4月から東京進出した滝音(さすけ、秋定遼太郎)の卒業公演「さだそうそう ~古いアルバムめくり おサンクスってつぶやいた~」が、3月24日(日)に大阪・よしもと漫才劇場(マンゲキ)で開催されました。独特の言い回しでツッコむさすけと、ポーカーフェイスで淡々としゃべりまくる秋定。飄々としつつも切れ味鋭い“滝音ワールド”全開で、満席の会場を魅了しました。
“ベッドシーン”からのスタートに客席から悲鳴
オープニングの幕が開くと、滝音の2人の姿は半裸でベッド上に。2人の”ベッドシーン”かのような意味深な写真があしらわれた公演ポスターの「続き」ともいえる場面で、会場からは女性ファンたちの悲鳴が上がります。ここからオープニングコントとして、次々と話題を変えてしゃべりまくる秋定の“面白過ぎるピロートーク”が始まりました。
オープニング映像は、タイトルにちなんでアルバム写真風。過去から現在までのマンゲキでの滝音の姿を、劇場スタッフの写真も交えて紹介していきました。
待望の本編は、漫才からスタート。先ほどのオープニングコントについて「素敵な愛を皆さんに見ていただきました!」とさすけが振り返ると、秋定は「まあまあ、今日は親も見に来ているんですけど……」と苦笑いです。
ネタでは秋定が、高校時代の思い出を語っていきます。よくある青春話かと思いきや、そこは摩訶不思議な秋定ワールド。シュールな世界観が展開されていくにつれ、“ベイビーワード”と呼ばれるさすけ独特の造語によるツッコミも興に乗っていきました。
ロックな俳優vs文春記者!?
幕間VTRでは、マンゲキでの過去のイベント映像などから、2人の印象に強く残ったシーンが紹介されました。
さすけは2023年7月3日に行われた『極spコーナー』から「ウルトラソウルジェンガ」での秋定をピックアップ。「これは、東京に行く前に大阪のお客さんに見てもらいたかった」と万感の思いを込めます。秋定も「あのときのことはよく覚えている」と、2人して忘れられない瞬間だったようです。
続いてはコント「文春記者」。ロックな雰囲気をまとってカッコいい俳優(さすけ)の熱愛スクープを取りに行った記者(秋定)ですが、俳優は想定外の状況にいることが判明。素直に心情を打ち明ける俳優と記者との間に、妙な友情が生まれていく意外な展開に、観客もぐっと引き込まれていきます。俳優と記者が見せる人間らしさに、笑いだけでなく自ずと親近感も湧いてしまう、2人らしい愛嬌にあふれた1本でした。
次なる幕間VTRは、秋定が選んだ印象に残るシーンです。それは、2024年1月18日に森ノ宮よしもと漫才劇場で行われた『極森ネタライブSP』でのコーナー「芸人キャラ交換会」でのこと。このときやらかしてしまったという「キレイな3回スベり」が、本人解説による当時の心情も交えて語られました。
その後は、秋定流のピクニックを語る漫才が披露。さすけも戸惑う秋定の独特な表現が連発されると、ひとつも落とすまいとツッコむさすけの“ベイビーワード”がそこに覆いかぶさり、会場からは何度も拍手も交えた笑いが湧き起こりました。
新たな“ベイビーワード”が次々と誕生
最後はコーナー、「協力して産み落とそう! 幻のベイビーワード」。ゲストはツートライブ・周平魂、ビスケットブラザーズ・きん、ダブルヒガシ・大東翔生、ドーナツ・ピーナツのピーナツ、丸亀じゃんご・安場泰介、三遊間・櫻井一世、ヒューマン中村です。
このコーナーは、大量にストックされたさすけのツッコミワード=“ベイビーワード”を1つでも多く世に送りだすため、ゲストたちがベイビーワードに適したボケを即興で考えてネタを完成させるというもの。「ネバネバエンディングストーリー!?」「なんやその紅の仏陀は!?」などの新たな“ベイビーワード”が、次々と産み落とされました。
エンディングでは、「東京に行っても大阪に戻るときがあるので、また来てください」とさすけ。秋定も「今日は温かいお客さんで、満席で見送っていただいてありがたかったです」と挨拶しました。
会場が暗転した直後、舞台のモニターには2人の手書きのメッセージが映し出されました。
「さあ、ホンマに東京や! あたしは楽しんでくるから、てめえら全員! 絶対に! 幸あれ! ベリーおサンクス!」(さすけ)
「東京で大きくなってまた恩返し出来るように頑張ります。(頑張ると言っても睡眠時間は削りませんが。)今まで本当にありがとうございました」(秋定)
いかにも2人らしい言葉で大阪のファンたちや劇場への感謝をつづり、卒業公演を締めくくりました。