吉本新喜劇・酒井藍が描いた座員100人の似顔絵「悪意があるって言われてて…」 12月に初個展

吉本新喜劇座長・酒井藍が、きたる12月2日（木）〜5日（日）、初となるアート個展を大阪・LAUGH & PEACE ART GALLERYで開催します。これに先立ってポスター用のビジュアル撮影が行われるということで、FANYマガジンが潜入取材。個展を開くことになったきっかけや展示作品の詳細など、気になる内容もちょっぴり教えてもらいました。

夜の“裏なんば”で白熱のゲリラ撮影！

10月某日、おなじみの真っ白な全身タイツ姿で撮影場所に現れた酒井は、さっそくメイクの手直しを開始。「いつもより濃くしようかな」とチークの入れ方など細かい部分にもこだわり、普段の“藍ちゃん”とはひと味違うスタイルを作り上げていきます。カメラマンとの打ち合わせでは、具体的なビジュアルイメージを伝え、真剣な表情でディスカッション。ギャラリーの壁面を飾ることになる巨大写真については、ホワイトボードに図解しながら説明するなど、特に熱が入ります。

撮影中はポーズや表情のアイデアを次々と出し、時には大爆笑しながら、カメラマンとの共同作業を進めていく酒井。スタジオ内での撮影がひととおり終わると、今度は「外で撮りたい」とリクエスト！　そこで、なんばグランド花月にほど近い“裏なんば”エリアでゲリラ撮影を敢行することに……。

全身タイツ姿のまま、営業中の飲食店にあいさつするなど、周囲への気配りも万全。店の明かりに照らされた路地裏で、酒井が思いのたけをぶつけたライブ感あふれる写真の数々にも注目です！

100人以上の似顔絵を5日間で完成

──個展を開くことになった経緯は？

去年の（コロナ禍による）外出自粛期間中に、「新喜劇のみんな、何してんねやろ?」と思って、座員全員の顔を描いたんですよ。で、それを展示する個展をしたいなって思ったのがきっかけです。

──普段からよく絵を描いていたんですか？

描くのは好きやったんですけど、まわりからは「悪意がある」って言われてて。前に、（新喜劇の）お姉さん方の絵を描いたら、みんなが「めっちゃいいやん！」とほめてくれて、それを聞いた中山美保姉さんに「ちょっと描いてみて〜」って言われたんですよ。一応、「怒らんといてくださいね」と伝えたら、美保姉さんは「怒るかいな、あんたが描いてくれるのに」って。でも（完成した似顔絵を）見た瞬間、「何やの、これ！」って床に叩きつけたんです（笑）。自分では悪意なんてないと思ってるんですけどねえ……。

──全座員とのことですが、合計何人描いたんですか？

100人以上です。それを実質、5日間ぐらいで描きました。コピックのマーカーをいっぱい買って、それで色も塗って。私は下絵なしで直接描いていくので、似てない人は、まあ似てないです（笑）。

──自信作は誰の似顔絵ですか？

辻本（茂雄）兄さんかな。あと、辰己（智之）兄さん。辰己兄さんって、笑うと歯茎がにゅっと出るんですけど、その歯茎の色を鮮明に表現できました。辻本兄さんは、カツラと地肌の色の差がしっかり描けたと思います。みんな、うどん屋のハッピを着てる絵なんですけど、それぞれのイメージに合ったハッピにしてて。

──こだわってますね（笑）。逆に自信がない似顔絵は？

筒井（亜由貴）くんは、探しても正面の写真が見つからなくて、どれも上を向いてるんですよ。そのせいなのか、描いてるうちにめっちゃ茶色くなっちゃって（笑）。ぜんぜん似ないので、なんでかわからんけどネックレス描いときました（笑）。

末成映薫を描いたアクリル画の新作も

──座員の似顔絵以外には、どんな展示があるんですか？

新喜劇以外では、番組で描いたやすよともこ姉さん（海原やすよともこ）の似顔絵なんかも展示させてもらいます。アクリル絵具で描き下ろした原画、たとえば（末成）映薫姉さんを描いた絵なんかもあって、それは販売もしようと思ってます。お求めやすいお値段とサイズでご用意しておりますので！　ほかにも、ポジティブ！というのではないけど、なんか励まされるメッセージが書かれたポストカードや日めくりカレンダーなど、グッズもいろいろ用意しますよ。

──ズバリ、個展の見どころを教えてください。

「この絵、見てほしいです！」とかは全然なくて、来てもらって「楽しかったな」「もっかい来たいな」と思っていただけたら。細かく見ると、「この人、こんなとこにホクロあるんや」とか発見もあると思うので、よければ何度でも来てください。4日しかないんですが、できたら２回は来てほしいなって思います。もちろん１回でもいいです！　でも、4日間ぜんぶ来ていただくのが、いちばんうれしいです！（笑）