“ブギの女王” 笠置シヅ子の一生を描いた舞台が6年ぶり復活! コロナ禍を経て戦後80年の夏の再演に「天の計らいを感じる」

“ブギの女王”と呼ばれた歌手・笠置シヅ子の一生を描く舞台『SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE~ハイヒールとつけまつげ~』が8月1日(金)~11日(月)の期間、東京・IMM THEATERで上演されます。7月11日(金)には公開稽古と取材会が行われ、主演の神野美伽や、シヅ子のマネジャー役の九条ジョーらが参加。この舞台に懸ける意気込みや見どころを熱く語りました。

出典: FANY マガジン
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九条ジョーは英語でスピーチ!?

強烈な歌唱力とキャラクターで激動の時代を駆け抜けたシヅ子の一生を、日本ポップス界の父・服部良一の音楽に乗せ、歌と芝居と生バンドで描くこの作品。2019年11月の大阪での初演以来、約6年ぶりの再演です。

会見には神野と九条のほか、福本雄樹、加藤虎ノ介、鈴木杏樹らキャスト陣と、脚本のマキノノゾミ、演出の白井晃、音楽監督の小原孝が出席しました。

新型コロナ禍のために頓挫した東京公演が今回、復活したことについて神野は、「再演は“念願”というより“悲願”に近い」と語ります。この6年の間に、笠置の楽曲をカバーしたアルバム『SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE』をリリースしたこともあり、改めて役柄への理解も深くなったそうで、こう力を込めました。

「6年も時間が過ぎてしまった、と最初は思っていましたけど、この6年という時間をいただいて本当によかったなと、いまは思っています」

出典: FANY マガジン
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前回に続いて出演するメンバーも、再演に喜びの表情を見せました。シヅ子を慕う“妹分”を演じる鈴木は、こう語ります。

「神野さんを通して笠置シヅ子さんのパワー、エネルギー、人となり、人生、さまざまなことを知ることをでき、舞台に参加していながら、舞台そのものをすごく楽しんで見ているような感覚がありました。そんな舞台がこのたび念願叶って東京でも上演されるので、それがとても嬉しいですし、たくさんの皆さんに見ていただきたいです」

シヅ子の恋人・吉本穎右を演じる福本も「たぶん、6年前よりも神野さんがもっとパワフルに見えると思いますし、僕たちも、より見ている人が元気になるような力強い作品にしたいです」とさらなるパワーアップを誓いました。

今回が初参加となる、作曲家・服部良一役の加藤は「改めてまた一から作るということで、この現場のこのメンバーでできる最良のやり方で、新しいものを見つけていけたら」と意気込みます。

九条は「I think so…」と英語で話し出すと、そのまま「この作品にはたくさんのメッセージや考え方が込められていると思います」と英語でトーク。そして最後に神野が「通訳すると、『とても嬉しい』ということです!(笑)」とまとめ、記者陣も爆笑でした。

出典: FANY マガジン
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ミュージシャンによる生演奏も見どころ

演出の白井は、初演時に「人間ドラマを非常に上手く構築される方」ということでマキノに脚本を依頼したときのことを振り返ります。

「初めてのセッションでしたけど、たくさんディスカッションをさせていただきました。歌手である神野さんが笠置シヅ子さんを演じるというところがミソで、神野さんが笠置さんの人生を語るという形で物語が進行する構造にしていただいた」

そのマキノは、この舞台の見どころをこう話します。

「シンガーの方が笠置シヅ子を大いに歌う。同時に、その人生を芝居として演じる。だからすごく渾然一体としているんですよね。いわゆるミュージカルでもないし、リサイタルでもない、でも単純な芝居でもない、全部が一体になっている。このジャンルでしかないというものになるんじゃないかと思います」

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音楽監督を務める小原ら7人のミュージシャンによる生演奏も見どころで、白井はこう説明します。

「前回は(ピアノの)トリオでやっていただいたんですけど、今回は管楽器の方々も入っていただいて。より充実した音楽をお届けできるんじゃないかなと思います」

鈴木も「誰よりも大変なのが小原さん。私たちが出る前から先にステージに上がってらして、私たちがハケたあとも小原さんたちは残るんです。最初から最後まで私たちに寄り添ってくれる」と、ミュージシャンたちを称えました。

そんな小原は、服部良一の残された楽譜のなかから、未発表と思われる作品『大空の弟』を発見し、初演時に使用。シヅ子の心境とも重なるこの曲は、シヅ子の人生を描いたNHKの連続ドラマ小説『ブギウギ』にも登場し、話題となりました。

