これまでさまざまな形でコラボレーションしてきた吉本新喜劇とNMB48が、初めて“本気のミュージカル”でタッグを組んだ『ぐれいてすと な 笑まん』。この話題作が5月14日(土)、大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールで初日を迎えました。この日は、公演前のゲネプロをマスコミに公開。終了後には、脚本を手掛けた吉本新喜劇座長の川畑泰史を始め、NMB48メンバーら出演者による囲み会見が行われました。
『ぐれいてすと な 笑まん』は、川畑座長が両者の魅力をたっぷり盛り込んで書き上げた脚本を、ブロードウェイミュージカルの演出も手がける玉野和紀氏が上演台本化。さらに演出・振り付けも担当し、誰も見たことのない本格爆笑エンターテインメントが誕生しました。
オールキャストで“本気モード”の歌とダンス!
物語の舞台は、地球とよく似た星にある、大阪によく似た国・なんば。ここではお笑い集団の新喜劇とアイドルグループのNMB48が、ともに人気を得ていましたが、謎のウイルスのまん延によって“笑い”や“笑顔”が禁止されてしまったことから、次々と事件が起こります。
キャストが勢揃いしたオープニングナンバー『MY STAR』では、新喜劇とNMB48が一緒になって、いきなり“本気モード”の歌とダンスを披露。続いて、それぞれの見せ場が用意され、さっそく観客のハートをガッチリつかみます。しかし、物語はそれから1年後、川畑がなぜか病院のベッドで目を覚ますと、世の中はガラリと様変わりしていて……!?
セリフを歌で語るミュージカルならではのパフォーマンスに、出演者たちは大奮闘。新喜劇の末成映薫、島田珠代らがキレのあるダンスで見せるナンバー『ネタ合わせ』や、川畑と妻役のNMB48・加藤夕夏がかわいい掛け合いで聴かせるプロポーズソング、さらには“笑顔”を禁じられたNMB48・渋谷凪咲らが反抗心をあらわにする迫力のシーンなど、次から次へと見どころが続きます。
新喜劇・吉田裕をNMB48が全員でイジりまくる爆笑ソングなど、笑いももちろん満載。日替わりゲストのネイビーズアフロはNMB48、NMB48劇場支配人役の新喜劇・烏川耕一とともに、レッスンと称した早口言葉チャレンジで盛り上がりました。
果たして彼らは、笑いや笑顔に満ちた世界を取り戻すことができるのか!? 新喜劇の西川忠志、今別府直之扮する政治家たちの思惑もからみ、事態は思わぬ方向へ……。クライマックスは、再びオールキャストによる『笑顔でShow!』。本編で語られるセリフ、「歌とダンスとお笑いを融合させた新しいステージ」そのものの展開に、最後の最後まで目が離せません!
末成の熱血稽古は「1日12時間ぐらい…」
ゲネプロ終了後の囲み会見には、新喜劇から川畑、すっちー、珠代、NMB48から渋谷、上西怜、川上千尋、小嶋花梨、そして演出・振り付けの玉野氏が登壇。川畑は、本番直前の緊張をのぞかせます。
「いつもの新喜劇やったら“これでいけるやろう“みたいな感じで、みんなゴハン食べに行ったりする時間なんですけど、今回はこれが果たして受け入れてもらえるものなのか、ようわからん状態で……。あとはやるだけやな、という気持ちです」
渋谷は、前日の通し稽古を客席から見る機会があったそうで、「めっちゃおもしろいです! ミュージカルと新喜劇とNMBがキレイに混ざり合ってる、新しい舞台だなっていうのをすごく感じた」と手応えを語ります。すっちーもこれに完全同意で、「すごくいい感じで混ざってるよね。大阪名物ミックスジュースみたいな感じ」と太鼓判。
歌・ダンス・演技など、苦手な分野はお互いに助け合ってきたとのことで、すっちーは「僕は笑顔がなかなか出なくて、ダンスの時はホンマひどい顔してるんですが、渋谷ちゃんの笑顔もそうですし、今日は上西怜ちゃんがすごい笑顔でこっち見て踊ってくれてて。出てる側なのに癒されます」と頬を緩めていました。
ダンスに悪戦苦闘したというのは珠代。「できないステップはずっとできない。何回やってもできなくて、泣きそうになった」と振り返ります。そんな時に助けてくれたのが、2人で踊るシーンがある塩月希依音で、「笑顔で“珠代さん、こうこうこうです”って言って教えてくれた。でも、半月ぐらいは笑ってくれてたんですけど、それ以降は真顔でした(笑)」。
また、今年75歳になるベテラン・末成のがんばりにも触れ、「新喜劇の合間の休憩時間にも、ひとりで稽古場に行っていた。1日で最長12時間ぐらいやっていたこともある」と明かしました。
いちばんのアピールポイントはNMBのかわいさ!?
上西は、「ダンスのシーンでは、皆さん、めちゃめちゃかわいいので、特に注目して見ていただけたら」と紹介。舞台や芝居に興味があるという川上は、「こうしてご縁があって、玉野さんや新喜劇の皆さんと一緒に舞台に立たせていただけることがすごくうれしい」と大喜び。稽古中の密着映像のなかで、玉野氏から「歌が上手くなったね」と言われていたこともあってファンの期待値が高まっているとのことで、「歌で皆さんを感動させられるように、そして次は玉野さんから“セリフ上手くなったね”って言われるように頑張ります」。
関東出身で、幼いころは新喜劇に触れるチャンスがなかったという小嶋は、「今回は関東に行ける(東京・明治座でも上演)ので、これを機に、関東の皆さんにも新喜劇に触れていただきたい。自分たちのエンターテインメントで笑顔をお届けできたらなと思います」と意気込みを語りました。
玉野氏は、多忙ななか、時間を割いて稽古を重ねた出演者たちを改めて労い、「自分たちに欠けているものを、ちゃんとサポートし合ってる姿があたたかかった」と称賛します。そして、「コロナ禍の時代に、“笑顔ってなんて大切なんだろう”っていうのがお客さんに伝われば」と舞台に込めた思いを語りました。
一方、「いちばんのアピールポイントは?」と聞かれた川畑は、「NMBのメンバーのかわいさ」と即答。NMBファンを公言し、脚本も手がけた川畑には、妻役に加藤を選ぶなど“職権濫用”疑惑も!?
「“夫婦みたいですね”って言うと、まんざらでもない顔をしていた」(川上)、「休憩中に“好きになってもたらどうしよう”と言っていた」(渋谷)など、周囲からの暴露が止まりません。
もっとも、渋谷からは「みんなに満遍なく優しくしてくださる。ホントにみんなのパパみたいな存在です」としっかりフォローも。また、加藤とのデュエットシーンは、珠代が「泣いてしまう。歌い方が(KinKi Kidsの)堂本剛くんばり」と絶賛するなど、出演者にも大好評の様子でした。
『ぐれいてすと な 笑まん』は、大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールで5月22日(日)まで上演。東京公演は、5月26日(木)~5月29日(日)に東京・明治座で上演予定です。