お笑いコンビのザ・パンチ(パンチ浜崎、ノーパンチ松尾)による17年ぶりの単独ライブ『ザ・パンチの本気』が、10月10日(土)に東京・ルミネtheよしもとで開催されました。座席は前売で完売、開放した立ち見席も完売と、満席になった会場でザ・パンチの2人は漫才だけでなく、まさかのコントまで披露!? この大先輩であるザ・パンチさんの記念すべき単独ライブに、2人の後輩であり芸人ライターとしても活動している私、けんじるが行ってきました!

“おっさん芸人”になっても鳴り止まない歓声
前置きになりますが、ザ・パンチさんは自分の3年先輩で、若いころから同じ劇場でライブをやってきました。
当時、ご一緒させていただいていた東京・渋谷のヨシモト∞ホール(現・渋谷よしもと漫才劇場)は、女子高生や若い女の子のお客さんが多かったのですが、ザ・パンチさんまったく人気がなく、笑いはとっていたけどファンは少なかった……(と、本人たちも言っています)。
なのでこの日、会場の扉を開けた瞬間、満員のお客さんが広がる光景にビックリしました!
開演10分前、劇場は立ち見席まで埋まっていました。芸歴30年にもなれば、お客さんが減っていく傾向にありますが、ザ・パンチさん(芸歴29年目)は増えている。しかも、女性より男性のお客さんのほうが多かったように見えます。
そして出囃子のPerfumeの曲に乗って、黒のスーツを着た松尾さんが登場すると、拍手とともに大歓声! 少し遅れて登場した浜崎さんは、2008年のブレイク時やM-1決勝進出の時期に着用していた紫の衣装。いつものようにニヤニヤして四方八方へ頭を下げながら、ゆっくりとセンターマイクまで進みます。
まだ何もしゃべっていないのに拍手喝采、大歓声! 大人の歓声が響き渡っていました。“おっさん芸人”になっても鳴り止まない歓声を浴びる、おふたりの姿に感動しました。

「砂漠でラクダに逃げられて~」が炸裂!
松尾さんは開口一番、「今日、同じ日に横浜アリーナでHey!Say!JUMPもライブやってるみたいだけど、お客さんカブってるから大変だよな~!」とボケて、お客さんの笑いをガッチリ掴んでスタートです。
1本目の漫才は、ザ・パンチさんの代表作とも言える松尾さんの「死んでぇ~」の嘆きツッコミネタ! 松尾さんが「砂漠でラクダに逃げられて~」と嘆いた瞬間、会場は待ってましたとばかりの拍手笑い! 個人的には「楽屋でMEN’S NON-NOとか読まないで~」がツボでした。
1本目の漫才から松尾さんのツッコミの張り方、声量が半端じゃない。凄まじい気迫を感じました。

そして、2本目の漫才。今度は、松尾さんが緑のスーツを着て、浜崎さんは黄色のダブルのスーツを着て登場です。おふたりとも結婚して子どもがいるので、“子どもの反抗期”という年代に合ったネタでした。
父親と子どもの設定でネタを始めるのですが、浜崎さんがどんどん脱線していく。松尾さんは、ヒートアップしながら声を荒らげてツッコむ!
すると浜崎さんが、こんなことを言い出します。
「松尾! お前はツッコむとき、 手がパーになって開いてると俺に近づいてくる。手をグーにして握っていると、その場を回りだす」
確かにそうだった! コレは学生時代から長年コンビを組んでいるからこそわかるクセだ! なんかジーンとなりました。

漫才中、松尾さんがずっとネタを進行しながら喋っているのですが、浜崎さんは終始、ヘンな独り言のような違うことを喋っています。でも、ボケるタイミングや合わせるところは完璧に入る! ベテランならではの高度な技術を見させていただきました。
サッカーワールドカップのような一体感!
3本目の漫才は、お笑いもサッカーワールドカップみたいにしていきたい! というネタです。ちなみに松尾さんはダークグレーのスーツ、浜崎さんは赤のチェックのダブルのスーツに変わっていました。
浜崎さんがボケてウケたら、それはサッカーでいう「ゴール」。そしてお客さんは、サッカーの応援のように手を広げて、サッカー観戦のように手を叩く。「イエローカード」や「レッドカード」、「遅延行為」など、サッカーにリンクさせたボケで会場は大爆笑です!

