突然ですが、このたび「なにわパパの会」を発足しました! 大阪のパパ芸人たちを勝手に会員にして、吉本興業のオウンドメディア『FANYマガジン』でいろいろな企画をしていこうという、このプロジェクト。その第1弾は発足記念座談会と銘打って、さっそく4人のパパ芸人が集結。笑いと涙のパパ育児エピソードはもちろん、これからこの会でやってみたい企画など、たっぷり語ってもらいました。
この日、集まってもらったのは、4歳の娘のパパであるスマイル・ウーイェイよしたか、6カ月の娘を持つアキナ・秋山賢太、1歳3カ月の息子を持つ藤崎マーケット・田崎佑一、そして1歳6カ月の息子を持つツートライブ・周平魂。同じパパ同士、それぞれいつもとは違う一面を見せながら、座談会がスタートしました――。
「なにわパパの会」は先輩・後輩関係なし!
――今回は「なにわパパの会」発足第1弾の座談会です。よろしくお願いします。
藤崎マーケット・田崎 今年度は、芸人に子どもがめっちゃ生まれたんですよ。秋山さんところだけ女の子で、あとはみんな男の子。
ツートライブ・周平魂 うちの相方(ツートライブ・たかのり)も、青空(からし蓮根・杉本青空)も、洲崎(ラニーノーズ・洲崎貴郁)、木﨑(祇園・木﨑太郎)さんも全員男の子。
田崎 じゃあ娘2人、息子2人のこの4人はバランスええな。
――「なにわパパの会」発足と聞いて、なにを思いましたか?
アキナ・秋山 僕は、田崎ちゃんの顔が思い浮かびました。絶対メンバーにおるやろなって。独身の20代のころからパパって言われてたんですよ。子どもがいてそうとか。
周平魂 確かに。
スマイル・ウーイェイよしたか デビュー早々言われてた。
秋山 その田崎ちゃんが、ついにパパとして出ましたね。
田崎 いや~、うれしい。
周平魂 僕は、ここに呼んでもらってありがたい反面、このメンツのなかに周平魂が入っていいのかと。
田崎 そら、もちろんよ。
周平魂 息子は田崎さんのお子さんとほぼ同じくらいに、しかも同じ病院で生まれてるんです。
田崎 そうです! ちょっとだけ周平魂のほうが早くて。
周平魂 ちょっとだけ僕が先輩やらせてもらってますね。
秋山 イキがらんでええ(笑)。
田崎 子育てに関しては周平魂がちょっとだけ先輩やから、ちょっと前に起きたことをぜんぶアドバイスくれるんですよ。「こんなこと起きます」「あんなこと起きます」って。
秋山 わかる、子育てに(芸人としての)先輩・後輩関係ないもんね。
よしたか 「なにわパパの会」だけは敬語でしゃべらんでええ。
秋山 初めてのシステム(笑)。
よしたか 僕は、お子さんおる人とかとこういう話がなかなかしゃべれないから、めっちゃうれしかったです。夜中のインスタライブでラフ次元の梅村(賢太郎)君と3時間くらい、パパとか子どもの話をして。
周平魂 梅さんも2児の父ですもんね。
田崎 ここが、パパの話をぜんぶ出せる場になったら最高ですね。うちは昨年6月、コロナ禍のど真ん中の出産やったんで、立ち合いもできなくて。そのあともお出かけがなかなかできなくて、うちの奥さんはママ友がほぼゼロなんですよ。コミュニティがぜんぜん広がってないから。
秋山 さみしいな。
田崎 1回、(妻が)グーっと落ち込んでるときに、子育ての疲れとかたまってて、僕が家に帰ったらバーって泣いてることがあったんですよ。「私ひとりやし……」みたいになってて。だから、「なにわパパの会」ができるって知って、奥さん同士のコミュニティもぜひ構築したいなって思って。ひとりじゃないんだぞって、ぜひみんなで手を取り合って共有したい。パパの会の裏にママの会がありますね。
周平魂 確かに(妻が)グーって落ち込むときありますよね。田崎さんから教えてもらった絵本、奥さんにプレゼントしたら喜んでました。
田崎 むちゃくちゃいい本ね。『おかあさんはね』(マイクロマガジン社)っていう、 海外の絵本なんですけど、これ奥さんに渡してみてください。絶対泣きます。僕も周平も、泣いてんな?
