“バレーボール芸人”のさとゆりが4月20日(日)、吉本興業として初となるバレーボール大会「さとゆり杯」を大阪・関西大学北陽高等学校で開催します! 強豪校で選手、指導者の経験を持つさとゆりは現在、“バレーボールあるある”のSNS動画で人気を集め、昨年は初の書籍も出版。そんなさとゆりを直撃し、大会開催にかける思いや意気込みを聞きました!

【プロフィール】
兵庫の兵庫県立氷上高校時代に「全日本バレーボール高等学校選手権大会(春高バレー)」で準優勝。芸人になる前は母校で指導者を務め、チームを春高バレー出場に導く。NSC(吉本総合芸能学院)大阪42期。書籍『バレーボール芸人 さとゆりのザ! バレーボールあるある』(ヨシモトブックス)を昨年9月に出版。
構想1年半の「さとゆり杯」を4月に開催!
——「さとゆり杯」は、以前から思い描いていた目標だったそうですね。
実は1年半くらい前からずっと言い続けていたんですが、吉本もバレーボール大会を開催するのは初めてですし、私自身もまだだいぶ若手なので簡単ではなかったです。
会場となる場所をどうやって押さえるのか、チームは呼べるのか、いろんな問題があって大変でしたけど、今回はいろいろ根回しというか、バレーボール関係でお世話になった方や交流のある方のところを回ったりして、なんとかいけました。
——当初はどういう構想だったんですか?
最初は出身地の(兵庫県の)加古川で開催できたらいいなと考えてました。でも、会場を確保するには抽選だったり使用料だったり、けっこうハードルが高くて「どうしよう」となったときに、交流がある関大北陽高校バレーボール部の監督さんにダメ元で相談してみたら「ぜひどうぞ!」と言っていただけて。
バレーコートが3面張れる、めちゃくちゃキレイで広くていい体育館なんです。こんなにいい場所を使わせてもらえるなんて、もっと早く相談したらよかったと思いました(笑)。

——「さとゆり杯」はジュニア(小学生)が参加対象ということですが、子どもたちの大会にした理由は?
YouTubeの撮影でジュニアから大学生、プロの方までいろんなバレーボールチームを回らせてもらっているんですが、そのとき、高校生は「春高バレー」というすごいきらびやかな大会があるのに、ジュニアにはそんな大きな大会がないなぁ、と。
でも、各地で自発的に大会を開いているのを知っていたので、それなら私も、小学生のうちからがんばっている子どもたちが輝ける舞台を作れたらいいなと思って小学生向けにしました。
“はんにゃ.”がバレーボール漬けの日々の心の支え
——さとゆりさんは、なぜ芸人に転身したんですか?
小学生のころからお笑いは大好きだったんですけど、三者面談で「ゆりちゃんはおとなしすぎます!」と言われるくらい人前ではしゃべられへん、おとなしい子でした。でも、バレーボールを始めて、そこからメキメキと才能を発揮しまして、バレーボールで就職までできました。
ずっとお笑いは好きでしたけど、練習が本当に厳しくて、お笑いに関する何かをするヒマもない。とくに中学時代の部活ではキャプテンやったから、監督にすごく叱られて本当に行くのが嫌だったんです。
でも、水曜日夜10時からの『爆笑レッドシアター』(フジテレビ系)のはんにゃ.さん、フルーツポンチさんを見るためだけに1週間がんばっていました。とくに、はんにゃ.さんは“命の恩人”やと思ってます。

