フィリピン住みます芸人のほりっこしが、1月2日(月)に放送される『1億人の大質問!? 笑ってコラえて!新春4時間30分スペシャル』(日本テレビ系)に出演し、現地での活動の様子が紹介されます。日本から遠く離れ、言葉の壁も乗り越えて現地で奮闘する姿は、きっと正月のお茶の間に大きな元気を届けるはず。しかし、アジアで頑張っているのは彼だけではありません!
ということで今回は、アジア住みます芸人たち――タイのあっぱれコイズミとTの極み、台湾の漫才少爺(太田拓郎、三木奮)、インドネシアのそこらへん元気、そしてフィリピンのほりっこしの6人がオンラインで一挙集結。これまでを振り返りつつ、今後の展望を語ってもらいました。
アジア住みます芸人は、2011年に始まった全国47都道府県住みます芸人に続いて2015年にスタートし、現在は11組13人が台湾、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、ミャンマーで活動しています。2022年10月にはYouTubeで「よしもとHELLO ASIAチャンネル」を開設し、それぞれの国から地元ならではの話題やトレンド、おススメ情報などを配信しています。
もはや”動物保護芸人”?
――最初に、2022年の活動を振り返りつつ、自己紹介をお願いします。誰からいきましょうか?
太田 やっぱりコイズミさんの意見を聞かないと、僕らいけないので。まずはコイズミさんで。
ほりっこし やっぱりコイズミですね(笑)。
あっぱれコイズミ いや、“やっぱりコイズミ”じゃねーよ! あっぱれコイズミです。私はTの極みと一緒にタイでやらせてもらっているんですけど。2022年はコロナの影響で仕事が思うようにできなくなってしまって。いままではタイの映画やCMに出させてもらったり、タイ住みます芸人の3人でサワディー花月という劇場でタイ人向けにネタライブをやったりしていましたが、コロナの影響もあってできなくなってしまった。
そこで、オンラインサロンを立ち上げて、日本人の皆さんと協力してタイのために何かできないかと考えました。その第1弾として、絶滅の危機に瀕している象を保護するためのボランティア活動としてクラウドファンディングをしてみたら、皆さんのおかげでいい感じになったので、次に保護猫の活動も始めました。
太田 すごい。もはや“動物保護芸人”ですね。
コイズミ 自分がいちばん保護してもらいたいのに、保護している側なんだけど(笑)。
――では、タイつながりでTの極みさんは?
Tの極み 僕は、タイの学校をまわりながらマジックお笑いショーをやっているんですが、それでタイの全77県を制覇するのを目標に活動しています。コロナでなかなか活動できない時期が続いたんですが、昨年7月くらいに、ようやくタイもコロナから回復してきたので活動を再開しました。
あとは、子どもたちとの交流が多いので、それをきっかけに僕も何かできないかなと思って、発展途上国の子どもたちにサッカーボールを届けて社会貢献するNGO「ピースボールアクション」とコラボして、ボールやゴールをプレゼントさせてもらったりという活動もしています。
――フィリピン住みます芸人で今回、テレビ出演もする、ほりっこしさんは?
ほりっこし 僕は、ロックダウン前はお笑いライブに出ていたんですけれど、コロナになってできなくなって、オンラインでネタを配信していました。フィリピンはFacebookが盛んなので、それで500日ぐらい連続配信をしたり。あと、コロナ禍ではコイズミさんやベトナムのシンスケ(ダブルウィッシュ)とかと一緒に「勝手にASEAN会議」というチャンネルをYouTubeで立ち上げました。それは、いまの「よしもとHELLO ASIAチャンネル」のもとになっているものだと思います。
あと、昨年3月くらいの、コロナからの回復の兆しが見えて来たタイミングで、コメディクルーというグループで活動させていただくようになりました。ボスが、フィリピンでけっこう知名度がある人で、「コメディツアー」という形で10カ所の会場をまわったりしていました。いちばん大きいのだと、テレビでも放送された1000人規模の会場で2DAYS。そんな感じでやってます。
――『笑ってコラえて!』への出演は、すごく反響が大きいのではないでしょうか。それこそ、ここにいるアジア住みます芸人たちみんなの期待を背負っての出演ですし。
ほりっこし あ、まったく期待とかは関係なく、僕ひとりでやっている気持ちなので。
太田 おおー-い! オレらも考えろよ!
ほりっこし “自分さえよければいい”のスタンスで、番組でも、ひと言もほかの住みます芸人の話はしていないです。
コイズミ ウソでもいいから「みんなのおかげで」ってことにしろよ!
太田 「いろんな国で頑張ってます」って言えよ!