周平魂 泣きました。
田崎 むっちゃいいですよ。僕も教えていただいて買ったんですけど、ほんまに「そうやねん!」「そうやねん!」ってなる。子育てをがんばってるママの言葉が、ぜんぶ詰まってる。これは超おすすめです。
娘に好きな人の順位を聞いたら…
――パパならではの悩みもあると思います。
よしたか 子どもに対して怒れない。で、僕が言うても言うこと聞いてくれないんですよ。僕、「ゴリちゃん」って呼ばれてんねん。
秋山 ゴリちゃん? 「パパ」じゃなくて? ナメられすぎてません?(笑)
よしたか ナメられてる。
田崎 友だちやと思われてる。
よしたか 奥さんが前、娘に好きな人の順位を聞いていったら、1位がママで、3位はスーマラ(スーパーマラドーナ)の田中(一彦)さん。家族で仲がよくて。7位に女と男の市川さんが出てきて、8位じいじ、9位ばあばで、10位が僕やったんですよ。
一同 最悪やん!(笑)
秋山 いまの話、いままでやったら腹抱えて笑えたんですけど、自分もそうなるかもしれんって思ったら笑われへんな。こわ。
よしたか で、よく聞いたら9位に郵便屋さんって入っててん。たまに荷物を持ってきて、おもちゃが届くからうれしいみたいで。たまに来る郵便屋さんに負けるって……。
周平魂 「その郵便屋さんを呼んでるのオレやで」って言ってください(笑)。
よしたか 「おもちゃ買ってんのパパやで」って。
田崎 そんなパパの苦労も知らずに……。
よしたか そうそう、そうなん。わかってほしいねんけど。
田崎 よしさん、『せやねん!』(毎日放送)のコーナーで庭の仕事して、めっちゃ重労働して夜中に家に帰って。でも、帰ったら奥さんと子どもが寝てるから、お風呂の音も気を使ってて。シャワーの音もアレやから、どうしてはるんでしたっけ?
よしたか ふつうのシャワーの音やと起こしちゃうんで、ゆるめのシャワーを頭に塗ってるんです。
秋山 シャワーを塗るってなんなん!?
よしたか シャワーからチョロチョロってお湯出して、それを頭に押し付けて音が出んようにして塗る。姿勢低めにして。仕事がんばって、家に帰っても恐縮してシャワー塗らなあかんねん。
田崎 そこまでして何位でしたっけ?
よしたか 10位。
秋山 つらっ! よしさんの話はつらいからあんまり聞きたない(笑)。同じ娘を持つパパとして。
田崎 ゴリちゃん、つらいわ~。
よしたか 会ってる時間が長いとけっこう親しんでくれるんですけど、仕事でなかなか保育園にお迎えに行けなくて、久しぶりに行ったら、「ママじゃない!」って保育園で泣かれるんですよ。「ママじゃない! 仕事行って!」って。
田崎 え~!?
周平魂 つらい、つらい!
田崎 いや~、「ゴリちゃん応援する会」発足せなあかん、これは。……やりたいこと思いつきました。「ゴリちゃんイメージアップ大作戦」!
よしたか うわ~! うれしい!! ゴリちゃん、がんばってるんだよ~って。
子育て感動話ができるのはここだけやで
周平魂 子どもと一緒にいると、感動することがたくさんありますよね。子どもと3、4カ月前に公園で遊んどったんですよ。で、木の枝を拾って地面にば~って描き出して。そういうのってほめたったらテンション上がるじゃないですか。だから「すごいな~、モノを描くっていうのをいま発明したぞ」って言いながら、「こっちの枝のほうが描きやすいんと違うか」とか言って、また枝で遊んで。そのあとブランコに乗ったりして1時間くらいで遊んで家に帰ったんですよ。
夜になって、ゴハン食べたり、寝かしたりして、ひと段落したからタバコ吸いに外出たら、玄関先にあの木の枝が落ちてたんですよ。「これのほうが描きやすいぞ」って言って僕が渡したやつ。「あの枝をずっと大事に持っててくれてたんや……!」って泣きそうになって……めちゃくちゃうれしかったです。
秋山 それは泣きそうになる。木の枝を見ながら飲めるな。
周平魂 そのあと嫁に枝のことを話したら、「そうやったんや、じゃあ、周平が持っといてあげて」って言われて、僕は自分の大切なもの、通帳とかが入っているところに木の枝を入れてます――ていうのを漫才の前にしゃべったら、マジで変な空気になりました。
田崎 なるわ!(笑)
秋山 漫才の前にそれしゃべったらあかんわ(笑)。
周平魂 しゃべりたすぎて。
田崎 あかんあかん、漫才の前はあかんよ。ここだけやで、これは。パパの会だけや。
よしたか よかった、この場があって!
