「オシャレ&ダサい芸人」をコンビでダブル受賞のセンリーズ! テコンドー近藤「そもそもダサいと思ってない」!?

毎年恒例の大阪・よしもと漫才劇場の所属芸人を対象とした「オシャレ&ダサい芸人ランキング」。1月に発表された2022年のランキングで、史上初めてコンビ揃って「オシャレ芸人」「ダサい芸人」の頂点に輝いたのはセンリーズ(テコンドー近藤、きたしろ)でした。そこで今回は、栄えある「ダブル受賞」となった2人にインタビュー。それぞれのコーディネートのこだわりポイントやファッションヒストリー、さらにはコンビとしての今後の目標まで深掘りして、その魅力にググッと迫ります!

出典: FANY マガジン
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“生き様込み”のダサい1位

──きたしろさんは2年連続で「オシャレ芸人」1位に、テコンドー近藤さんは初の「ダサい芸人」1位になって、それぞれどんな心境ですか。

きたしろ 2年連続ですし、素直に嬉しかったですよ。ただ、自分のオシャレ1位より、近藤のダサい1位のほうが、もうちょっと嬉しかった。

近藤 なんでやねん! 僕はもうダルいっていう気持ちでしかないですよ。

──表彰が行われた『第八回 上方漫才協会大賞』(1月9日開催)では、舞台に立った近藤さんが、ずいぶんご立腹のように見えましたが……。

近藤 そらご立腹ですよ! そもそもダサいと思ってないんで。(3年連続ダサい1位で殿堂入りした華山の)やすいの後かっていうのもありますし。なんか知らんけど、去年、やすいから「来年は頼んだ」みたいなこと言われましたけど。

──前チャンピオンからじきじきに指名があったんですね!

近藤 僕は不本意でしかないですよ。しかも、相方がオシャレ1位でしょう? 格差が出るじゃないですか。ダサい人は確実にナメられる。僕、ナメられるの嫌いやのに、なんかいつもナメられるんですよね……。

出典: FANY マガジン
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きたしろ それは、いいところですよね。これだけ背が高かったら、ふつう怖いですよ。なのに、いろんな人からイジられるというのは、芸人的にめちゃくちゃ強くないですか?

近藤 1位の余裕が出てるわ〜。オレはいま、人を褒める余裕なんてない。マジでお前の1位も納得してないし。

きたしろ (爆笑)

──きたしろさんの勝因は、どのあたりにあったと思いますか?

きたしろ 今回は、写真にこだわりましたね。オシャレな芸人さんは死ぬほどいるんで、今年は写真で差をつけたほうがいいかなと思って。僕より写真を真面目に撮ってるなっていう芸人さんはたぶん少なくて、パッと見た感じやったら近藤ぐらいかなあ。

近藤 なんでやねん! 撮ったけどね、真面目に! でも、ダサい1位やで?

きたしろ あれ、いいと思うけどなあ。

近藤 ホンマに「服を見てくれよ」っていう気持ちで、100枚ぐらい撮ったんですよ。

きたしろ え、そうなん?(笑)

近藤 いろんな場所に行ったり、昼間に撮ったりとか。

きたしろ 時間も場所もぜんぶ重ねた1位なんや、あの写真が。

近藤 そうです。マネージャーさんに100枚のうち10枚ぐらい厳選して送って「オレには決められへんから任せます」って言ったら、あれが出てたんです。だからダサいのはマネージャーのせいですよ。

きたしろ むちゃくちゃなこと言うてるやん。

出典: FANY マガジン
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近藤 僕は身長が186センチありますし、顔もちょっと“昭和の男前”みたいな感じやと自分では思ってるんです。ということは、生き様込みでのダサい1位なんかなと。劇場でも正直スベりまくりますし、スベりすぎて支配人に怒られたこともありますし。

きたしろ 前代未聞でしょ。

近藤 みんなにイジられるし、ファンの方にもタメ口でしゃべられるみたいな感じなんで、そういう生き様も込みでダサいんかなと。服は関係なく。

きたしろ 僕も生き様はダサいですけど、近藤とは違った種類のダサさなんで、ギリギリごまかせたかもしれないですね。

近藤 ずっと余裕やん。そらそうよな、トップやもんな。きたしろは去年、1位になってから明らかに変わったんですよ。「オレってオシャレなんや。じゃあその感じで行きまっせ」みたいに、いろんなアイテムを身に着け出した。努力が報われてるのが、まためっちゃ腹立つ!

