月刊コント“15周年”で明石家さんま登場! お~い!久馬が語る意外な素顔「すげえなと感動しました」

ザ・プラン9のリーダー・お~い!久馬が主催する人気イベント『月刊コント』が15周年を迎え、その記念公演が7月7日(日)に大阪・なんばグランド花月で開催されました。『久馬歩 責任編集 月刊コント15周年グランド号』と題された今回の公演には、豪華すぎるメンバーが集結! なんといっても、スペシャルゲストとして”お笑い怪獣”明石家さんまが出演するなんて、スゴすぎる! もちろん当日は大盛況! ということで、じつは公演前に久馬本人にインタビューしていた芸人ライターの茜250cc・善家カズマサが、その気になる内容をお伝えします。

出典: FANY マガジン
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月刊コントとは、ザ・プラン9のリーダー・お~い!久馬が主催するコントイベントで、2009年7月から毎月開催されてきました。毎回、実力派の芸人たちがそれぞれ渾身のコントを披露し、それだけでも見応え十分!なのですが、なんといっても最大の見どころは、久馬の手によってそれぞれのコントの世界が繋がり、最後には「大きなひとつの物語」として完結するところです。

今回は、さんまのほかにも、キングオブコント王者ライスを筆頭にアキナ、隣人といったコント賞レース決勝常連芸人から、新喜劇からは未知やすえ、小籔千豊といった人気芸人が多数出演! チケットもあっという間に完売した注目の公演でした。

オファーは”直筆の手紙”!?

月刊コントはこれまでも節目の公演で、豪華なゲストが出演してきました。昨年の14周年には130R(板尾創路、ほんこん)が出演したほか、過去には千原兄弟(千原ジュニア、千原せいじ)、今田耕司といった吉本の人気芸人から、ダチョウ倶楽部やハリウッドザコシショウといった事務所を超えたつながりでカリスマ芸人たちがゲスト出演。そして15周年の今回は、なんと”国民的お笑い芸人”とも”お笑いBIG3”とも称される明石家さんまが登場し、会場を爆笑の渦に巻き込みました。

――どういった経緯で、さんまさんが出演することになったのでしょうか?

いままでたくさんの方にゲストで出てもらったけど、今回は節目の15周年でしょ? ゲストを考えたとき、いちばん最初にさんまさんが頭に浮かびました。ダメもとで「さんまさんとか、いけたりするんかなあー」とマネージャーに聞いたら、「久馬さんが台本を書いたとなったら、可能性があるかもしれないですねえ」と言われて、だからまず思いの丈を手紙に書いて。

出典: FANY マガジン
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――ええ!? 手紙でオファーしたんですか? 電話とかではなくて?

はい、紙の手紙で。電話のほうが緊張するんちゃう?(笑) 電話やと断りきれずに承諾させてしまうこともあるので、思いの丈を手紙に書きました。

――ちなみに、その手紙の”口説き文句”は……!?

口説き文句というか、「15周年のゲストはさんまさんしかいません。お客さんも喜んでくれると思うんです」みたいなストレートな内容だったと思います。ちょっと、いろいろと書き直し過ぎて、どの内容を送ったのかあまり覚えてないんですが(笑)。

――なぜ最初にさんまさんが浮かんだのでしょうか?

自分がいままで知り合った芸人のなかで、いちばんお客さんが喜んでくれる、というのがありました。あとは後輩たちにも、何年も続けていったらこんなこともあるかもしれへんよ、ということを見せたかったのもあります。

出典: FANY マガジン
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「さんまさんは稽古をめっちゃしはる」

久馬はこれまで何度か、明石家さんまが出演する舞台の台本を手掛けています。2019年2月の「さんま・岡村の花の駐在さん」(大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA)、2022年4月の吉本興業110周年特別公演「伝説の1日」のなかで上演した「さんまの駐在さん」(大阪・なんばグランド花月)、そして2024年3月の「「岡村隆史の花の駐在さん東京へ行く」(東京・IMMシアター)です。

そのときの話で驚かされるのは、舞台稽古の様子です。なんと、さんまは”誰よりも稽古を大事にしている”というのです。お茶の間のテレビで見ていると、凄技なトークやアドリブを繰り出す姿に目がいってしまいますが、果たして舞台ではどんな姿勢で向き合っているのでしょうか。

――過去にさんまさんと共演した際の、印象的なエピソードはありますか?

さんまさんは稽古をめっちゃしはる。めっちゃ大事にしてる。110周年の駐在さんのとき、今田(耕司)さん、(ナインティナインの)岡村(隆史)さん、中川家と錚々たるメンバーで夜22時とか23時に集合して稽古をしていました。

そこでは「(稽古を)2回通そうか」という感じやったけど、1回目の稽古からさんまさんは“本気モード”で……。稽古ではたいてい、「ここで~がありまして」みたいに場面を省略していくことがあるんですけど、さんまさんは「“~ありまして”って、本番で言うんか!」と絶対許さない(笑)。

そこから3時間、ぶっ通しで終わったのが2時、3時ぐらい。みんな台詞もいけそうやから、スタッフさんが「どうしましょうか?」と聞きにいくと、さんまさんは「どうしましょうかって、タバコぐらい吸わせてくれや!」。で、そこからまた3時間ぐらい稽古しました(笑)。

出典: FANY マガジン
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――正直、イメージとぜんぜん違いました! そんなに稽古を大事にしているんですね。

当日は、あまり知らない若手の子とコントで共演することになりますから、稽古で彼らがどういうことをするのかを見たかったり、ということだと思います。そして、早々に打ち上げ場所もさんまさんが決めていたりする(笑)。今回も、さんまさんからは「早めに台本がほしい」と言われています。

――さんまさんは事前準備をすごく大事にされているのですね!

