大竹しのぶが語った『漁港の肉子ちゃん』をさんまが映画化した理由「あの人はむかしから…」

明石家さんまが企画・プロデュースを手掛けた話題の劇場アニメ映画『漁港の肉子ちゃん』の公開記念トークイベントが、7月7日(水)に東京・TOHOシネマズ日本橋で行われ、声優を務めた大竹しのぶと吉岡里帆が登壇しました。さんまをもっとも深く知る大竹と、ふだんから大竹と仲が良い吉岡の軽妙なトークが繰り広げられ、劇場に集まった観客を楽しませました。

出典: FANY マガジン

オファーをもらったときは…

『漁港の肉子ちゃん』はさんまが作家・西加奈子さんの原作小説にほれ込み、劇場アニメ化した作品。漁港の船に住むワケあり母娘・肉子ちゃんとキクコの親子愛をテーマにした物語で、大竹は主人公の肉子ちゃんの声を、吉岡は肉子ちゃんの若き日の親友・みうの声をそれぞれ務めました。

映画の上映終了後に、大竹と吉岡が舞台に登場すると、観終わったばかりの観客が万雷の拍手でお出迎え。2人は『漁港の肉子ちゃん』とファッションブランド「ロペピクニック」がコラボしたというお揃いのTシャツコーデで登場し、一気に舞台上を華やかにしました。

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さっそく2人のトークがスタート。司会からこの作品のオファーを受けた感想を聞かれた大竹は、キャスティング時の裏話を披露して会場を笑わせます。

「吉本興業の方から、『さんまさんが大竹さんじゃないとって言ってる』と(言われて)、すごい断りにくいなと思って(笑)。貸し借りじゃないですけど、前に私のCDで歌ってくれたりしたので『じゃあ、やります』と言ったら、実は本人は、ぜんぜんそんなことを言っていなかった。吉本の人が私をダマしました」

とはいえ、この作品で主人公を演じられたことは感謝しているようで、「出られて本当によかった。笑うってこんなにも優しい気持ちになれる」と語りました。

一方の吉岡は、オファーをもらったときの気持ちについて、「事務所の社長からメールが来て、さんまさんが出てほしいって言ってくださっている、と。絶対にウソだと思った」と言います。ただ原作は、もともと吉岡の母が大ファンだったそうで、「私も読んで『これは素敵な作品だ』と思って、参加させていただけるのがすごく光栄なことだと思いました」と、作品にかかわることができた喜びを語りました。

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「…おカネ儲けですかねえ」

それにしても、なぜあのさんまが「少女の成長」や「家族愛」がテーマの原作小説を映画に――司会からその理由を聞かれた大竹は、「そんなこと(私に)言われても……おカネ儲けですかねえ、とか言えないですよね」とボケて会場を笑わせます。

ただ、さすがにさんまのことをいちばん深く知っているだけあって、続けてこうフォローしました。

「さんまさんは、むかしから“温かいもの”が好き。人を笑わせるのが好き。いまここにいたら、本当に隅っこの笑っていない人を見つけて、『なんで笑っていないんだ!』って言うような人。本当に人を一瞬でもいいから幸せにすることが、むかしから好きだから、そういうものを作りたいと思ったんだと思います」

出典: FANY マガジン

さんまの思いは吉岡も感じ取っていたようで、「親が子を育てるということの深い深い愛をまざまざと映画から感じました。キクコちゃんの成長過程も素晴らしい」と絶賛していました。

いないところでも笑いを取るさんま

イベントの終わりには渡辺歩監督が登場して、サプライズで2人に花束を。渡辺監督が今回のトークイベントにさんまがいないことに触れ、「今日は妙に静かで、ちゃんとした舞台挨拶(笑)。こんなこというと怒られちゃいますね」と言うと、会場は大きな笑いに包まれました。

出典: FANY マガジン

最後に、集まった観客に向けてメッセージを求められた大竹は、丁寧にこう挨拶しました。

「他人同士でも、優しさを持てれば幸せな気持ちになれると信じさせてもらえる映画なので、人との触れ合いを大事にしたいなと思ったら、よかったらお友達とかにも薦めてください。今日は、来てくださって本当にありがとうございました」

作品概要

映画『漁港の肉子ちゃん』
企画・プロデュース:明石家さんま
出演:大竹しのぶ、Cocomi、花江夏樹、中村育二、石井いづみ、山西惇、八十田勇一、下野紘、マツコ・デラックス、吉岡里帆
原作:西加奈子『漁港の肉子ちゃん』(幻冬舎文庫)
監督:渡辺歩
主題歌:稲垣来泉「イメージの詩」(よしもとミュージック)
エンディングテーマ:GReeeeN「たけてん」(ユニバーサル ミュージック)
アニメーション制作:STUDIO4℃
配給:アスミック・エース
製作:吉本興業株式会社

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