今田耕司が思わず「親子でなんの話!?」 月亭八方「楽屋ばなし」はフィナーレも“絶対配信不可能”

落語家・月亭八方が、昭和のレジェンド芸人たちのウラ話の数々をおもしろおかしく披露する人気公演『楽屋ばなし』。八方の芸能生活55周年を記念したこのツアーの千穐楽が、12月9日(土)に京都・よしもと祇園花月で盛大に開催されました。この日はファイナルを飾るために、西川きよし、今田耕司ら豪華ゲストが登場。最後の最後まできわどい「楽屋ばなし」の連発で大いに盛り上がりました。

出典: FANY マガジン
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「55周年」感謝の口上でスタート

「月亭八方芸能生活55周年記念 八方の楽屋ばなし」と題したツアーは今年6月にスタートしました。これまでに大阪、和歌山、奈良、兵庫、滋賀で開催され、なるみ、月亭八光というレギュラーメンバーに加えて各回、ザ・ぼんち(ぼんちおさむ、里見まさと)、間寛平、村上ショージ、西川のりお・上方よしお、桂小文枝、桂南光といったゲストが登場。この日の千穐楽には西川きよしと今田耕司、月亭方正が出演しました。

まずは舞台上に出演者が並んで、口上からスタートします。

今田は祝いの言葉を述べたあとに、この日の舞台袖で「耳を疑った」という話をポロリ。なんと、口上の前に八方が舞台監督に「えっと……正座するんやな?」と確認していたとのことで、今田は「しっかりしてください!」と盛大にツッコミます。さらに今田が小学生時代、百貨店のイベントに営業で来ていた八方と絡んだエピソードを明かしました。

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一方、八方の芸歴55年のすべてを知る盟友のきよしは、詰め襟で丸坊主だったという若かりし日の八方を振り返ります。そのうえで、「(長年)付き合わせていただいて本当に僕は不幸です」と話し、八方と2人だけの秘密のはずが、次の日には楽屋でみんなが知っているとぼやきました。

主役の八方は、あっという間の55年だったと振り返りながら、こう感謝しました。

「1人で元気でいられるわけではない。来ていただいた方のご支援、お客さま方の愛情、吉本興業の気持ちなどがあって、55年を迎えることができました。本当に厚く御礼申し上げます。ありがとうございました!」

出典: FANY マガジン
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昭和のレジェンドたちの暴露話連発

落語では、方正がまず一席。師匠、八方からの教えとして「宗教、政治、プロ野球の話は高座でしてはいけない」と言われたという前フリから、キリスト教徒になった息子とそれを嘆く父親のやりとりを聞かせる「宗論」を口演します。すれ違う親子の主張に会場は笑いに包まれました。

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続いて八方は、55年を振り返った思い出話を聞いてほしいと、1968年に月亭可朝に弟子入りしたころの話を始めます。懐かしい可朝のネタを挟みつつ、「シャイな方だった」と回想しますが、そこから可朝の賭け事にまつわる破天荒エピソードを連発。

芸名も賭け事に由来することや、負けそうな勝負を逆転して京都で豪遊した話、質屋を使ってまで賭けに興じていたことなどを、笑いを交えて話します。さらに遅刻して破門になりかけたものの、横山やすしからのアドバイスで回避できたウラ話を披露したり、そのやすしが驚きの方法でおカネを借りていたことを“暴露”したり……さっそく披露された昭和のレジェンドたちの貴重なエピソードに、会場も爆笑でした。

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なぜか西川きよしが号泣!?

中入りのあとはいよいよ「楽屋ばなし」です。この日のために新調した着物で登場した八方に、会場から大きな拍手が起きました。

ゲストのきよしと今田が登場すると、八方は「千穐楽だけは西川さん、今田さんに出てほしいと言った」と明かし、すぐさま2人の生々しいギャラの話で会場を笑わせます。

そして、レギュラー出演していた番組の思い出話から八方自身のゴシップ話へ。息子である八光の質問に答えるかたちで、女性のマンションから出てきたところで撮影された経緯を話し出すと、今田から「親子でなんの話!?」とツッコミが! なるみも「孫も見に来てる!」とカブせますが、そこからなぜか、きよしが女性を車に乗せていたときに妻・ヘレンに遭遇した話に飛び火して、さらに大盛り上がり。

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また、借金の最高額が1億2000万円だったと明かした八方が「取り立ての人の声が大きいのが怖かった」と話すと、きよしは、やすしが借金取りから逃れるために舞台袖ではなく客席のほうから逃げたと明かして笑わせます。そこから、なんばグランド花月の逃走経路や、横山やすし夫妻の楽屋でのやりとりなど、当時のウラ話が連発。

さらに、きよしが若くして建てた家の話になると、今田が、東野幸治ときよし邸へ行って勝手にベッドで寝ていたエピソードを披露。続けて、庭にあったプールを埋めてしまった話をしていると、なぜかきよしが泣き始め、ステージも客席も「なんで?」と大爆笑です。

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そんなきよしについて、八方が思い出したように、西川きよし・ヘレン夫妻が2人で「神田川」を歌って泣いていたというエピソードを明かすと、きよしは「神田川を聴いたら泣いてしまう」と告白。八方が神田川を歌い始めると本当にきよしが泣き始め、その姿に会場はまた笑いの渦に包まれました。

これからも「楽屋ばなし」を続けたい

そのあとも、自分が出したお年玉をかけたじゃんけん大会で優勝してしまうきよしの話や、「壁は超えるな、迂回せえ」という八方の名言、やすきよ誕生のエピソードなど、貴重な「楽屋ばなし」がポンポン飛び出します。きよしがヘレンとの思い出話で号泣し始めると、今田が思わず、「(涙の)スイッチがバカになってる」とツッコんでいました。

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エンディングでは、お祝いに駆けつけた月亭一門の弟子たち12人が1人ずつ自己紹介。最後の挨拶で八方は、「皆さんと会うのも今日で最後かも」とボケつつ、大きな拍手に包まれて公演が終了しました。

公演終了後に取材に応じた八方は、「西川さんと今田くんは華があって、お客さんも大喜びだった。やっぱり華が大事やなと思った」と言いながら、この日の楽屋ばなしについて「やっぱりなんか楽しい」と満足した様子で振り返りました。

大師匠たちが楽屋裏で見せた生々しいエピソードの数々は、今回も破壊力抜群。八方は「ときには自分より幼稚に見えたりする。そんな人たちのことを伝えていきたい」と“決意”を新たにしていました。

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