“結成20周年”プラス・マイナスが伝統の『上方漫才大賞』受賞に涙「賞レースで勝てない劣等感があった」

上方漫才界でもっとも長い歴史がある「第58回上方漫才大賞」が5月27日(土)に大阪市内で開催され、大賞にプラス・マイナス(兼光タカシ、岩橋良昌)、奨励賞に吉田たち(こうへい、ゆうへい)、新人賞にはカベポスター(永見大吾、浜田順平)が選ばれました。大賞に輝いたプラス・マイナスを祝福するために博多華丸・大吉からのサプライズVTRが流されたほか、スペシャルゲストのテンダラー(白川悟実、浜本広晃)も登場。“無冠”の実力派コンビの受賞に花を添えました。

出典: FANY マガジン
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新人賞、奨励賞は生放送の一発勝負!

この日の会場は大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール。例年通り、関西テレビとラジオ大阪で生放送されるなか、結成10年目までが対象の新人賞からスタートします。

ノミネートされたのは7組です。ダブルヒガシ、ハイツ友の会、さや香、令和ロマン、ドーナツ・ピーナツ、天才ピアニスト、カベポスターの順にネタを披露。厳正なる審査の結果、カベポスターの2人が栄冠を手にしました。

永見はWピースをしながら「みんながウケていたから不安でしたが、それ以上にウケたんやな、と思いました」と喜びを爆発させました。

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続く奨励賞には5組がノミネート。ネタ順は吉田たち、見取り図、ロングコートダディ、ビスケットブラザーズ、なすなかにし。吉田たちの名前が読み上げられると、こうへいは思わず天を見上げ、ゆうへいは深く頭を下げました。

こうへいは、「昨年、一昨年の(上方漫才大賞の)VTRを見て対策を練ってきた」と明かし、「今日からまた、毎日漫才ができるようにがんばります」と心を新たにしていました。

出典: FANY マガジン
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先輩たちからの祝福に涙

そして、いよいよ大賞の発表。大賞の受賞者は事前の審査会で決定していて、会場ではプラス・マイナスの2人にサプライズ報告したときのVTRが流されました。

スタッフから受賞を伝えられた2人は「えっ!?」と言葉を失った様子。そして、「絶対ウソやわ」と一向に信じようとしません。「本当です」と告げられても岩橋は「タチの悪いドッキリ」と疑い、兼光も「ムカつくわ……」と信じません。

「本当に本当です」と繰り返されて、「これ以上、疑ったら失礼や」と岩橋が言うと、2人で「やったー!」と両手を高く突き上げました。岩橋は「賞レースで勝てないことにすごく劣等感があった。でも、誰かが見てるんだ」と語り、兼光は「たまらん……!」と感無量の様子でした。

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VTR終了後、プラス・マイナスの2人が舞台に登場し漫才を披露。岩橋のギャグ「ヘミングウェイ!」はもちろん、兼光のモノマネが次々飛び出すプラス・マイナスらしい漫才で会場を笑いで包みました。

ネタ終了後、岩橋は「いずれ(大賞を)いただけたらいいなと思っていたけど、まだまだ先だと思っていました」と正直な気持ちを明かしました。

ここで、サプライズとして博多華丸・大吉からのお祝いメッセージVTRが流されます。華丸・大吉の2人は、ふだんからよくプラス・マイナスの相談に乗っていたそうで、解散危機のときも改名の相談を持ちかけられたといいます。

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プラス・マイナスについて華丸は「達者で、いまどき珍しい王道」と評価。大吉は「どちらからでも笑いが取れる、いそうでいないタイプ。大賞を獲ってハードルが上がると思うが、いまの2人なら乗り越えられる」と太鼓判を押しました。

続いてテンダラーの2人がステージに登場。長く劇場で切磋琢磨してきた仲間であり、プラス・マイナスの苦労をよく知る浜本は「人のことで、こんなにうれしいことはない」と大感激。白川は喜びのあまり涙を流しながら、「劇場で見ていてもすごい爆笑も取るし、後輩やけど尊敬する後輩です」と称えます。先輩からの熱い祝福にプラス・マイナスの2人の目にも涙が浮かんでいました。

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いちばんウケているという自負があった

終了後の囲み取材で、結成20周年という節目の年に大勝を受賞したプラス・マイナス・岩橋は、改めてこう語りました。

「やっぱり全国の賞レースの肩書がないので劣等感もありました。でも、目の前のお客さんを笑かし続けることでは『負けない』というつもりでやってきた。劇場一つひとつ、しっかり向き合うようになって、この大賞をいただけました。“売れる”という山を登っていくなかで、いろんなパターンがあるんやでっていうのを見せられたかなと思います」

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相方の兼光も、これまでの歩みを振り返ります。

「僕らは人気があるコンビでもないし、すごく知名度があるコンビでもない。だから、ふだんの営業とか劇場はいちばんウケないといけないと、自分たちではずっと思ってました。一つずつの舞台を大切にしてきて、ウケてもより笑ってもらうために修正を重ねてきました。相方は本当に細かいんですけど、それがなかったら、ここにいないと思っています。そのおかげでよりウケるようになって、自分たちがいちばんウケているという自負もありました。その姿を見ていただき、評価していただいて、本当に感謝しています」

奨励賞を受賞した吉田たち・ゆうへいは「久しぶりの賞レースだったので、ホッとしたという面が大きいです」と安堵の表情を見せます。こうへいも「僕もホッとしたのがいちばんです。正直、自分たちが厳しい期間に入っていたので、絶対に獲りたいという気持ちは誰よりも強かったと思います」と振り返りました。

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新人賞を受賞したカベポスター・浜田は「去年、一昨年と悔しい思いをして、今年こそ獲れたらいいなと思っていたのでうれしいです」と喜びをストレートに表現。永見も、改めてこう振り返りました。

「今回で新人賞ノミネート3回目ということで悔しい経験もありました。今回はトリということもあって、(ほかの)全組おもしろいということがいちばん感じられた。僕らが新人賞ってなったときに、『あ、あのみんなよりウケたんや』という喜びがありました」

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