います。

2人はGoogleのツールの研修を何度も受けたそうで、「もともと知識がゼロだっただけに、いますごく頭にGoogleが入ってきている」(よじょう)と言います。まずは知識を入れて、そこからビジネスの提案ということになるんでしょうね。最終的に、よじょうが会議でどれだけのアイデアを出して発言するのかが気になります!

出典: FANY マガジン
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1日だけ“ほかの芸人”をヘッドハンティング!

それぞれの活動状況を聞いたところで、司会のゴエさんから参加企業に向けて重大発表がありました。1日だけ力を貸してもらいたい芸人を、ほかの9組のなかからヘッドハンティングできるそうです。

それを聞いて、「いまの芸人さんで充分」という企業もあれば、「ラララライ世代なので藤崎マーケットに会ってみたい」という企業もあって、反応はさまざまでした。この動向も気になります。

出典: FANY マガジン
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さて、グランプリの行方も気になりますが、僕が特に気になるのは、芸人のアイデアがどれだけビジネスに活かせられるのかという点。この10組は15年以上も芸人を続けて、結果を残してきた猛者ばかり。笑いを生み出すために鍛えられた頭脳は、ビジネスにどれだけ活用できるのか。芸人の発想力がビジネスで通用するのなら、僕も芸人を辞めてビジネスマンに転身できるのではないか!

……いや、参考にするためには、まずはお笑いで結果を出さなきゃいけないか。


中間報告イベントの模様は吉本興業の公式YouTubeチャンネルで公開されています。

吉本興業チャンネルはこちらから。
ビジネスマン芸人グランプリの公式Twitterはこちらから。

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