朝ドラでは短く披露されたこの曲について小原は、「舞台で歌う完全版にはもっと激しい部分や悲しい部分も含まれているので、ぜひ聴いてほしいです」と語ります。神野は「6年前も毎回、うしろで八郎が語ってくれて、胸が熱くなる思いで歌っていました」と振り返りました。

今回の公演は、戦後80年を迎える8月に行われます。マキノは「そんな時に再演できるというのは、天の計らいのように感じます。ご覧いただく方にも何か感じるものがあるのではないか」と語りました。

出典: FANY マガジン
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歌と音楽と演技が融合した舞台

公開稽古は、シヅ子の1人語りの場面からスタート。宝塚音楽学校を不合格になり、松竹楽劇部に自らのアピールで入ることになる、気が強く、溌剌とした少女時代のシヅ子を、神野がイキイキと演じます。

白井からは「この言葉をもう少し強調して」といったディレクションが入り、神野はその都度セリフを調整。表現をブラッシュアップしていきます。テンポよく物語は進み、シヅ子はやがて大阪から東京へ。神野以外の4人のキャストは、メインとなる役のほか、さまざまな人物を兼ねており、時の流れに合わせてシヅ子を取り巻く人々を巧みに演じます。

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シヅ子の語りの合間に入ってくるのが、小原が演奏するピアノ。時にBGMとして、時にシヅ子の歌の伴奏として、ドラマティックに物語を彩ります。神野は、小原とアイコンタクトを取りながら、少女歌劇のかわいらしい歌から、服部良一のアドバイスによって地声で歌うことになるジャズまで、さまざまなジャンルの歌を表現力豊かに歌い上げます。

この日の公開稽古では、恋人との別れのシーンで歌われる、高峰三枝子の名曲『湖畔の宿』(作曲:服部良一)と、シヅ子の代表曲である『東京ブギウギ』を特別に披露! 神野は物悲しくセンチメンタルな『湖畔の宿』をしっとりと、そして『東京ブギウギ』を明るく楽しく歌い上げました。

「前回(初演時)は、“笠置シヅ子さんになろう、なろう”としていたけど、いまは自分の中に笠置シヅ子さんがポンっと入っているような感覚がある」と手応えを語る神野。ますますパワーアップしている舞台に期待が高まります!

出典: FANY マガジン
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公演概要

舞台『SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE』~ハイヒールとつけまつげ~
脚本:マキノノゾミ
演出:白井晃 
音楽監督:小原孝
企画・プロデュース:尾中美紀子/オフィス100%
キャスト:神野美伽
加藤虎ノ介 福本雄樹 九条ジョー 鈴木杏樹
バンド:
小原孝(音楽監督/Piano)
ASA-CHANG(Drums)
竹中俊二(Guitar)
小松悠人(Trumpet)※8月01日~07日出演
河原真彩(Trumpet)※8月08日~11日出演
宮崎佳彦(Saxophone)
西村健司(Trombone)
劇場:IMM THEATER 
(東京都文京区後楽1-3-53 東京ドームシティ内)
チケット料金:
<前売>
一般:9,800円(税込)
U-25:6,800円(税込)
ペア:18,600円(税込)
<当日>
同金:9,800円(税込)

オフィシャルホームページ:https://sizukoboogie.yoshimoto.co.jp/ 

公演日程:
8月01日(金)①開場 15:30/開演 16:00
8月02日(土)②開場 12:30/開演 13:00 ③開場 17:30/開演 18:00★
8月03日(日)④開場 12:30/開演 13:00 
8月04日(月)⑤開場 18:00/開演 18:30★
8月05日(火)⑥開場 12:30/開演 13:00 ⑦開場 17:30/開演 18:00★
8月06日(水)⑧開場 15:30/開演 16:00
8月07日(木)⑨開場 12:30/開演 13:00 ⑩開場 17:30/開演 18:00★
8月08日(金)⑪開場 15:30/開演 16:00
8月09日(土)⑫開場 12:30/開演 13:00 ⑬開場 17:30/開演 18:00★
8月10日(日)⑭開場 12:30/開演 13:00
8月11日(月)⑮開場 12:30/開演 13:00
※開場は開演の30分前
※公演時間は約130分を予定
★・・・アフタートーク付き
(公演によって出演者・内容は異なります)

FANYチケット:https://yoshimoto.funity.jp/kglist/?kw=QUEEN+OF+BOOGIE

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