秋山 感動の場面とか、よしさんとこ、(娘が)4歳やったら増えていくんちゃいます?
よしたか これインスタにも上げてんねんけど、1歳ぐらいのときに奥さんがタオルを回しながら子守歌を歌ってたら、娘が「ふあ~、ふえ~……フゥ~フエイ」って。「ウーイェイ」って言ったんよ!
秋山 ほんまですか?
田崎 よくあるんですよ、猫とか犬が「ごはぁあん」って言ったみたいな
よしたか 違う違う、あやしてたら「ふあ~、ふえ~……フゥ~ヒエイ」って。
周平魂 さっきと変わってますよ。
秋山 さっきよりハッキリ言ってるよ。
よしたか ちゃんと言ってるよ! 証拠もあるから!
田崎 ほんまですかあ?
よしたか そんときめっちゃ感動して。「あ~、う~……ウーイェイ!」って。
周平魂 もうウーイェイ言ってますやん。田崎さんところは(持ちネタの)「ラーイ!」とか言わないですか?
田崎 「ラーイ!」は言わへんなぁ。
――田崎さんと周平魂さんは、もう「パパ」って呼ばれましたか?
周平魂 うちはまだですね。
田崎 うちは「パーパー」言うてますね。「パパ」がいちばん早くて、「ババ~」も言ってて、ぜんぶ混ざって「バーバパパ~」言うてました。誰がピンクのお化けや~言うて。Eテレの子ども番組見せてたら、なんか言うようになりましたね。
周平魂 あれ、やります? ハイハイマン(Eテレ「いないいないばあっ!」の体操)。
田崎 ハイハイマン! ハイハイしてるよ。
秋山 それは何歳から見せ始めたらいいの?
周平魂 もういまからでも。ようできてるんですよ、番組が。
田崎 大人も見てまうな。
秋山 よしさんとこは、お父さんがテレビに出てる人ってなんとなくわかってますか?
よしたか うん。2歳か3歳くらいかな、認識するのは。
秋山 娘さんはやっぱり、テンション上がってましたか?
よしたか 意味がわかってなかった。テレビの中と家の中にパパがおる!? みたいな。1回、「パパ! パパ!」ってテレビ指さすから、パッとみたらボビー・オロゴンさんやった(笑)。
千鳥・大悟が子どもを抱いてやってきて…
――先輩のパパ芸人で憧れている人はいますか?
秋山 僕、シャンプーハット・こいでさん。漫画『パパは漫才師』(小学館)を子どもの記録として描いてみようと思って始めた、っていうのが。
周平魂 漫画も温かい気持ちになる。あの漫画を読んで子どもほしいと思った人、いっぱいいてるんじゃないですかね。
よしたか 同じようにやって遊んであげようって。
田崎 ダイアンの津田(篤宏)さんも、なんやかんやでファミリーサービスいろいろやってはるなっていう印象があります。
よしたか スーマラの田中さんもまったく言わんけど、じつはめっちゃ育児してるんですよ。2人目も生まれて、息子にミルクあげたりして。
秋山 1回、NGKの出番のときに、まったくパパのイメージがない千鳥の大悟さんが子どもを抱いて入ってきて、え~! ってなって。オレらの楽屋に来て、「出番のときだけごめん、見といて~」みたいな。もう意外すぎて、その姿がめっちゃカッコよかったわ。
周平魂 それ、お子さんがどれくらいのときだったんですか。
秋山 めっちゃ小さかったよ。もう何年も前の話。大悟さんにパパのイメージがなかったんで、カッコよかった。抱き方もカッコよかった。なんか肩に乗せる感じで。
周平魂 僕も、もうしんどなってきてるんですけど、街歩くときは、息子を肩に乗せて歩くようにしてます。
秋山 だからイキんなって!(笑)
田崎 肩車でええやん。
秋山 無理をすんな。
周平魂 なるべく近所をそれで歩いてます。
――パパになって見方が変わったり、興味が出てきたことはありますか?
