吉本新喜劇の間寛平GM(ゼネラルマネージャー)のもと、座員たちのさまざまな挑戦の場として立ち上げられた「吉本新喜劇セカンドシアター」。今年10月に開幕する女子ラグビーのワールドカップと、来年9月開幕のラグビーワールドカップを盛り上げるべく、『ラグビー新喜劇 in セカンドシアター』が9月3日(土)に開催されました。この日のためのスペシャル新喜劇には、現役ラグビー選手らが登場! ラグビー知識ゼロだったのに、今回のイベントで選手の皆さんの魅力にメロメロになった、新喜劇座員で芸人ライターの𠮷岡友見がレポートします!
今回のイベントは、過去に社会人チームでも活躍したラグビー芸人のタックルながい。が中心になって作られた新喜劇を上演。すっちーや酒井藍といった人気座員とともに、リーグワンの「花園近鉄ライナーズ」のタウファ統悦、野中翔平、横井隼、人羅奎太郎、「NTTドコモレッドハリケーンズ大阪」の藤田達成、杉下暢、光井勇人、小泉将、女子ラグビーチーム「パールズ」から齊藤聖奈、玉井希絵、庵奥里愛といった11人のラグビー選手らが出演しました。
あの日本代表ヘッドコーチも出演!?
当日の会場は、ラグビーファンやラグビー経験者であろう屈強なお客さまで満席で、開演前からものすごい熱気でした。ラグビー経験者の木尾モデルとなにわスワンキーズ・こじまラテが前説で登場し、会場を盛り上げたところで新喜劇がスタート。タイトルは『勇気のタックルやったるで』です。
ラグビー選手がよく利用するホテルを舞台に、ながいと妻の鮫島幸恵、息子の生瀬行人が宿泊しにきたところから物語は始まります。すぐ仕事をさぼるバイト役のすっちー&酒井に従業員役のもじゃ吉田がツッコみを入れ、序盤から会場は笑いに包まれます。
そこになんと日本代表ヘッドコーチのジェイミー・ジョセフが登場……と思いきや、諸見里大介が登場。あまりのソックリさと滑舌の悪さで観客は大爆笑です。
“乳首ドリル”を完コピする現役ラグビー選手!!
そして待ちに待った選手陣の登場に割れんばかりの拍手が起こります。一人ひとり自己紹介が始まり、最後の齊藤選手は「しゃいとうしぇいなでしゅ」と諸見里のモノマネを取り入れて笑いもバッチリ。
セットプレーのひとつである「ラインアウト」を披露すると、リフトのあまりの高さに観客だけでなく舞台上の芸人からもどよめきと拍手が起こりました。
また、地上げ屋役で登場したアキと吉田裕を追い払うために庵奥選手は稽古なしの“乳首ドリル”を完璧に決めます。そして同じく“乳首ドリル”に挑戦した横井選手は「スクラム組まんのかーい!」とアドリブを入れて度胸があるところを見せてくれました。
今回の舞台でひときわ爆笑をかっさらっていたのは元日本代表で、花園近鉄ライナーズの普及担当、タウファ統悦でした。緊張のあまり舞台上に台本を握りしめて登場すると、「なんですって!」というセリフがあまりにも棒読みで舞台上の全員がずっこけてしまい、その後、何回も「なんですって!」と言わされる始末。まるで“持ちギャグ”のようになって、本人も「ギャグができたので、セカンドキャリアが決まりました……」と新喜劇入団を“宣言”していました。
試合中のスクラムで「口臭」の話?