サッカー日本代表戦をスタジアムで見ているようなお客さんとの一体感! ザ・パンチさんは、2人で喋るだけでなく、お客さんを巻き込みながら空間を作る漫才が非常にすごかった。これもベテランならではの技術の高さを感じました。
そして最後に、ユニフォーム交換ならぬジャケット交換をしていました!
「松尾は東京No.1ツッコミ」
ネタの合間に流れるVTRは、「浜崎さんがビールに合うつまみを探しにいく」というテーマ。浜崎さんとは何回か飲ませていただいたことがありますが、大の酒好きでむかし、「俺は大酒呑みの武将・張飛になりたい」と言っていたのを思い出しました。
赤羽の居酒屋や公園を飲み歩き、最後はベロベロ。すると浜崎さんが「こんにちは~赤ちゃん、私がパパよ~♪」と急に歌い出します。これに松尾さんが、「こいつ酔うと毎回、この歌を歌い出すんだよ! 何回も歌うよ!」とツッコんでいました。

実際、その後のVTRで何回も歌っていました……が、ここでも学生時代からの付き合いの長さを感じて微笑ましかった! そして浜崎さんが酔いながら、「松尾は東京No.1ツッコミ」と言っていたシーンでは、お互いの信頼関係の深さを感じました。
VTR明けの4本目の漫才も、松尾さんは黒のスーツ 浜崎さんはカーキのダブルのスーツに着替え。浜崎さんが、本当は右利きなのに左利きと言ったり、シソンヌや空気階段のような芸風が好きなどと“天才”に見られたい感じを出したりするネタは秀逸でした!

まさかのコントも最後は…?
そして、次のネタ振りVTRになると、なんとコントが始まるようです! 自分もザ・パンチさんのコントは見たことがなかったのでワクワクしました。
ステージが明るくなると、テーブルが置かれ、イスに座った松尾さんの姿。ザ・パンチさんのコント、初めて見た! たぶん、お客さんも初めてだったんじゃないでしょうか。
そして、上手からスーツではなく普通の私服を着た浜崎さんが登場! それだけで、すごく新鮮に見えました。
とはいえ、コントは最初のシーンだけで掛け合いはほぼ漫才。最終的には、舞台中央に2人並んで喋って漫才になっていました!

最後は“ギリギリの内容”で会場爆笑!
5本目の漫才は、浜崎さんが黒のダブルのスーツ、松尾さんがザ・ぼんちの里見まさと師匠にいただいたというスーツで登場。友人に頼まれる結婚式のVTRの内容を20年変えてないからリニューアルするというネタです。
おふたりが高校生のときに作った唯一のショートコントを見ることができました!

そしてなんと最後は、いつもなら自由にボケる浜崎さんがボケではなく聞き役で、松尾さんが世の中の細い引っかかる点などをブチ切れながら論破していくネタでした。メチャクチャ毒づいたツッコミや例えが止まることなくマシンガンのように炸裂!
かなりギリギリの内容もありましたが、会場は爆笑の渦。配信もなく、コレこそ現場に足を運ばないと楽しめないライブの良さを存分に味わえました。
すべてのネタが終わり、エンディングでは「僕らのグッズ買った人いますかー?」と呼びかけると、「少ないですね」と自虐ネタで最後の最後まで爆笑でした!

「取材なんかよりも早くビールが飲みたい!」
終演後にザ・パンチのおふたりを直撃させていただきました。「17年ぶりの単独ライブを終えて、いまの心境はどうですか?」とお聞きしたところ――。
松尾さんは「素直な気持ちを言ったら、取材よりも早くビールが飲みたい!」と、一大イベントを終えて安堵した様子。また、「舞台に出てきたときにお客さんの顔を見てしびれたね!」(浜崎さん)、「この光景をずっと見ていたいと思った」(松尾さん)と、17年ぶりの単独ライブに胸が熱くなったようでした!
その後も漫才のような掛け合いが続く2人。
浜崎さん「今日、このあとルミネを出るとき、たぶんボインのチャンネエ~が出待ちしてるだろうな!」
松尾さん「キモいな~」
さらに「芸歴30年を迎える今後の展望、目標はありますか?」と聞くと――。
浜崎さん「1杯目は生ビールかな」
松尾さん「そんな直近のことじゃなくて」
気を取り直して、「次のTHE SECONDももちろん出ますよね?」という質問に、2人は「あれば出ますよ! ネタも作るし出ない理由はない」と声をそろえました。

この日のライブを取材をさせていただいて、「ホント、漫才って長く続ければ続けるほど人間味や関係性が出るものなんだな」と痛感いたしました。学生時代からの同級生コンビの仲の良さは、本日、来場したお客さんに伝わったと思います!
心から漫才を楽しんでいるおふたりなので、今後の活動やTHE SECONDにも期待しかないですね! ザ・パンチさん、ホントお疲れさまでした!