——『爆笑レッドシアター』が心の支えだったんですね。
あの番組がなかったら、私はバレーボールを続けられてなかったと思います。それで3年間を乗り切って、高校・大学とバレーボールに打ち込み、そのまま母校の氷上高校で教員として働き始めました。
そのころ、私自身はすごく叱られて育ってきたので、“叱ることが正義”だと思ってたから「厳しくせなあかん」と生徒にめちゃ厳しくしてたんです。でもだんだん、自分でも「なんか違う」と矛盾を抱えるようになって……。
——それはどんな矛盾でしょう。
「お笑いが好きやのに、なんでこんなことしてるんやろう」と考えるようになったんです。ちょうどそのときに『キングオブコント2017』があって、にゃんこスターさんがすごく活躍されてたんですよ。アンゴラ村長さんが気になってネットでプロフィールを調べたら、「同い年の女性で、お笑いやってるやん! しかも、縄跳びを飛んでるだけやん!」と……。いまではそんなこと思わないですよ! だけど、当時は非常にナメてました(笑)。
「それなら、私もやってみよう」って、そこで初めてお笑い芸人のなり方を調べて、初めてNSCの存在を知ったんです。それならば、と親に相談したら「自分のおカネでやるんやったら好きなことしなさい」と背中を押してくれたので、2年勤めた教員をスパッとやめてこの世界に入りました。
——バレーボール一筋から、芸人というのは大胆な方向転換ですね。
友だちに「お笑いは向いてないやろ」とか「バレーでいけばよかったのに」とかも言われましたけど、いまではバレーボールで培った根性が発揮されて、なんとかここまでやれているという感じです。

——「バレーボールあるある」など、バレーボール一筋だったからこそできるネタが人気ですね。
NSCに入ったときに、初めて(大学の)「お笑いサークル」なる存在を知って、そこ出身の人とかもう(芸人として)出来上がってるやん! みたいな感じやったんです。
この人らには勝たれへん、でも負けたくない。「じゃあバレーボールなら勝てるやん! “バレーボール芸人”でええやん!」ってひらめいたのが始まりです。ひとつ上の先輩に、“ラグビー芸人”のしんやさんもいらっしゃったし、「特化型もいる」というので、しんやさんをお手本にさせてもらってます。
——“バレリーナ芸人”の松浦景子さんもいますしね。
松浦さんのことはすごく尊敬していて、本を出したいと思ったのも松浦さんの影響です。同じ道を辿らせてもらえるようにがんばってます。松浦さんには以前、『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』(フジテレビ系)の楽屋でご挨拶させていただいて、「尊敬しています!」と伝えることができました。
私を育ててくれたバレーボールへの恩返しに
——改めて、4月20日開催の「さとゆり杯」はどんな大会になりそうですか。
私は子どものころから芸人さんが大好きだったので、芸人さんが会場に来てくれたりとかするのは、子どもたちもうれしいんじゃないかな? と。吉本ですし、ほかの大会とは違う特別感を出したいので、芸人さんにも参加してもらえる大会を考えています。小学生に人気のある芸人さんたちに来てもらえるよう準備していて、そのための費用をクラウドファンディングで募ろうと思っています。

——真剣勝負と、お笑いの楽しさを盛り込んだような内容?
でも、8~9割方は真剣勝負にしたいですね。「真剣にバレーに打ち込んで勝利を目指す」のはすごく楽しいことなので、試合自体にはこちらが何か手をいれる必要はないのかなと。あと、いろんなジュニアチームが集まるので、チーム同士が交流できるチャンスがあれば、子どもたちの思い出になるでしょうし、その時間も大切にしたいです。
そこに芸人さんがどう出られるかバランスも考えている最中で、開会式とかアップ(準備体操)だったら芸人さんと一緒に楽しくできるかな? とか、芸人チームのエキシビジョンマッチとか……いろいろ考え中です。バレーボールに育ててもらってここまで来たので、バレーボールに何かしら恩返しできるような大会にしたいです。
——今後の目標を教えてください。
「さとゆり杯」に関しては、まだ夢ですが各地で予選を開催して、最終的に全国大会が開けるような規模に育てるのが目標です。自分としての目標は……私の中で、バレーボールと言えば思い浮かぶ有名人は大林素子さんなんですけど、そこを塗り替えたいです(笑)。バレーボールと言えば「さとゆり」とパッと名前が出るような存在になりたいです。
大会概要
さとゆり杯

日時:2025年4月20日(日) 10:00開始 17:30終了予定
会場:関西大学北陽高等学校
(〒533-0006 大阪府大阪市東淀川区上新庄1丁目3−26)
出演者:さとゆり 他よしもと芸人
参加条件:小学生チーム(男女関係なし)
参加チーム数:10チーム
申込締切:2月28日(金)23:59まで
抽選結果発表:3月4日(火)18:00
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