舞台終了後は出演芸人と選手らが再登場し、会場のファンからの質問に答えるトークコーナーです。
「どんな努力をしたらプロになれますか」という質問に、人羅選手は「目標を決めてやり続けること。オフの日に練習すること」と真摯に回答。しかし、チームメイトの横井選手に「オフの日、めっちゃ休んでる」とツッコまれて苦笑いする一幕も……。
また玉井選手が「練習も試合だと思って取り組む」と回答すると、芸人チームはしきりに感心しますが、「僕の努力は先輩と飲みに行くこと」と言うもじゃ吉田にブーイングが。
そこからお酒の話題になり、野中選手は「タウファさんがワインを飲んでると思ったら、(果物ジュースの)ウェルチだった」という可愛らしいエピソードを披露しました。
「見てほしいプレーは何ですか」という質問には、「喋りが得意なんで“トークプレー”」とボケる野中選手の発言から、試合中に相手選手と会話するのか?という話題に。男子ラグビーでは、スクラム中に「なに食べたんや。臭い」とまさかの口臭をツッコんだりしているという話に盛り上がるなか、酒井は「女子は試合中、恋バナしたりするんですか?」と質問し、全員からツッコまれていました。
ここでトークコーナーの終了を知らせるホイッスル。最後の質問は、ながいからNTTドコモレッドハリケーンズの選手に「ドコモ以外の携帯使ってる人?」ととんちんかんな内容で、会場を沸かせました。
エンディングでひとこと求められた齊藤選手は「日本一目指してがんばりましゅ」と最後まで諸見里のマネをして笑わせ、大盛り上がりのうちにイベントは終了しました。
夢はフランスでラグビー新喜劇
イベント終了後の囲み取材には、出演選手らとながい、酒井、諸見里が参加しました。
――今回の感想を聞かせてください。
酒井 選手の皆さんもお客さまもパワフルで、すごく楽しかったです。“なんですって!”というギャグが生まれてよかったです。LINEスタンプになりそう(笑)。
諸見里 僕は新喜劇では大きいほうと言われるのですが、選手の皆さんにお会いするとまだまだでした……。齊藤選手が僕のマネをしてくれて嬉しかったです。選手の方たちはユーモアもあって最高でした。
ながい ラグビーを盛り上げたい気持ちと、寛平GMが立ち上げてくださったセカンドシアターを盛り上げたい気持ちで今回のイベントを企画しました。出演者の皆さんやお客さまにパワーをいただきました。
野中選手 大阪生まれ大阪育ちなので新喜劇に出演できて光栄でした!
杉下選手 タウファさんはじめ、みなさんに「笑い」の部分で圧倒されてしまいました。次回、呼んでいただけたら頑張ります!
諸見里 (新喜劇じゃなくて)ラグビーを頑張ってください!(笑)
齊藤選手 女子ラグビーを知っていただく機会をいただけて本当に有難いです。ジェイミー・ヘッドコーチ(諸見里)に名前を覚えていただけて嬉しいです(笑)。
――新喜劇とラグビーの共通点はありますか?
ながい やっぱりチームプレーです。新喜劇もいろんなキャラを持つメンバーで笑いのボールを繋げていってトライする。そんなところが共通点です。僕はノックオンばっかりですが(笑)。
――女子のワールドカップは間もなく開幕ですが、なにか変化や盛り上がりを感じますか?
玉井選手 声をかけてもらえることが増えましたし、高まりも感じます。けど、もっと男子ラグビーファンの方にも女子ラグビーを見ていただきたいので、今日のような機会はとても有難いです。知ってもらえると嬉しいです。
――最後に次回、コラボするならどんなことやりたいですか?
ながい 来年のフランスワールドカップに現地フランスで選手の皆さんにも出演してもらい、ラグビー新喜劇やりたいです!
諸見里 大会中に新喜劇出てる場合じゃないでしょ!(笑)
選手の皆さんは、鍛えられた体にハツラツとした声、“カッコいい”に加えて、面白くて可愛らしい――すっかりファンになってしまった筆者です。そして改めて、何とでもコラボできてしまう新喜劇のすごさを感じました。今年の女子、そして来年の男子のワールドカップも楽しみです。これからも新喜劇は、ラグビーを盛り上げていきたいと思います!
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