田崎 食べ物とか飲み物もそうですし、オモチャとかも安心安全なものをちゃんと調べて買うようになりました。自分やったら気にせず買いますけど、子どものこととなったら、ちゃんと見ますね。
よしたか 角がないおもちゃとか、角があってもゴムがついてるものとか買ったりします。
周平魂 確かに、無添加とか気にしたことなかったけど、奥さんも気にし始めて。「重ね煮」っていうのがあって、「陰」と「陽」の食材を順番に重ねて煮るんですよ。きのこ、海藻、イモ類、葉野菜とかを鍋に順番に入れて、塩だけ入れて、めちゃくちゃ弱火で20分くらい蒸し上げるんです。焦げやすい鍋やったらちょっと水入れたりして。
それで野菜が摂れるし、作り置きしといたらみそ汁の具にもなるし、コロッケとかの具にもなるしっていう。さっそくやってみたら、1発目でめっちゃ焦がしました(笑)。
秋山 おい~。
田崎 いいねえ、重ね煮。
よしたか お米炊くときに入れる“お野菜がとれる粉”があって、それぜんぜん味がしない。子どもがご飯食べながら栄養素が摂れるんで、これめっちゃいい。
かなり本気! 次のパパの会の企画は…?
――最後に、パパの会で今後やってみたいことを教えてください。
田崎 パパの会で子どもを連れ出して、みんなで1日どっかに行きたいですね。ママにお休みをあげるためにも。その日のリーダーを決めて、リーダーが秋山さんやったら、秋山さんが決めたレジャースポットに連れていってもらって、僕らはついていくみたいな。順番でリーダーしていって。ここ知らんかったわ~とか、ここ行きたかったんや~とか、そういうところに行って。
周平魂 昨年開館した大阪・中之島の図書館、「こども本の森 中之島」がスゴいですよね。絵本がぶわ~ってあるんですよ。そして階段とか自由に座っていい、みたいな。
秋山 そういうのを「なにわパパの会」で紹介していきたいよな。
田崎 ゴハン屋さんも、ベビーカー入れる、入れへん、離乳食を食べていいかどうかもわからへんもんな。そういうお店を案内するとか。同じ立場の人は「ここいいやん!」ってなると思う。
秋山 丸亀製麺にベビーカーで入ったとき、対応力、イカツかったで。2人くらい女性が来て、お盆もぜんぶ持ってくれて「私たちがやるんで大丈夫ですよ」って言ってくれて。
周平魂 一気に好きになりますよね。
秋山 丸亀さーん! って(笑)。
田崎 最高っすよね~!
秋山 もう丸亀にお礼の電話しよう思って。素敵な店員さんがいましたって。
田崎 それはほんまうれしい。従業員さんにも絶対届くと思う。
――パパの会プロデュースのおでかけ企画、すぐにでもできそうですね!
田崎 第1回は僕がやります! 「泉南りんくう公園」に行きましょう!
秋山 めっちゃいいやん!
田崎 アスレチックもあるし、いまは時期がちょっとズレてますけど、噴水で遊べたりとか。うちの子はもう大はしゃぎ。日帰りでもいいし、グランピングエリアもあるし、BBQもできるし、近くにイオンモールもあるから買い物もできるし。ネスタリゾート神戸も、めっちゃ楽しいですよ。
よしたか そこでどれだけ「パパ」ができるか……。
田崎 「ゴリちゃんイメージアップ大作戦」もしましょう。誰かが悪者をやるので、ゴリちゃんにやっつけてもらって。
よしたか ありがとうございます!