ほりっこし 日本の47都道府県住みます芸人の話はしたかもしれないですけど、アジア住みます芸人のことは言ってません(笑)。
台湾人と日本で一緒に仕事ができたのがうれしい
――台湾住みます芸人の漫才少爺(まんざいぼんぼん)のおふたりは?
太田 僕らは週1のライブが中心なんですけど、最近は、定期的にテレビに呼んでもらえることが増えてきました。ライブの回数もそうなんですけど、なにより昨年は、台湾で漫才をしたいという子たちとの交流が増えた年でした。
三木 台湾でも漫才師が増えていて、それに合わせて、彼らとコラボする機会がどんどん多くなってきました。「オープンマイク」という、誰でも参加できるライブを毎週日曜日にやっているんですが、若い子たちも興味を持ってくれて、そのなかから中学生の女の子が漫才を始めたり。漫才の普及という意味で、植えた種がようやく芽を出し始めている気がするので、もっとこの活動を続けたいなと思います。
太田 あと、台湾人で漫才を始めた達康.come(ダカンダカン)というコンビがいて、一緒に500人規模で2日間のライブをやりました。また昨年9月には、ダカンダカンと一緒に、日本の東北にロケに行ったんです。台湾人と日本で仕事ができたというのは、うれしかったですね。僕らの夢というか。最近、YouTubeにアップしたんですけど、NON STYLEの石田(明)さんを交えた5人の対談もすごくうれしかった。台湾の漫才の始祖であるダカンダカンと、台湾人がいちばん見ている漫才師であるNON STYLEの石田さんが話している姿を見て感激しました。今後も吉本の幅広さを活かして、そういった交流も進めて行ければいいなぁと思います。
――台湾でも漫才が浸透しつつあるんですね。
太田 漫才もそうなんですけど、大喜利ライブやコーナーライブもときどきあって、どれが台湾人の人に刺さるのかをみんなで探るのも楽しいです。
三木 来てくれるお客さんもだんだんと目が肥えてきてしまって、僕らもスベったりします。レベルが上がってきて、面白くないと笑ってくれないです(笑)。
――最後に、インドネシアのそこらへん元気さんは?
そこらへん元気 2021年はコロナで仕事がなくなりました。レギュラー番組で、外のロケでゴハンを食べる番組があったんですが、それも撮影できなくて番組自体が終わってしまったり。でも、ありがたいことに、インドネシアではYouTuberとして認知してもらっていているので、YouTuberとしての企業案件も多くいただいています。現地のラーメン屋さんのブランドアンバサダーになったりもしました。
そこらへん元気 そんななかで、昨年はやっとイベントも増えてきて、コスプレイベントや日本のイベントのMCをさせてもらいました。大きかったことでいうと、現地の映画にW主演のひとりという大役で出演したり。いままでは日本人役で日本語だったんですけど、今回は全編インドネシア語。そういう役は初めてでしたね。
――どんなジャンルの映画だったんですか?
そこらへん元気 それが僕もちょっとわからなくて……。
太田 いや、ちょっとどういうこと?
コイズミ 台本読めばわかるだろ(笑)。
そこらへん元気 恋愛の話かと思っていたら、途中で人が殺されたり……。いろいろあって、面白い感じになっていると思います。僕、まだ観ていないんですけど。
日本のお笑い文化は” ガラパゴス”!?
――現地にいて「日本と比べてココが違うな」とか、「こういう部分はこの国ならでは!」という部分はありますか?
三木 ほかの国と比べると、台湾ってすごく親日的なんです。日本のことにすごく詳しいし、興味がある。僕らが漫才をやりたくてやっているというより、みんなが日本のことに詳しくて興味を持ってくれているから、漫才ができる環境があったというほうが近いです。
コイズミ タイも基本は親日的なんですけど、いままでは日本語が習いたい言葉の1位だったのに、ちょっと下がっているんですよね。子どもにもそう思われてしまうのは残念なので、日本に興味を持ってもらうようにいろいろな活動をしています。
ほりっこし それこそ世界的な韓国ブームですからね。ドラマやK-POPの影響は、どこの国でもすごくありますよね。
コイズミ そうそう。でもぶっちゃけ、日本のお笑いは世界でいちばんレベル高いと思っています。お笑いを通じて、もっと日本に興味を持ってもらえることをやっていきたいなと思ってます。
――そこは、国は違えど、皆さんに共通する思いなのではないですか?
