“上方落語”を盛り上げる「大阪落語祭」は連日大盛況! 東西の“金看板”から若手噺家まで珠玉のネタ披露

上方落語の魅力を発信する大阪国際文化芸術プロジェクト『第七回 大阪落語祭』が、9月18日(金)~23日(水・祝)の期間、大阪・国立文楽劇場で開催されました。初日の「文楽劇場公演」に続き、19日(土)からは「中秋大吉寄席」を連日上演。東西の金看板から次代を担う若手までが高座に上がり、各回のトリを上方の中堅・若手噺家が勤めました。23日(水・祝)の「大千穐楽公演」では、高座に加えて若手による「100秒小噺」や大喜利も行われ、大いに盛り上がりました。

出典: FANY マガジン
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人気噺家が最上の一席を口演

9月22日(火・休)の1回目公演の開口一番を務めたのは桂弥壱です。弥壱は、兵庫県の消費者トラブル防止のイメージキャラクターを務めた際、ポスター撮影でカメラマンに褒められた話から「普請ほめ」へ。褒め言葉を教わる若者と、それを心待ちにする“池田のおっさん”のやり取りを軽妙に描き、会場を温めました。

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続いて登場したのは笑福亭生寿。自身の名前を読み間違えられる話で笑わせたあと、来年の「入門20周年」の独演会を告知し、「これを言うためだけにここに来たと言っても過言ではない!」とアピールします。

演目は「近日息子」。息子の早とちりを発端にした噺で、父親が亡くなったと思い込んだ近所の人が元気な本人と対面する場面では、互いに言葉を失う一瞬の静けさで緩急をつけ、大きな笑いにつなげました。

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中トリの笑福亭仁智はマクラで、生寿の独演会の日付をもう一度、客席に伝えます。年齢とともに物忘れが増えたという自身の話や、高齢者を題材にした小噺を重ね、創作落語「トクさんトメさん」へ。

病院で過ごすおばあさんたちの会話から、見舞いに来た息子夫婦とのやり取りまで、巧みに登場人物を演じ分けます。次々に飛び出す言葉遊びでも会場を沸かせました。

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中入り後、東京から立川志らくが登場すると、客席から「待ってました!」の声。志らくは「唯一東京の落語家でアウェイです。でも立川流なので東京でもアウェイです」と応じて、「親子酒」を披露します。

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禁酒の約束を破りたくて、あの手この手で妻を説得する父親。ようやく酒を口にすると上機嫌になり、歌やものまねも飛び出します。そこへ同じく酔った息子が帰宅。酔いが回り、体をゆらゆらと揺らしながら言葉を交わす親子の姿に、客席の笑いが止まりませんでした。

トリを勤めたのは笑福亭鉄瓶です。座布団に座るなり「メインディッシュ終わったみたいな顔してはるけど」と志らくの高座を引き合いにひと笑い。マクラでは、妻の推し活をめぐる家庭での出来事も臨場感たっぷりに語ります。

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そして「親子の噺を」と、落語作家の小佐田定雄作の「火事場盗人」へ。火事場で預かったつづらから赤ん坊を見つけた盗人が、その子を育てていく物語です。

前半は赤ん坊をあやすしぐさなどで笑わせますが、18年後、子どもを捜し続ける父親と出会う場面では一転、切々とした語りに。客席が静かに耳を傾けるなか、生みの親と育ての親、それぞれの思いを丁寧に描きました。

若手噺家による「100秒小噺」対決も

9月23日(水・祝)の「大千穐楽公演」は、司会の桂米團治とFM802のDJ・高樹リサの挨拶で幕開け。

出典: FANY マガジン
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若手噺家9人による「100秒小噺」のコーナーでは、桂小梅が一番に選ばれました。続いて本編では、月亭柳正が「動物園」、桂慶治朗が「真田小僧」を披露。さらに桂吉坊が「軽業」を口演し、笑福亭生喬が「猫魔寺」を務めました。

最後は「大喜利」対決で大盛り上がり

中入り後は、笑福亭喬介が「饅頭こわい」を披露。饅頭が怖いと言う男を怖がらせようと準備を進める面々のわくわくした表情を見せたかと思えば、饅頭を頬張る男の幸せそうな表情を臨場感豊かに演じて楽しませました。

桂吉の丞は、師匠の桂吉朝、その師匠の桂米朝とのつながりに触れたのち、中島らも作の「披露宴」を口演。結婚相手の家族に極道であることを告げていない新郎のため、仲間たちは“仕事”を別の言葉に言い換え、正体を隠そうとします。

しかし披露宴では、緊張のあまり親分の言動がますます不審に……。口は悪いが愛嬌のある親分をはじめ、登場人物たちの慌てぶりで笑わせました。

今回の『大阪落語祭』の大トリを勤めたのは桂文三です。マクラでは、同じ演目でも演じ手によって違いがあると語り、師匠の五代目桂文枝から教わったという「時うどん」を口演。

アツアツのうどんをふぅふぅと冷ましてすする様子や、散々食べつくされ、短いうどん3本に嘆く喜六の姿、喜六に振り回されるうどん屋の戸惑を、しぐさと声で鮮やかに表現します。有名な噺だけに観客の反応も素早く、終始、笑いの絶えない時間になりました。

2回目の「100秒小噺」のお題は「大阪城」です。名古屋城と大阪城を擬人化した会話や、戦国武将を題材にした話など、出演した9人の発想は実に豊か。オチの直前で時間切れとなった桂小留が改めてオチを披露すると客席から「おお!」と感心の声が上がりました。

そんななか、この組の一番に選ばれたのは、城を落語家になぞらえた笑福亭大智。名前を呼ばれた大智は、両手を挙げて喜びました。

出典: FANY マガジン
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落語祭のフィナーレは、桂小文枝と月亭八方がそれぞれリーダーを務める2チームが競う「大喜利」です。天満天神繫昌亭をお題にした「やりくり川柳」では、あらかじめ書いた下の句につながる中の句を即興で考えます。

続く「あいうえお作文」でも、互いの答えや米團治の進行を受けてやり取りが広がりました。最終的に客席の拍手で勝者を決めることになり、小文枝チームに軍配が上がりました。

最後には、米團治がお囃子を担った出演者たちの名前も紹介し、「上方落語がここまで来たのも皆さまのお力添えのおかげ」と感謝。東西の噺家による高座に若手の「100秒小噺」、そして一門を越えた大喜利で大いに盛り上がった『第七回 大阪落語祭』は、満場の笑顔のうちにお開きとなりました。

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