きたしろは「流行りに流されてた」

──今回のエントリー写真のお互いのコーディネートについて、ひとことお願いします。

きたしろ 中のタンクトップ、最悪っちゃ最悪よな。

近藤 それはオレもちょっと思ったんですよ。でも、タンクトップにGジャン羽織って、みたいなんが憧れやったんで。若いころのブラッド・ピットとか1980年代の外国の人みたいなんがめっちゃ好きなんです。だから、こだわりはあるんすよ。似合ってないなって自覚はちょっとあります。ちょっと腹出てるな、とか。

出典: FANY マガジン
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──近藤さんから見た、きたしろさんのコーディネートは?

近藤 何してるかわからん。

きたしろ (笑)

近藤 なにこれ、どこで買うのって。

きたしろ それって悪い意味? それともいい意味? 

近藤 両方。異次元すぎて、ついていけないっすね。僕がぜったい買わないような布を、まとってるんで。

──きたしろさんは、もし来年も1位になったら、いよいよ殿堂入りです。

きたしろ もちろん、やる以上は狙いますけど……。実は芸人にとって、オシャレって何もいいことないでしょう?

近藤 あるやん! 狙ってるやん!(笑)

きたしろ それはオレが踏み出した道やからとことん行くしかないねんけど、もう何もおもろないしね。

近藤 もっとむちゃくちゃやったらええやん、布巻くとか。

きたしろ そうそう、だから今年はそれコンセプトでいったんよ。

近藤 それにしては攻めてなかったやん。指輪とかメガネとか、もっといかないとって感じかな。

きたしろ 確かに。来年1位やったら、オレ、もうタトゥー入れるかもしれん、いよいよ。

近藤 アカンって! そうなったらお前の服ぜんぶ燃やすからな。

きたしろ なんでやねん(笑)。

出典: FANY マガジン
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──おふたりは高校、大学と同級生だったそうですが、当時のファッションはどんな感じだったんですか?

近藤 きたしろは、流行りにめっちゃ流されてたイメージがあります。高校時代は、みんな持ってる赤のエナメルバッグみたいなのをすぐ買ったり。アディダスのジャージが流行ったら、その人気ない色を着てきたりとか。

きたしろ そうそう、色まで同じヤツは高いから。

近藤 『Men’s egg』みたいなギャル男も流行ってたんですけど、髪の毛ワックスでめっちゃトゲトゲにして、前髪はカラーピンで止めてたし。そういうのを全部やってたんです。

きたしろ 流行ってるものをやりたがるっていうのはめっちゃある。

近藤 制服とかも、胸元バーンと開けて、めっちゃ腰パンで、みたいなのやってたんですよ。でも、いまはモードな感じじゃないですか。つまり、自分の芯がないんですよ。

きたしろ はいはい。

近藤 そういうところはダサいなと思いますけど、オシャレ1位なんで何を言っても、いまは歯が立たない感じです。

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高校時代に起きた突然の下克上!?

──ほかにも高校時代のエピソードがあれば教えてください。

近藤 僕は、きたしろに地位を奪われました。僕は、高1からおもしろいヤツっていうのでけっこう目立ってたっていうか。

きたしろ すごかったんですよ。入学式の日に「この学年に、この世でいちばんおもしろい人おる」っていうウワサが流れてきて。カッコいいとかワルいとかはよく聞くけど、おもしろいっていうので評価されてる人間がいるんやっていうことが、まずめっちゃカルチャーショックやった。で、4組の前に行ったら人だかりができてて、教室の中もホンマに人だかりで、その真ん中に近藤がいたんですよ。ギャグやって、ウワーってウケてて。