ほりっこし 僕はちょっと、そこに一石を投じさせてもらいたいなと思ってます。
コイズミ 噛みついてくんじゃねーよ(笑)。
ほりっこし いや、フィリピンで感じるのが、貧富の差のすごさなんですよ。おカネ持ちとそうでない方の差がすごい。よくフィリピンの笑いはベタなものが多いと言われるんですけど、貧富の差がすごすぎて、共通項がベタな部分しかない。浅く広くってなると、どうしてもベタな感じが求められて、縦に深い笑いというのがなかなか受け入れられない土壌があるんですよね。
太田 僕が思うのは、日本はお笑いのレベルが高いと言われるけど、コメディのレベルが高いわけではない。日本のお笑いは独自に進化した笑いであって、まさに“ガラパゴス”な発展をとげた感じがします。台湾は日本に近いぶん、お笑いを受け入れてくれるけど、もちろん全部じゃないし、理解できないところもある。台湾だけではないと思うけど、「同じアジアで近いけど違う」というところを理解して、そこでどうやっていくかということだろうと思います。まるまる同じことをやっても、伝わらないし。
Tの極み 僕の場合はマジックで、言葉やニュアンスで伝えるというよりも、見て楽しむものなので、クセがある笑いではありません。そのぶん、基本的に全部わかってもらえますね。ただ、マジックをやるぶんにはいいんですけど、ちょっとした付け足しワードが伝わっていなかったりということはあります。だから、面白い面白くないというよりは、伝わっているか伝わっていないかみたいなところが大きいですね。面白くないと言われることはなくて、「よくわからなかった」と言われることはある。
そこらへん元気 インドネシアでは宗教の力も大きくて、8割の人がイスラム教なんです。舞台で、宗教的にやってはいけないこともいろいろあります。わかりやすい笑いということで声帯模写をやったことがあるんですが、そのなかで犬と豚をやったら、主催者の方から「それはイスラム教では下等な動物になるから笑いにならない」と注意されたことがありましたね。
アジア住みます芸人が集まってトークライブを!
――皆さん、それぞれの国でいろいろな壁を越えて活躍していて、素晴らしいと思います。そこで、皆さんの2023年の目標を聞かせてください!
そこらへん元気 わかりやすい目標でいうと、僕の場合はYouTubeのチャンネル登録者数かな。いまは60万人ぐらいなんですけど。
一同 おお~、すごい!
そこらへん元気 やっぱり1つの大台というところで、100万人というのが目標です。インドネシアって、アジアのなかでも、登録者数の多いYouTuberがめちゃめちゃたくさんいるんです。なかには1,000万人超えみたいな人もいるんですよ。だから、まずは100万人を超えられるようにというのが大きな目標ですね。
太田 僕らは2022年でやってきた“交流”を、2023年はライブとしてどんどん形にしていきたい。一緒にやってきた人たちと、いままでより大きな会場だったり、日本の芸人さんも巻き込みつつのライブだったり、そういうことをやっていきたいなと思います。
三木 バラエティ番組っぽい感じで1つのチャンネルを作って、ライブを見ない子たちにも興味を持ってもらえるようにしたいですね。
ほりっこし 僕はコメディクルーのメンバーから仕事をもらうことがほとんどなので、自分でも知名度を上げて、逆に自分のイベントにコメディクルーに来てもらうような形にできたらなと思っています。
Tの極み 僕は、まずは77県すべて回るというのが目先の目標。いまは36県が終わっていて、あと半分ぐらいなんです。あとは、タイと日本の架け橋もそうだし、住みます芸人を超えた活動もしたいですね。たとえば、タイのいちばん北の県では、実っているんだけど収穫もしない、でも、めちゃくちゃ美味しいパイナップルがたくさんあるんですよ。すごくもったいないので、それを使って何かできないかなと思っています。
――では、最後はやっぱりコイズミさんに締めてもらいましょう!
太田 やっぱりコイズミ(笑)。
コイズミ いや、ワタシ、やっぱりコイズミではなく、あっぱれコイズミなので。個人的には2年ぐらいネタができていなかったので、ネタライブもやりたいなというのと、ボランティア関係でもいろいろなお話をいただいていて、これまで誰もやったことがないことをブチかませるんじゃないかと。
一同 おおおお!
ほりっこし え! 月、行っちゃうんですか?
コイズミ 「ゴートゥーザムーンGO TO THE MOON」……って違うよ!
太田 象に乗って月へ?
三木 月花月?
コイズミ 全員、宇宙服つけてやらなきゃ…って違うよ! でも、やろうとしていることは、アジア住みます芸人の皆さんにもご協力いただくことです。みんな、こんなに頑張っているんだから、日本の人たちにもっと知ってもらえるような活動をしたいな、と。なので、アジア住みます芸人で集まったトークライブのようなものをしたいな、と個人的には思います。
あとは、ふつうにデカいこととしては、タイだけでなくラオスでもちょっと活動の話があるので、そっちも広げていきたいですね。
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