吉本興業が110周年を迎える今年、吉本新喜劇で初めて「GM(ゼネラルマネージャー)制度」が導入されることになりました。初代GMには、1970年代に24歳の若さで座長となったレジェンド、間寛平の就任が決定! 2月9日(水)に都内で開かれた就任発表会見で寛平は、さっそくギャグを連発しながら、吉本新喜劇のさらなる“進化”を語りました。
妻に背中を押されて就任受諾
寛平がGM就任を打診されたのは、昨年6月のこと。全国を巡る『芸能生活50周年+1 記念ツアー』の真っ最中に、妻の光代さんとともに会社に呼び出されたといいます。
「社長から『若手を育ててほしい』と言われて、『まだ僕が育ってないんやけど……大丈夫ですか?』と聞き返しまして」
このエピソードに、MCを務めた新喜劇座員の未知やすえが、思わず大きくうなずきます。
「私、寛平さんの座長だった組で(座員人生が)始まったんですけど、1回も教えてもらったことないんです。なので、私も驚いています!(笑)」
そんな寛平ですが、光代さんの後押しもあってGM就任を受諾。「この歳ですから引退を考えていたころだったんですよ。でも、こうして頼まれて“僕でも必要とされるのか”と考え、頑張ってみようかと引き受けました」と振り返ります。
すでに今後の方針について会社との会議を重ね、舞台のチェックや、座員たちとコミュニケーションをとって若手座員について勉強をするなど、GMとして精力的に活動を進めているとのこと。吉本新喜劇の新たな一歩に向けて、こう意気込みました。
「必ず大スターを作っていきたいと思っています。頑張ります! なんだったら僕のギャグをあげます……。『いらん』って言われるかもわからんけど(笑)」
すっちーと酒井藍からも期待の声!
会見では、座長のすっちーと酒井藍も登場。すっちーは「(寛平は)レジェンドですから、そんな方がGMになられるということで……ほんまに何とも思ってません」とボケつつ、“寛平GM”に期待を寄せます。
「もちろん現場は我々座長がグイグイ引っ張っていかなアカンなって思いますけど、新喜劇という大きな船の船長という役割をしてくれるわけですから。座員全員、船酔いはすると思うんですけど(笑)、我々が見たことないような島に連れて行ってくれるんじゃないかって思います」
一方、酒井は寛平の人柄について語りました。
「気配り、目配りのすごい人なんですよ。みんなに対して平等で、みんなに声をかけてくださる方。もちろん吉本新喜劇のことは教えていただきたいんですけど、人生のこととか、ほかのこともたくさん教えていただきたいです」
寛平が目指すのは、古き良き人情物語が楽しめる新喜劇と、最先端の新喜劇の融合だといいます。「(いまの新喜劇を)勉強していかないといけないし、僕が正しいとはまったく思っていないです。ファンあっての吉本新喜劇」と、その思いを語ります。
すっちーも共感しながら、こう付け加えました。
「若い人に向けてここ数年やっていたので、寛平師匠がやっていたころのような人情芝居が欠けている部分もあって……。若い子に笑ってほしいという気持ちはありつつ、古き良き時代の作品を融合させた新喜劇ができれば」
ビッグプロジェクトも始動
今後の活動方針について寛平GMは、さっそく2つのプロジェクトを掲げました。
まずは、賞レースで活躍する芸人を多く輩出する大阪・よしもと漫才劇場にならって、「吉本新喜劇劇場」のような場をつくることを目指す、というものです。
なんばグランド花月、よしもと祇園花月という常設劇場はあるものの、109人もの座員を抱えていると、どうしても舞台に出られないメンバーがいます。そこで、若手座員が切磋琢磨できる場所をつくるというのが寛平の考えです。
さらにもうひとつは、10月10日(月、祝)に『吉本新喜劇まつり(仮)』を開催すること。インターネット投票で30人の座員を選出し、“オールスター”の新喜劇を上演するといいます。出番の少ない座員もチャンスをつかむ可能性があるイベントです。
その後、会見イベントでは、座員の太田芳伸とボンざわーるどが加わり、ミニ新喜劇を披露したり、大阪にいる座員とオンラインでつないでやりとりするなど、爆笑の連続に……。最後は記者から「今回のプロジェクト、“本気”ですか?」と問われた寛平が「誰が“モンキー”やねん!」と、お約束のやり取りで笑いを誘いました。
今後は、GM月例会見を毎月開き、その場でプロジェクトの進捗状況などが発表される予定です。第1回は2月28日(月)に開き、3月以降は毎月最終水曜に実施されます。
詳しくは公式HPで