“ムダ”な鉄アートが新しいお笑いに…東大阪の町工場が生んだ“発明芸人”モンスターエンジン西森が初個展!

モンスターエンジン・西森洋一が、5月26日（木）〜29日（日）に大阪・LAUGH＆PEACE ART GALLERY OSAKAで鉄アート展『モンスターエンジン西森鉄工所』を開催します。YouTubeチャンネル「モンスターエンジン西森チャンネル」で作られた“ムダ鉄アート”作品を展示し、グッズも販売。高校生のころから東大阪の実家の町工場で鉄加工の“英才教育”を受けてきた西森の作品は、たしかな技術で緻密に計算されたモノばかりです。
初個展開催を前に行われた内覧会の様子を、芸人ライターのヘッドライト・町田星児がレポートします！

テーマは「ムダ」であること

現代人が日々、実用性や合理性を追い求めるのは当然のこと。しかし西森の作品は、ムダに重いモノやムダに大きなモノばかりで実用には向きません。

でも、考えてみてください。芸人が作るモノです。合理的に生きていくうえでは、いい意味でムダなモノばかりでしょう。

ご来場の方は「ムダ」という視点を忘れずに！　ムダを楽しんで、彩りのある人生を！

ということで、たくさんの作品のなかから僕が特に気になったモノを紹介します。

まずは「爪楊枝入れ」。数タイプあり、上部をひねって開けるタイプのモノはジャルジャル・後藤淳平も使っているのだとか。全タイプ、収容できる爪楊枝は1本のみ。しかし、1本しか入らないわりにはサイズがでかい！　まさに「ムダ」な大きさ！

続いて「土下座シート」。土下座をしたいけど、膝と手とおでこを汚したくないときに使うモノ。クレーム対応を仕事としている人には一見、需要がありそうだけど、これを持ち歩くにはあまりにも重い！まさに「ムダ」な重さ！

そして「チュッパチャップス回転機」。手動でハンドルを回して、差し込んだチュッパチャップスを回転させながら舐めるというモノ。「回転させることにより、ふつうの3倍の甘みを得ることができる」と西森は言うけれど、たぶん甘みは変わらないと思う。まさに「ムダ」な労力！

新たなお笑いの形なのかも

作品をすべて見て、これは漫才やコントと並べてもいい“お笑いのジャンル”ではないか、という思いに駆られました。本人の囲み取材にあたって僕は、「過去のコントの“ゴッドハンド洋一”のグローブのように、今回、作ったモノを小道具とするコントを考えていますか？」という質問を用意していたのですが、西森の話を聞いているうちに愚問であると思い、その質問はしませんでした。

これらの作品がネタの小道具になるのではなく、これら自体がネタであることに気づいたのです。西森だから作れるお笑い。彼の手こそがゴッドハンド――。