月亭方正が東京の噺家を招く“二人会”第2弾に柳亭小痴楽が登場! 「師匠から落語で政治、宗教、野球の話題はあかんと…」

落語家の月亭方正が京都・よしもと祇園花月に東京の噺家を招く“二人会”の第2弾が、1月19日(日)に開催されました。今回は、若手真打のホープである柳亭小痴楽が登場し、さっぱりとした語りで江戸前落語をたっぷりと披露。方正とともに客席を大いに沸かせせました。

出典: FANY マガジン
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会場を“江戸”の世界へ

開口一番を務めたのは笑福亭笑利です。師匠の笑福亭鶴笑につけてもらった笑利という名前の由来から始まったマクラは、酔っぱらって初詣に行った若いころの思い出話へ。そこから酒粕で酔いが回った男が主人公の「酒の粕」を口演します。酒粕で酔った男の足取りを、ほろ酔い加減で描く笑利。聞いているお客さんも、だんだん酔いが回ってくるような感覚を味わいました。

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続いて高座に上ったのは方正。「小痴楽さんは生粋の江戸っ子。気風のいい落語は聞いていてスカッとします」と、この日の相手を紹介します。そして「落語をやっていてよかった! 八方師匠のおかげです!」と満面の笑みで語ると、13年前の1月1日に入門した日のことを「山崎邦正という“大看板”を捨てて、八方師匠に弟子入りしました」と振り返りました。

そして「そのとき、落語でこれをしたらあかんということを師匠から聞きました。政治、宗教、野球の話題です」と言いつつ、宗教を題材にした一席「宗論」を披露。その“裏切り”に早くも笑いが起こります。大店の旦那と番頭、そして若旦那をコミカルに演じる方正。高座で賛美歌を披露する場面もありました。

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続いて小痴楽が登場して挨拶。「方正さんから祇園花月で……とお電話がありまして、“出るー!”と即答しました!」と、久々の京都での落語会を楽しみにしていた様子です。

まずは大ネタ「井戸の茶碗」を口演。噺に入った途端に江戸の風がさっと祇園花月に吹き抜けます。

立て板に水の話芸でするすると聞かせる小痴楽。侍や浪人、紙くず屋など、まるで目の前に立っているかのように活写しました。中盤で紙くず屋が侍と浪人との間を行き来する場面では、その切り替えも実に鮮やか。緩急自在に噺の世界を駆け抜けました。

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客席を惹き込む熱演

中入り後も小痴楽から始まり、「堪忍袋」を。「殺すなら殺せー!」と物騒なセリフでスパっと噺の世界へと誘います。激しい夫婦喧嘩の仲裁に入った大家が、双方の言い分を聞きますが、どっちも正しいように思え……。

妻は可愛げがありつつも、どこか肚の座った表情。一方、夫は瞳に狂気をにじませ、高座から飛び出すように迫ってきます。“犬も食わない”夫婦喧嘩を臨場感たっぷりに演じて楽しませました。

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最後は方正が、こちらも大ネタの「鼠穴」をたっぷりと。マクラはなく、田舎から出てきた弟が商売で成功した兄のもとを訪ねる場面から入ります。会場の明かりもトーンを落とし、祇園花月のスポットライトが高座の方正をぽっと浮かび上がらせます。

人生七転び八起き、再起を図る弟の姿と、心に鬼が棲む兄の言動を迫真の演技で聞かせる方正。観客もグッと噺の世界へとのめり込み、サゲに至るまでの緊張感に気が抜けません。最後は安堵感が会場中に広がり、一体感も味わえました。

出典: FANY マガジン
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祇園花月での方正の二人会は早くも第3弾が決定。5月24日(土)に『柳家三三・月亭方正 二人会』が開催されます。

公演概要

『柳家三三・月亭方正 二人会』
日程:5月24日(土)開場18:00/開演18:30
会場:よしもと祇園花月
チケット:前売 4,500円

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