今年3月にあった「岡村隆史の花の駐在さん東京へ行く」のときも、4日公演の最終日にさんまさんがサプライズ出演する予定だったんですが、前日の舞台をこっそり見に来てました。どんな場面で自分が出るのか、どんな空気感なのか、どんなセットなのか、自分が出ているときにまわりに誰がいるのか、といったことを確認していて、すごいなぁ、と。

当日も、出番が近づいたときに舞台袖にきて僕の隣に座りはったんで、なにかしゃべらなあかんなと思ってパッと見たら、目をつむって集中していて。こんなことしはるんや、と感動しました。

出典: FANY マガジン
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NSC時代から「お前は作家になったほうが…」

久馬が所属するザ・プラン9は、それぞれのメンバーのピンでの活動も精力的です。メンバーからR-1王者を輩出し、浅越ゴエやヤナギブソンがテレビ番組のロケやリポートで活躍するなか、久馬は作家業と芸人を兼任しています。いまや”芸人作家”の先駆けともいわれますが、どのような経緯で作家業を手掛けることになったのでしょうか。

――どのような経緯で作家としての活動を始めたのでしょうか?

R-1とかもあって、メンバーがみんなピンで活躍し始めました。でも、僕は浅越ゴエやヤナギブソンみたいに上手くリポートで「美味しいー!」とかできない。じゃあ、オレどうしよう、ってなったときに「ネタなら書けるな」と考えました。それでマネージャーに、ネタを書かせてくれる人がいないか相談していたところ、同期のメッセンジャー・黒田(有)がネタ作成を依頼してくれて。それから中川家やテンダラーのネタを書くようになって作家業が始まりました。芸歴12、13年目のときですね。

――久馬さんは”芸人作家”のパイオニア的な存在だと思います。

NSC(吉本総合芸能学院)にいたときも、講師の方から「お前は作家になったほうが……」と言われていたんです。僕と桂三度と松本真一の3人がずっと言われていて。いま思えば、あの講師の方の眼は鋭かったなと思いますね。

出典: FANY マガジン
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――月刊コントでは、バラバラのネタを久馬さんがまとめて、“最後にひとつのエンディングに繋がる”演出が醍醐味ですが、毎回、どのようにしてひとつにまとめているのでしょうか?

いまでも全員の台本が来たときは1回、天を仰ぎますね(笑)。無理やわーって(笑)。けど、いままで今月は繋げられませんでした、というのはない。いまは、なんとなくコツがつかめてきました。それでも、(ハリウッド)ザコシショウとか野性爆弾みたいなタイプの芸人が出るときは、呼ぶときから気合い入れてますね。何回も出てくれてるメンバーには、僕を困らせたろってことなのか、「どう繋げるの?」という台本を出してくるのもいますね。ビスケットブラザーズとか。

「お笑い向上委員会」とか「さんま御殿」になっているかも…

今回の公演は、そんな久馬の約20年の作家としての歴史、そして月刊コントとして15年の歴史が凝縮されたものでした。当日のステージで、さんまは「水族館館長」として登場! 事前インビューで久馬は、こんなことを語っていました。

――やはり皆さん気になるのは、さんまさんがどのような役柄で出るのか、というところだと思うのですが、いまどんな構想になっているのでしょうか。

どこまでやってくれるのかな、というのはあります。可能なら「ブラックデビル」とか、やってほしいですけど(笑)。やっぱりお客さんが「このくだり見たかったなあ」というものを入れれたら、という気持ちはあります。もしかしたら「向上委員会」とか「さんま御殿」みたいになって、ただのトークイベントになっているかもしれませんが(笑)。

――それもそれで、すごく見てみたいですけどね(笑)。では、最後に15周年記念公演に向けた意気込みをお願いします!

さんまさんに出ていただけるということで、15年続けていて本当によかったなと思います。さんまさんの台詞を書くのはプレッシャーもありますが、さんまさんをスベらすわけにはいかないので、頑張りたいと思います!

出典: FANY マガジン
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今回のインタビューで、テレビを見ているだけではわからないさんまさんの”繊細さ”と”お笑いに対する情熱”を感じました。久馬さん自身、そして月刊コントが積み重ねた歴史と、さんまさんの熱が合わさった“奇跡”の公演が大盛況に終わったいま、この“月刊”のライブは早くも次の「15年」に向けて歩み出しています。

次回は、8月21日(水)の「月刊コント立命館号」。”お笑い怪獣”のあとは、なんと学生お笑いとのコラボです。まさかのギャップ! これを久馬さんの職人芸でどう料理するのか――ちょっと考えただけでも楽しみです!

公演概要

久馬歩責任編集 月刊コント立命館号
8月21日(水)18:40 開場/19:00 開演/20:30 終演
会場:立命館いばらきフューチャープラザ カンファレンスホール
料金:前売3800円/当日4000円
出演
ザ・プラン9/レイザーラモン/ファミリーレストラン/らいおんうどん/日熊/中西正男(KOZOクリエイターズ)
海沿いパンダ(立命館大学お笑いサークル「かわらんものたち」)



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