近藤 めっちゃ遠い高校に入学したんで、中学からの知り合いもいないなか、“おもしろいヤツ”っていうので切り開いたんですよ。こいつとは高1からバスケ部で一緒やったんで知ってはいたんですけど、高2になったとたん、急にメキメキと頭角を現し出して……。

きたしろ 何なん、その話(笑)。

近藤 たとえツッコミをバンバン決めてたんです。おもしろグループのメンバーが、きたしろに向かってボケて、そこにツッコんで大爆笑起きる、みたいな。それまでは、僕が第1ツッコミキャラやったんですけど、それを瞬く間に奪っていった。

きたしろ なんなん、この言われ方。

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──高校のおもしろ1位と元1位がコンビを組んだというのは、運命だったんでしょうか。

近藤 そうなんですよ。いろいろ紆余曲折あったんですけど、こうなりました。吉本に入ったときも別やったのに、後で組み直すって珍しいですよね。

きたしろ 出会ってから、めっちゃ長いよな。

近藤 12年ぐらい経ってからコンビ組んでますね。僕がずっと勝手に対抗意識燃やしてたんですけど、ピンじゃどうにもならんくなって、「頼む、助けてくれ」って泣きついて組んでもらった感じです。考えてみたら、そこもダサいんかもしれないです。

きたしろ その時点で今回の結果、決まってたんかもな。

近藤 そうかもしれません……。

目指すはM-1決勝「いつかあの舞台に」

──センリーズのいちばんのアピールポイントは、どこでしょうか?

きたしろ 近藤の人間力かなあ。

近藤 いやいや、ちゃいますって。

きたしろ 近藤は平場でイジられて輝くタイプ。それって持って生まれた才能やから、努力でどうこうできないと思うんですよ。で、僕はその能力が異常に低いんです。僕の前の相方もむちゃくちゃ低くて、2人ともなかったんですけど、近藤はあるんで、いまのコンビやったらコーナーとかも怖くないっていうのはありますかね。

近藤 僕はやっぱ、きたしろの発想です。むかしからすごいお笑いが好きで、知識深いし、そういうところから出る鋭いツッコミとか。で、隠してますけど、意外とこいつも愛嬌あるんです。そういうところも見てほしいなと思いますね。

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──では、2023年の目標は?

きたしろ 単独を2カ月に1回やってるんで、いちばん頑張りたいのはそこですね。

近藤 あと、『M-1』いきたいっすね。やっぱり見てたらアツなるんで、いつかあの舞台に立ってみたいなと思います。あと、大阪で認知度を得て「こいつら、おもろいぞ」みたいな状態になって、ゆくゆくは東京に行きたい。

きたしろ めっちゃいいと思います。僕は、活動場所にもこだわりないんで。

──最後に、2月18日(土)の単独ライブ『キノコとのっぽ』(よしもと漫才劇場)の見どころを聞かせてください。

きたしろ 新ネタと、たぶんコーナーもあります。そこで近藤のよさが出ると思うんで、その2つですかね。ネタはネタで違う楽しい部分が出ますし、満足度は高いと思います。僕らの単独、あんまり失敗がないんで。

近藤 ハズレなし。

きたしろ あとは、客席に近藤のおばあちゃんがいるんで、見つけてほしいですね。

近藤 毎回、来てくれるんです。

きたしろ そこかな、注目ポイントは。

近藤 最近、おばあちゃんがめっちゃ声かけられるようになってきてて。おばあちゃんも嬉しいみたいで「ありがとう、ありがとう」みたいな。

きたしろ めっちゃいいことやん。

近藤 皆さんはもちろん、おばあちゃんにも楽しんでもらえるよう頑張ります!

出典: FANY マガジン
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公演概要

センリーズ単独ライブ『キノコとのっぽ』
日時:2月18日(土) 開場19:15 開演19:30会場:よしもと漫才劇場
チケット:前売1200円 配信1200円

FANYチケット(会場)はこちらから。
FANYオンラインチケット(配信)はこちらから。

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