書道の伝統と現代の感性、そして独自の哲学を融合させた筆文字アートで注目される書道家・永山玳潤さんによる個展『彩縁』が、6月26日(木)〜7月7日(月)に大阪・LAUGH & PEACE ART GALLERYで開催中です(入場無料)。初日の6月26日(木)には、書道をたしなむアキナ・山名文和も駆けつけ、永山さんと一緒に書道パフォーマンス! 大迫力の模様をレポートします。

「初めて筆で書いたとき、雷に打たれたような衝撃が」
会場に展示されている作品は、永山さんが書道の古典臨書で体得した正統派技術を基盤に、斬新なデザイン性と線の勢いを網羅した擬態文字創作が中心で、色彩を取り入れた新技法もあり、書道の新たな可能性を感じさせるものばかりです。
永山さんは4歳で初めて筆を持ち、22歳で雅号を取得。35歳のときに書家・宮下寛昇氏に師事し、その後は書道家として本格的に活動を開始。書を通じて日本人固有の「美」の感覚と精神性を現代に伝えるべく、作品制作やライブパフォーマンス、映像作品、アートとのコラボレーションなど精力的に活動しています。


イベント開始直後、さっそく山名が永山さんと書道談義に花を咲かせます。プライベートで書道をたしなむ山名は、「すっごいうれしいです。一方的に(永山さんの)インスタグラムを見させてもらってます!」と早くも興奮気味。
山名は2019年に突然、書道がやりたいと思い立ち、「すぐに始めないとこの気持ちが消えてしまう」と書道家・信貴黎香さんに月に1回、書道を習うことに。
「初めて筆でパッと書いたとき、ぜんぜん上手じゃないのに、雷に打たれたような衝撃があった。それくらい楽しかったんです」
そこから“狂ったように”書道に打ち込んだという山名。その熱意に永山さんも「見習わないとですね」と感心していました。一方、永山さんは作品づくりのルーティンを語ります。
「いつも夜10時くらいからやっとエンジンがかかってきて、(深夜の)3時くらいまでですね」

これを聞いた山名は「夜中なんですね!」と目を丸くしていました。山名は結婚して子どもが誕生してから、子育てに忙しくてなかなか書道に向き合う時間が取れなかったといいますが、「子どもが3歳と2歳になって、ちょっとだけ落ち着いてきたので、子どもが寝た夜中にやろうかなって思ってるところです」とやる気にますます火が付いた様子です。
「最初の“突き”がすごくいい」
書道談義が盛り上がったところで、いよいよ永山さんから「書いてみます?」と提案が。2人の背後に広げられた大きな紙に、山名が「動」、永山さんが「静」をライブパフォーマンスで書くことに。
「僕が!? そんなんしたことないです!」と恐縮する山名を、永山さんが「いつもの舞台のノリで!」と鼓舞します。
書く直前、永山さんの決めポーズでもある人差し指を額の前に立てて精神統一。
永山さんから「“押す”というか、“突く”感じです」との筆使いのアドバイスをもらい、大胆に「動」を書き上げた山名。その躍動感あふれる文字に、会場から拍手が起こります。

「めちゃくちゃうれしい! ありがとうございます!」と感激しきりの山名に、永山さんは「最初の“突き”がすごくいいです」と太鼓判でした。
続いて永山さん。「動」を書いた山名とは対象的に、落ち着いた所作で、しかし大胆に「静」の字を紙にしたためました。山名は、そんな永山さんの字に「かっこいい~!」とほれぼれしていました。

「親近感が湧いたし、すごくうれしい」
書道パフォーマンス終了後の囲み会見でも、「(書道パフォーマンスを)やってみたかったんで、めっちゃうれしかったですね」とニコニコ顔の山名。永山さんも、このコラボ作品について「本当に最高です」としながら、「この(最初の)“突き”はさすがやな、と思いました」と改めてベタ褒めです。永山さんは、このコラボ作品を「勢いと落ち着き」と名付けました。
今回の書道パフォーマンスで、距離が一気に縮まった2人。山名は、興奮冷めやらぬ様子でこう話します。
「永山さんが大阪出身と聞いてめちゃ親近感が湧いたし、僕が書道を習った信貴黎香先生と(永山さんの)お師匠さん(宮下寛昇氏)が同じ方なんですよ。それを聞いて、ぐっと近づいたというか、すごくうれしかったです」

作品の出来栄えを山名は「経験と、ありがたさと、先生にお会いできたから100点満点です」と断言。一方、永山さんは「99点」とし、「あと1点は、これからの伸びしろに期待するという意味合いの“99”です」と笑顔を見せました。
「これから書道をやりたいなっていう方に、小さなお子さんや小学生にもご覧いただきたいです」と永山さんが語る個展『彩縁』。
ギャラリーでは、永山さんと山名が今回の書道パフォーマンスで書き上げた作品のほか、字と絵の融合体『蝶』や、銀色の墨に“隕石パウダー”を混ぜて書いた『運命』、字をステンレスでくり抜いて立体にした『龍(天空を舞う龍のように)』など、斬新な書道作品を展示中です。
個展概要
永山玳潤個展「Tyjun Nagayama Solo Exhibition 彩縁-SAIEN-」
日時:6月26日(木)~7月7日(月)13:00~18:00
※火・水曜定休
会場:LAUGH&PEACE ART GALLERY
入場無料
※書道パフォーマンスイベント:7月5日(土)、6日(日)各日15:00~(30分)
詳細はこちらから。